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【連載】 こう創る!! 伝統文化教育

松藤 司・大阪府泉佐野市立長坂小学校非常勤講師、皇學館大学非常勤講師


様々な教科の中で、「伝統・文化」への理解を深める授業をどう展開するか。子どもたちの興味・関心をひきつける教材や、授業展開の具体的な方法を示します。(編集部)


(以下、連載の一部を紹介します)

暦の不思議・謎解きミステリー
 

 小・中学校には、来年度から伝統文化の教材が入ってくる。国語科では1・2年生で神話や昔話、3・4年生で短歌俳句、そして5・6年生では古文や漢文を学習する。主に音読や暗唱という学習になるだろうが、5・6年生の教材では内容の理解も入っている。
 日本の伝統文化には、外国人がとても興味を持つようだ。日本語教師をしている知人に聞くと、着物や茶道など、日本の伝統文化を教えてほしいとよく言われるらしい。
 この連載では国語だけでなく、日本の伝統文化について、子どもたちが興味関心を持つ分野の実践を紹介するつもりである。

 ▼フラッシュカードで陰暦の月の名前を唱える
 睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走
 このカードの裏には、1月から12月までが書かれている。
 1月を見せて睦月と唱える。その反対に睦月を見せて1月と唱える。フラッシュカードだと自然に覚えることができる。
 この後、睦月から師走まで順番にフラッシュカードを並べて、気づいたことを発表させる。
 子どもから次の疑問が出る。「なぜ6月が水無月なの。6月は梅雨で雨がたくさん降るのに…」「葉月の意味は、葉の色が紅葉するとあるが、8月では紅葉しないのに、なぜこんな名前がついたのかな」。私は年賀状を取り出して次の話をした。

 「1月1日に届いた年賀状です。新春のお慶びを申し上げますと書いています」と言って、下のカレンダーに「新春」と記入した。その後、カレンダーに立春、立夏、立秋、立冬を入れてみた。黒板は図のようになった。
 すると、子どもたちからは、「1月1日は真冬なのに、なぜ『新春』と年賀状に書くのか」「2月4日は立春だけど、まだ一番寒い時期なのになぜ立春なのか」といった疑問が出た。
 さらに、立夏、立秋についても同じ疑問が出た。11月の立冬については、11月は寒いので冬なのは納得できたようだ。
 昔のカレンダーの名前で書いているからずれる。「昔のカレンダーは1カ月ぐらいずれるってお父さんが言ってた」など、子どもの発表が続いた。私は次の話をした。

 江戸時代までは、太陰暦といって、月の動きでカレンダーを作っていました。月の動きだと1カ月は29日になります。1年は365日ですから、当然、何日か余ってきます。13年に1度閏月を作りました。1年が13カ月の年もありました。
 明治時代になってヨーロッパと同じ太陽暦のカレンダーを使うようになりました。ヨーロッパとお付き合いをするのでヨーロッパのカレンダーに揃えたのです。明治5年のことです。この年、旧暦の12月3日を太陽暦の1月1日にしました。だから約1カ月早くなったのです。立春は太陰暦では3月の始めにあたります。
 みんな不思議に思いませんか。なぜ1月1日にしなかったのでしょう。実は、明治政府は財政が苦しく、12月3日を1月1日にすることによって、役人に12月分の給料を払いませんでした。また、次の年は13カ月の閏年でした。こちらも1カ月分給料を払いませんでした。財政難を乗り切るために、太陽暦をこの時期に導入したのです。
 

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