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【連載】 子どもの学習意欲を高める働きかけ

平松 孝治郎・愛知県大府市立大府小学校教諭


【執筆者紹介】
  
平松孝治郎(ひらまつ・こうじろう)教諭 子どもの意欲を高める多様な授業技術を追究している。主な著書に、『「参加型板書」で集団思考を深める』(明治図書)、『「Cランクの子」への対応策①国語編』(明治図書)などがある。

(以下、連載の一部を紹介します)

まず教師が旺盛な学習意欲を
 

「子どもたちの学習意欲を高めたい」とはよくいわれる。確かに、そのことは大切である。子どもたちの学習意欲が高くなければ、授業は低調なものとなる。または、私語が絶えない授業となる。それなら、どうしたらよいか。
 第1に、教師の学習意欲が旺盛であるかを問いたい。教師に学習意欲がなければ、すべての目論見は徒労に終わる。

 そして、教師の学習意欲とは何か。まずは、教材研究をすることだ。教科書を何度も読むことだ。教科書には先人の知恵が詰まっている。できれば、学習指導要領までさかのぼりたい。教科書で分からない言葉、気になる表現、データなどがあれば、辞典や参考書などで調べることだ。教科にもよるが、関連図書などにも目を通しておきたい。

 次に、教材研究したものを、どのように授業で組み立てるかを考える。特に大事なのは、発問と指示だ。発問と指示は授業の骨格となる。ノートに書き出してみるのがよい。
 さらに、授業はやりっぱなしではいけない。例えば、これはと思う授業(公開授業や授業参観など)は、録画や録音をしておくことだ。そうすれば、どこで子どもたちが興味をもったのか、どこで反応が悪かったのか、教師の対応はどうだったのかなどを振り返ることができる。

 私は時々、ICレコーダーに授業を録音している。いまのICレコーダーは性能がよく、録音したものはUSBを通して、簡単にパソコンにデータを送ることができる。送ったデータに日付や単元名を書いておけば、貴重な授業記録となる。
 また、デジタルカメラも必需品だ。私はよく板書や子どもたちの作品をデジタルカメラで撮る。板書を見れば、おおよその授業の様子がわかるからだ。これも貴重な記録となっている。学習の記録として、子どもたちのノートも大切だ。気になるノートはコピーしておく。
 このような教師の営みがあってこそ、子どもたちの学習意欲が高まると考えている。 
 


ワクワク感のある授業を演出


 学習意欲が高まるのは、どういう時だろうか。ワクワク感のある授業と出会えた時ではないだろうか。いくつか紹介する。

 新出漢字を練習した後、空書きをさせる。自分の利き腕を挙げさせて漢字を書かせる。画数も言わせる。動きが違うとすぐにわかる。心地よい緊張感がある。これに加えて、いまならiPadを使うこともある。新出漢字の練習が終わった子を呼び、iPadに指書きをさせる。覚えているかどうかも一目瞭然だ(写真)。

 また、言葉の学習で「~しい」という形容詞の勉強をする。そのとき「~しい」とつく言葉をできるだけたくさん集めさせる。「悲しい」「楽しい」「うれしい」「苦しい」などたくさん出される。それに、席順に名前を付けていく。「悲しいAさん」「楽しいB君」……。これだけのことでも教室には笑いの渦が起きる。

 算数なら、例えば平行四辺形を黒板に書き、「先生が一目でわかるようにいろいろな方法で解いてごらん」という。そうすると、平行四辺形を2つの三角形に分ける方法、平行四辺形を長方形に直す方法、2つの平行四辺形を合わせる方法などが出される。それらがずらっと板書される中、前で説明をさせると熱中した授業となる。

 社会科なら、教科書を読んでいるときに地名が出てきたとする。すかさず、このように言う。「いま教科書に出てきた明石市を地図帳で探しなさい。探せたら立ちなさい。1番、2番、…20番。まだ探せていない人に教えてあげなさい」。
 理科では、教科書などに星空がカラー写真で大きく写っているページを使い、このように言う。「星の写真が見開き2ページに大きく載っています。この写真を見て、気がついたこと、思ったことをノートに書きなさい」。そうすると、「星の明るさが違う」「星の色が違う」「星の集まりが川のようになっている」「1番明るい星は何だろう」などと、次から次へと意見が出る。
 少しの工夫でワクワク感のある授業を演出することができる。


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