[3月8日]
◇現場の負担感軽減に配慮
学校の第三者評価には、外部の専門家の人数が揃わない地域があるのではないか。 域内の学校訪問をするための日程調整などで、事務担当側の負担は大きい――。こんな意見のやりとりが、2月26日に開かれた文部科学省の「学校の第三者評価のガイドラインの策定等に関する調査研究協力者会議」(座長・天笠茂千葉大学教育学部教授)で行われた。第三者評価ガイドライン策定に当たり、その意義の理解や学校現場の負担感への配慮が検討課題とされた。
◇「学校支援ネットワーク事業」が好評
東京都墨田区教育委員会(久保孝之教育長)が昨年4月から区内の中学校を対象に実施した「学校支援ネットワーク事業」の報告会が2月24日、同区立寺島中学校で関係者を集めて開かれた。学校に外部講師などを派遣して支援をする試みは、全国各地で行われているが、同区の場合は、地域コーディネーターが地域人材と学校間の調整役に徹し、教師の負担を少しでも軽減するという“墨田方式”ともいえる手法。1年間の試みの結果、中学生たちの評判もよいことから、来年度からは小学校にも拡大して、同事業を展開していく計画だ。
◇高校生の就職内定率75%
文部科学省は2月23日、今年3月の国・公・私立の高校(全日制・定時制)の卒業予定者の就職内定状況(平成21年12月末現在)の結果を発表した。高校卒業予定者の就職内定率(就職内定者の就職希望者に対する割合)は74.8%で、昨年同期から7.5ポイント下降した。男子は79.7%、女子は68.5%。昨年同期比で男子は7.3ポイント、女子は7.8ポイントそれぞれ下降した。
[3月1日]
◇「新しい公共」で本格論議
鳩山由紀夫首相が先の国会の所信表明演説で明らかにした「新しい公共」は、その実現を目指して円卓会議が設置されるなど、この問題が教育界でも話題になっているが、文部科学省は2月19日、省内で第52回生涯学習分科会を開き、「新しい公共」の問題を取り上げ、委員(31人)間で自由討議した。 この中で、何人かの委員から「新しい公共」という考え方が「雇用」につながらなければ意味がないとの指摘があり、注目された。
◇9項目で授業観察
教員の授業力を向上させるために校長が行う授業観察はどのように進めたらよいのだろうか。授業観察を中心とした教員の力量評価のポイントについて、谷合明雄東京都新宿区立四谷中学校長に聞いた。授業観察の9項目を教材研究や指導計画の立案、生活(生徒)指導と関係づけておくことで、学習指導の技術面だけでなく、授業前の教材研究や指導計画立案での課題、生活指導・学級経営で教員が抱えそうな問題点などを把握することができるという。
◇「学校評価」で経営改善
学校評価を若手育成につなげる東京都荒川区立小学校長会の取り組みが、2月19日に都内で開かれた東京都公立小学校長会の今年度第54回研究発表会で披露された。同区立小学校の校長は、若手の指導に当たったり、児童の評価を若手の育成に生かしたりするなど、学校評価活動を学校経営の充実・改善につなげる取り組みを進めた。
[2月25日]
◇小学校に「児童支援専任教諭」
横浜市教育委員会はこのほど、来年度予算に「児童支援専任教諭」を市立小学校70校に配置するための予算を盛り込んだ。 同市の小学校では、発達障害や日本語指導など特別な支援を必要とする児童や不登校児童、被虐待児童に、現状では主に担任が対応しているが、同専任教諭を配置することで、担任が問題を抱え込むのを避け、学級崩壊を予防するとともに、校内での組織的な対応や関係機関との連携を進めるねらいがある。同専任教諭は特別支援教育コーディネーターを兼務する。同市では平成26年度までに小学校全校(346校)に配置する予定だ。
◇指導要録記載事項4月中に発出
文部科学省は4月中に指導要録の記載事項などを盛り込んだ通知を発出する方針。学習評価の観点などの在り方については、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ」で3月末までに報告をまとめる。通知発出後には、国立教育政策研究所での検討を経て、同研究所から各教科等の評価規準が示される予定だ。
◇高校教員向けにキャリア教育パンフ
国立教育政策研究所は2月16日、高等学校教員向けキャリア教育推進用パンフレット「自分を社会に生かし、自立を目指すキャリア教育―高等学校におけるキャリア教育推進のために」を作成し公表した。現在、国において進められているキャリア教育の一層の推進を図るために作成したもので、高校におけるキャリア教育の目標、効果的な進め方や配慮事項などについて、生徒に直に接するホームルーム担任教員などの理解が深まることを意図して、図や例を用いて解説している。
[2月22日]
◇ひきこもりと不登校を連続施策で
「子ども・若者育成支援推進法」が今年4月1日から施行されるのを前に、内閣府主催の公開講座「ひきこもりを考える」が2月13日、東京大学で開かれた。 この中で、現行の不登校・ひきこもり支援の問題点として、▽ひきこもりと不登校は本来連続して考えるべき問題だが、高校生年代以降、学校以外に通う場所の選択肢が極めて乏しい▽高校生年代から大学生年代の子のいる親がアクセスできる相談窓口が大変少ない▽家族支援から本人との出会いにつなげることのできる支援機関が乏しい――などがあげられた。その対策としては、中学・高校の教職員、生徒の家族へのひきこもり支援についての周知の充実や早期支援のための既存支援機関の機能拡充などが求められた。
◇埼玉県教委と埼玉大が覚書
埼玉県教育委員会と埼玉大学工学部は、環境教育などの推進を目指して連携した取り組みを展開することになり、2月1日に、さいたま市の同県教委教育長室で覚書を締結した。持続可能な社会の実現のために、環境問題に取り組む人材の育成などで連携・協力を進める。官学連携の持続発展教育の取り組みとして注目される。
◇警察庁が犯罪被害防止情報
警察庁は2月9日、少年非行や犯罪被害とその防止に関する取り組みを紹介する「少年からのシグナル」を同庁のホームページに掲載した。少年非行と犯罪被害の状況では、平成20年の刑法犯少年の検挙人数が前年と比べて減少したものの、近年、芸能人による覚せい剤などの乱用事件が相次いで発生したことから、少年への影響が懸念されるとしている。犯罪被害では、児童虐待事件の検挙件数が平成18年以降高い水準で推移し、深刻な状況にあることを指摘するとともに、少年の福祉を害する犯罪として、児童買春や出会い系サイトに関係した事件の被害などをあげている。
[2月18日]
◇「学習スキルの時間」を新設
学習スキルを児童生徒に身につけさせることで学力が向上――。 2月8日、文部科学省主催の「第6回研究開発学校フォーラム」が東京都千代田区の学術総合センターで実施された。この中で新潟大学教育学部附属新潟小学校・中学校が「『学習スキルの時間』を新設した9か年指導プログラムとしての教育課程と指導方法の研究開発」の成果について発表した。
◇教育課程部会で学習評価の中間まとめ
中教審初中教育分科会教育課程部会は2月12日、「児童生徒の学習評価の在り方について」などを議題に、第5期第3回の会合を都内で開いた。この中で「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ」で検討を行った「審議の中間まとめ」が報告された。観点別学習状況の評価は、現行の4観点の枠組みを維持するとともに、学習指導要領等で定めた「学力の3要素」との関連が整理された。文部科学省ではこの中間まとめについて、3月5日まで意見募集を行っている。
◇「熟議」で教育政策を
文部科学省の「『熟議』に基づく教育政策形成の在り方に関する懇談会」の初会合が2月10日、省内で開かれた。同会は、従来の教育関係団体などの代表で構成される審議会形式とは異なり、教育現場にかかわる様々な立場の人々による対話とインターネット活用などにより、「熟議民主主義」の考え方に基づき、教育政策についての合意形成と国民の意見を収集する新たな方策の在り方について検討するもの。鈴木寛文部科学副大臣は「これまでの審議はシステムづくりに偏っていた。そのための新たな課題も生まれている」と語った。
[2月15日]
◇子どもを見守る推進会議設置
いじめ、不登校、自殺など、相当数にのぼる子どもたちの問題行動を解決するため、文部科学省は1月29日、「子どもを見守り育てるネットワーク推進会議」を設置、各都道府県・指定都市教委教育長などに通知した。 同会議は、鳩山政権が推進する「新しい公共」の実現に向けた取り組みを関係機関や民間団体のチームワークで実現するもので、▽子どもが悩みを相談することができるチャンネルを充実する▽家庭教育への支援を行う――など5項目の「宣言」(1月14日に採択)をもとに実行する。
◇都教委が若手を系統的に育成
全国に先駆けて高い資質・能力をもった若手教員を育成しよう――と、東京都教育委員会は1月28日、採用から3年間で系統的・段階的に教員としての基礎的・基本的な知識・技能を確実に育成するため、平成22年度から「東京都若手教員育成研修」を実施する。この“新しい研修”は、昨年2月の「東京都公立学校教員研修体系の再編・整備に係る基本方針」に基づくもの。
◇新たな学校づくりでアイディア集
文部科学省は1月20日、「新たな学校づくりのアイディア集」を作成、都道府県教育委員会などに送付した。アイディア集では「教科学習の魅力を高める教室に」「ゆとりあるスペースで多様な体験やものづくりに」「学校中が出会いの場に」など30例を紹介。各自治体や学校に対しては、既成の学校施設の形態の枠にとらわれず、柔軟な発想をもとに有効活用してほしいとしている。
[2月11日]
◇学習評価は現行の4観点維持
中教審初中教育分科会教育課程部会児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループが1月25日に開かれ、「これまでの議論の整理」について検討した。 ここでは、現行4観点を維持するとともに、一部改正された学校教育法の学力の3要素との関係が整理された。学力3要素と現在の評価の4観点との関係については、「教科によって違いはあるものの、『知識・技能』と『技能表現』が基礎的・基本的な知識・技能を、『思考・判断』が知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を、『関心・意欲・態度』が主体的な学習に取り組む態度を、それぞれ踏まえているものとしておおむね整理できる」とされた。指導要録の「各教科の学習の記録」としての「評定」については、小・中・高校すべての段階で今後とも必要なものとされた。
◇「新しい公共」で円卓会議
鳩山由紀夫首相は1月27日、首相官邸で第1回「新しい公共」円卓会議を開き、今後の会議の進め方を決めるとともに、自由に意見を交換した。円卓会議は、第173国会における首相の所信表明演説(昨年10月26日)に基づき、「新しい公共」という考え方やその展望を市民、企業、行政などに広く浸透させるとともに、今後、日本社会が目指すべき方向性やそれを実現させる制度・政策の在り方などを議論するのが目的。議論の対象になるのは、ボランティア活動や規範意識の向上など、教育関連のテーマも多いだけに、教育関係者の注目を集めそうだ。
◇生徒の「学習意欲」に課題
文部科学省はこのほど、同省のホームページに、OECD教育局・指導分析課長のアンドレアス・シュライヒャー氏に対して行った「国際的な学力調査PISAについて」と題するインタビュー内容を掲載した。この中で課長は「PISA(生徒の学習到達度調査)」は「学習で得た知識をいかに習得したかではなく、学んだ知識を未知の新しい状況に応用できるかを測るもの」と強調。また、日本の教育課題は「生徒の学習意欲」の問題だとし、「学習が将来の技能に生かせること」が大事だとした。さらに、OECDが近く実施する世界初の国際比較調査であるPIAAC(国際成人力調査)にも言及した。
[2月8日]
◇学校問題解決のために手引
東京都教育委員会は1月28日、保護者や地域住民との相互協力関係を築くことをねらいとした「学校問題解決のための手引」を配布することを発表した。 手引の主な内容は、(1)教員の苦情のとらえ方の特徴(2)学校が行う保護者などへのよりよい対応(3)事例からつかむ対応のヒント(4)学校問題の未然防止・早期対応――など。民間の苦情対応の専門家などの有識者が作成に当たった点や初期対応の具体策が盛り込まれた点、電話などへの組織的対応に踏み込んだことに特色がある。
◇幼稚園への財政支援強く求める
文部科学省の学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議は1月27日、第4回会合を開き、幼稚園施設部会から出された幼稚園施設整備の最終的な改訂案と幼稚園施設整備の関連方策を盛り込んだ提言を取りまとめた。整備方策では、幼稚園設置者への財源の安定的な保証を国に対して求めるとともに、各設置者に対しては、耐震化や老朽化対策、エコ化などの機会を積極的に活用した教育環境の計画的、総合的な向上などを要望している。
◇児童虐待で適切な対応を
東京都江戸川区で小学校1年生が両親から暴行を受けて死亡した児童虐待事件を重視した川端文科相は1月26日、メッセージを出し、 全国の教育委員会と学校に「適切な対応」を強く促した。文科相は「大変残念で、強い憤りを感じている。学校が本児童に対する虐待の疑いを把握したあと、児童が学校を休みがちになるなど重要な変化があったにもかかわらず、関係機関と連携した対応が十分に図られていなかったものと聞いている。全国の教育委員会、学校関係者には、関係機関との連携など適切な対応をお願いするとともに、すべての国民・地域社会の皆さんが、子どもたちに目を配り、子どもたちが安心して健やかに育つことができるような社会の構築に向けたご協力をお願いしたい」などと訴えている。
[2月1日]
◇施設分離型小中一貫校が合同発表会
小中一貫教育を積極的に推進している東京都品川区は1月22日、施設分離型小中一貫校の研究学校(平成20・21年度区教委指定)による合同研究発表会を開いた。 開催したのは▽浜川小学校・浜川中学校▽芳水小学校・大崎中学校▽旗台小学校・清水台小学校・荏原第五中学校▽鈴ヶ森小学校・鈴ヶ森中学校の4つの連携グループで、2年間の研究成果をそれぞれ披露した。同区では、統合型の一貫校として日野、伊藤、八潮の3つの学園があるが、分離型の一貫校の教育にも力を入れている。今回のような研究発表会は全国でも初の試みで、全国各地から合わせて約1400人の教育関係者が参加した。
◇どの教員も見通しをもって単元指導
東京都足立区立千寿常東小学校(岡正見校長)は昨年度からの2年間、同区教委の研究奨励校として、「読みを深める常東手段〜物語文の指導法の工夫」を研究主題に、教師の授業力と児童の国語科の学習力を共に向上させる実践研究を進めてきた。この取り組みは、新学習指導要領の重要事項の1つである言語活動の充実について、国語科でどの教員でも取り組むことができる具体的な手だてを実証したもの。
◇専門高校の勉強は将来役立つ
専門高校生のほうが普通科高校生よりも、学校の勉強が将来につながっている、役立つと思っている――。東京大学教育学部比較教育社会学コースとベネッセ教育研究開発センターはこのほど、「都立専門高校生の生徒の学習と進路に関する調査」と題する共同研究の結果を発表し、専門高校生の特徴を浮き彫りにした。
[1月28日]
◇定数改善と資質向上見直しを
鈴木寛文部科学副大臣は1月21日、東京都千代田区の学士会館で開かれた中央教育審議会(三村明夫会長)の第71回総会に出席、今後の教育政策・施策の柱に、「学級編制と教職員定数の改善」「教員の資質向上策の見直し」をあげ、委員間での徹底した議論と具体的方策をまとめることを要請した。 このあと、中川正春文部科学副大臣、高井美穂文部科学政務官と各委員との間で意見交換が行われた。
◇“土曜日授業”で都教委が方針
東京都教育委員会は1月14日付で、小・中学校の土曜日における授業の実施に係る留意点について、各区市町村教育委員会教育長と関係都立学校長宛に通知した。確かな学力の定着を図る授業の公開や道徳授業地区公開講座などをねらいとしたもので、土曜日の授業の実施は各月2回の上限が定められた。今回の通知で都教委は、土曜日の活用を求める各区市町村教育委員会に対して、学校週5日制の趣旨を踏まえた上で、土曜日授業の大枠の方針を示した。
◇退職養護教諭派遣しリーダーに
文部科学省生涯学習局は1月14日、同局の来年度予額案の主要事項を発表した。それによると、(1)学校・家庭・地域の連携協力推進事業(2)消費者教育推進事業(3)社会教育による地域の教育力強化プロジェクト――が大きな柱。この中で、新規事業として、経験の浅い養護教諭の1人配置校や未配置校に退職した養護教諭を配置するスクールヘルスリーダー派遣事業が注目される。
[1月25日]
◇初中局主要予算が軒並み減額
文部科学省は1月14日、平成22年度の各局課別予算額(案)の主要事項を発表した。 新政権のもとでの初の予算編成で、従来の手法と比べて大きく様変わりをみせた。特に、編成に当たっては、マニフェスト(政権公約)の優先と事業仕分けによる減額が目立った。このうち、初等中等教育局関係では、義務教育費国庫負担金はほぼ維持されたものの、個別の主要予算は軒並み減額となった。18日から始まった国会での審議が注目される。
◇個人情報の取り扱いで懲戒75人
文部科学省は昨年12月25日、教育職員に係る懲戒処分等の状況についてまとめた。このうち、個人情報の不適切な取り扱いで懲戒処分を受けた教育職員は、前年度よりも20人増の75人だった。訓告等を含めた懲戒処分等を受けた教育職員の数も、前年度より59人多く、277人だった。個人情報が記録された媒体の紛失事故は、紙媒体のものと電子データのものがあるが、平成20年度に懲戒処分等を受けたケースでは、電子データの方が多かった。
◇教育関係団体に学級編制など意見聴取へ
文部科学省は1月14日、平成23年度以降の学級編制および教職員定数の在り方を本格的に検討することを決めた。主な検討事項は、(1)国の学級編制の標準の今後の在り方(2)新学習指導要領の円滑な実施など教育課題に対応した教職員定数の在り方――。2月中下旬に教育関係団体や有識者からヒアリングを行いながら検討を進め、8月末の平成23年度概算要求までに検討結果を取りまとめる。ヒアリングには、川端達夫文相、鈴木寛副大臣、高井美穂大臣政務官が出席し、有識者などから直接意見を聞く。
[1月21日]
◇幼稚園の施設整備で改訂案
今年度から実施されている幼稚園教育要領の改訂による教育内容・方法や社会状況の変化への対応を踏まえ、昨年6月から現行の幼稚園施設整備指針の改訂を検討してきた文部科学省の学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議は1月14日、「幼稚園施設整備指針の改訂等について(案)」と題する報告書をまとめた。 幼児が多様な自然・生活体験が可能となる環境の整備、子育て支援の観点から幼児教育のセンターとしての役割を発揮するための空間、「預かり保育」に関連する空間の計画・設計上の留意事項などを充実。また、国の振興方策として、(1)学校設置者に対する財政支援(2)積極的な情報提供――などを求めている。
◇教員就職率は56.6%
文部科学省はこのほど、国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の今年3月卒業者の就職状況をまとめた。教員の就職率は前年並みの56.6%(前年比0.1ポイント減)だった。少子化による児童生徒数の減少などに伴い、教員採用者数が減少したことから、平成11年3月卒業者の教員就職率は32%にまで低下したが、その後、教員採用者数の増加や教員養成大学・学部の入学定員減などにより、近年は50%台を維持している。卒業者数から大学院等への進学者を除いた場合の教員就職率は63.8%(前年比0.2ポイント減)だった。
◇世界遺産学習の可能性を論議
地域をあげて持続発展教育(ESD)に取り組んでいる奈良市教育委員会では昨年12月23日、同市の奈良教育大学を会場に「世界遺産学習全国プレサミットinなら 奈良教育大学ユネスコ・スクール教育実践研究会」(主催・同市教委、文部科学省、奈良教育大学ほか、後援・日本ユネスコ国内委員会、奈良県教委、日本持続発展教育推進フォーラムほか)と題する研究会を開催した。地域の世界遺産を教材に、地域に誇りをもつ子どもの育成に取り組む教育のあり方について研究協議した。
[1月18日]
◇秋田、福井の学力向上
文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査でトップクラスの成績を収めている秋田、福井両県の“学力向上策”の秘密を教育長ら関係者から聞く「日本一の教育力を問う! 秋田vs福井」と題する教育シンポジウムが社団法人日本家庭生活研究協会(北山雅史会長)、日本教育大学院大学(熊平美香学長)の共催で1月9日、東京・千代田区の同大学で約150人の教育関係者を集めて開かれた。 両県小・中学生の学力が高いのは、全県的に学習塾が少ないために、学校での補充学習や宿題に力を入れているほか、「早寝早起き朝ごはん」の励行など規律ある生活習慣、家庭や地域の学校・教師に対する信頼感などが要因になっていることが明らかにされた。教育新聞社が後援した。
◇算数・数学教科書を国際比較
国立教育政策研究所と財団法人教科書研究センターは昨年12月24日、算数・数学の教科書に関する国際比較調査結果をもとにした公開シンポジウムを開催した。アメリカ、中国、フィンランドなど海外9カ国・地域を対象に、教育事情と教科書制度、教科書の内容の比較などの成果が報告された。カナダの初等学校低学年の教科書は、ページを切り取ってワークシートとして活用できたり、フランスの教科書は、小学校では主に授業で、中・高校では自学自習で使うなど、各国の教育制度などにより算数・数学の教科書の使い方に特徴がみられた。
◇高校の学習指導と評価で意識調査
中教審初中教育分科会教育課程部会児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループが昨年12月21日に開かれ、高校の「学習指導と学習評価に対する意識調査」の中間まとめ速報を報告した。所属学校での観点別学習状況の評価の実施状況については「定期テストなどに加え、平常点を加味して、評価を行っている」(76.7%)、「指導計画やシラバスに観点別の評価規準などを設けている」(46.1%)、「定期テストなどにおいて、観点に配慮した問題を課している」(29.9%)などの順に多かった。「指導要録に観点レベル学習状況を記録している」や「通信簿に観点別学習状況を記録している」はともに6.6%と少なかった。
[1月14日]
◇教頭はPTAや電話対応に時間
家庭・地域との連携に当たることが多い教頭・副校長は、家庭や地域との連携にどのくらいの時間を年間に費やしているのだろうか。 その実態を探るため、教育新聞社は、都道府県・指定都市の教頭会(副校長会)の会長を対象に、家庭・地域との連携に費やした時間に関するアンケートを実施した。その結果、すべての回答者が「5年前よりも家庭・地域の連携に費やす時間は増えている」と感じていた。また、昨年度1年間に家庭・地域との連携に多くの時間を費やした内容は「PTA活動の支援」「家庭・学校からの電話対応」だった。
◇子ども手当は教育・育児費に
博報堂「教育コミュニケーション推進室」は昨年12月17日、今年度から実施予定の「子ども手当」の使途などに関する保護者調査の結果を発表した。「子ども手当」が給付された場合、使用時期にかかわらず「教育・育児の費用」を使途範囲にしている層が全体の3分の2を占めた。この層では「将来的に教育・育児に使う(全体の42.5%)」が「給付された年度内に教育・育児に使う」(同24.8%)を大きく上回っている。これら同手当を“教育財源”ととらえる層では、短期ではなく、中長期的な使途意向が見受けられた。一方、「給付年度内に、生活全般の費用として使う」と答えた層は全体の4分の1を占めた。これら同手当を“生活財源”ととらえる層では、短期的な使途意向が強いことなどが明らかにされた。
◇私立高校での特別支援教育の問題
私立高校の特別支援教育の実態はどうなっているのだろうか。橋智東京学芸大学総合教育科学系教授らはこのほど、全国の私立高校管理職悉皆調査の中間報告をまとめた。それによれば、私立高校にも、発達障害をはじめとする特別な教育的配慮を必要とする生徒が多数在籍しているにもかかわらず、組織的に対応できていない点や、学校教育法等の一部改正により、私立高校でも特別な配慮を必要とする生徒への支援は必須であるのに、このことをいまだに知らない管理職が多いことなどが課題とされた。
[1月11日]
◇公立高校の実質無償化を実現
政府は昨年12月25日、平成22年度の予算案を閣議決定した。 文部科学省所管の一般会計の予算額は、対前年度比3110億円増の5兆5926億円(伸び率5.9%)となった。このうち、初等中等教育関係では、マニフェストに掲げられた高校の実質無償化を実現するほか、(1)理数教科や特別支援教育の充実のための教職員の定数増(4200人)を図る(2)スクールカウンセラーの中学校での全校配置(1万校)に加え、小学校での配置も現在の3650校から1万校にする(3)幼稚園就園奨励費補助のうち、生活保護世帯の補助単価を現在の15万3500円から22万円に引き上げる――など、全体的に「コンクリートから人」への方針に沿った予算編成となっている。
◇英語ノート廃止に「ノー」
文部科学省は、行政刷新会議が昨年11月に実施した同省関係の事業仕分けに対する国民の声を聞くため、11月16日から12月15日までの1カ月間、意見を募集。15万3000件を超す意見が寄せられた。その概要が昨年12月25日に明らかにされ、「英語教育改革総合プラン」については、「廃止」との事業仕分けの結果に反対する意見、特に英語ノートは小学校の外国語活動を進める上で必要不可欠との意見が多く寄せられた。
◇場面指導など実践力重視の傾向
文部科学省はこのほど、平成22年度公立学校教員採用選考試験の実施方法に関する概要調査をまとめた。それによると、小学校外国語活動の導入に対応する自治体が増えたこと、模擬授業、場面指導、指導案の作成などを重視する方向が強まっていることなどがわかった。
[1月1日]
◇“質の高い学校”を求めて
国立教育政策研究所は昨年12月2日、「“質の高い学校”を求めて―日本と東アジア諸国、米国の国際対話」をテーマに平成21年度教育改革国際シンポジウムを文部科学省内で開いた。 冒頭、葉養正明国立教育政策研究所教育政策・評価研究部長が基調報告。「学校への期待が高まり、質の高い教員が求められている。質の高い学校の共通点は、基本戦略が明確で、学びのメニューが豊富。その実現のためには、教員の力だけではなく、地域の協力が必要だ」などと述べ、開かれた学校づくりの必要性を強調した。
◇学校環境整備や教員増などに期待
教育新聞社では、新政権発足に伴い、その教育施策について問う緊急アンケートを、各都道府県・政令指定都市の小学校ならびに中学校の校長会長を対象に実施した。それによれば、期待感が高かったのは学校教育環境整備や教員増などについて、低かったのは教員養成課程6年制や学校理事会の設置運営などについてだった。
◇第1回ユネスコ・スクール全国大会
わが国で初めてのユネスコ・スクールの大会である「第1回ユネスコ・スクール全国大会―持続発展教育(ESD)研究大会」(主催・文部科学省、日本ユネスコ国内委員会、共催・NPO法人日本持続発展教育推進フォーラムほか)が、昨年11月に東京・渋谷区の渋谷教育学園渋谷中学高校で開催された。ユネスコ・スクールの教職員をはじめ、ESDに関心のある教員、研究者、教育行政関係者、企業関係者など300人を超える参加者があり、持続発展教育のより一層の普及推進を目指して、研究協議などを行った。
[12月21日]
◇京都府学校危機支援チームを発足
京都府教育委員会は12月7日、子どもの危険を脅かす重大事故・事件が起きた際、教育委員会職員と臨床心理士、看護師らが連携して対応する「京都府学校危機支援チーム」(代表・本間友巳京都教育大学教授ほか2人)を発足させた。 支援チームは、事件発生後、速やかに学校現場に駆けつけ、混乱する学校などを支援するのが目的で、事件後速やかに心のケアやマスコミ対応などに専門知識を生かして対応する。
◇キャリア教育で教員以外の配置を
中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会が12月11日に開かれ、キャリア教育の在り方に関する改善の方向性などについて検討した。この中で、効率的にキャリア教育・職業教育を実施するための組織整備に関連して、学校内外の調整役として、中・高校に教員以外の職員を配置したり、教育センターに専任の職員を配置する案が示された。
◇教育予算増で理科教育を振興しよう
元文部大臣の有馬朗人氏(財団法人日本科学技術振興財団会長、NPO法人日本持続発展教育推進フォーラム理事長)は、資源不足や食料不足など、わが国が抱える深刻な問題を解決するには、科学技術力をもって対応することが必要であり、そのためには教育費を増大して理科教育を振興することが、将来を救う策として強く求められるなどと訴えている。
[12月17日]
◇子どもと向き合う時間の確保へ
栃木県教育委員会では「子どもと向き合う時間の確保を目指して」と題し、そのための方策を冊子にまとめた。 会議の持ち方、校務分掌の見直し、職員間協力体制づくりなどについて、多忙感軽減に向けた提案を、(1)学校において改善が可能なこと(2)学校において改善が難しいことの2つに整理して示している。。
◇教職員定数改善など是正を
野田佳彦財務副大臣は12月3日、記者会見し、平成22年度予算編成上の主な個別論点として、文部科学省の概算要求について説明した。同副大臣は「義務教育費国庫負担金」など文科省の概算要求のうち8割を占める4項目の論点を指摘。同負担金については、教職員の定数改善と教員給与の優遇分の是正を指摘し、「今回の要求では5500人の定員増、定数増としているが、果たしてこれほど要るのか大事な視点として持っていきたい」と述べた。
◇「子ども手当」の地方負担に反対
子ども1人当たり月額2万6000円を中学卒業まで支給する「子ども手当」の財源をめぐり、政府内で「地方負担」を求めてはどうかとの議論が浮上している。これを受けて、全国知事会は12月8日、麻生渡会長名で「子ども手当の地方負担に反対する緊急声明―地域主権の理念にかなった制度設計を求める―」を発表、「子ども手当のように全国一律に実施する現金給付は、地方側に工夫の余地がないため、国が担当し全額負担すべきである」と訴えている。
[12月14日]
◇関心・意欲・態度引き続き重視
新学習指導要領の理念を実現するため、小・中・高校等を見通した学習評価の在り方を審議している中央教育審議会教育課程部会の「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ」は12月4日、都内で開かれた第10回会合で「審議のまとめの方向性について」(案)を公表した。 それによると、(1)「絶対評価」は、小・中学校で定着してきているが、一定の不安感がある(2)学習評価の今後の方向性は、現行の目標に準拠した評価や観点別学習状況の評価を今後とも維持することが適当(3)各教科における評価の観点は、基本的には、基礎的・基本的な知識・技能に関する観点と「思考・判断し、表現する能力」に関する観点に分けて示すことができる(4)「関心・意欲・態度」を引き続き評価の観点として位置づけることが適当である――などと明記されている。
◇学力調査は学校では前向き
全日本教職員連盟はこのほど、これまで3回実施された文部科学省の「全国学力・学習状況調査」について、同連盟のモニター(小・中・高校教師600人)を対象にした調査結果を踏まえた「見解」をまとめた。それによると、「学力調査」の期間については、モニター調査の結果からは「毎年」と「3年おき」の実施の割合が高かったが、「見解」では「学校現場は同調査を前向きに捉えている」として、「毎年実施では、十分に生かす期間がないので隔年や3年おきという形での実施を検討すべきだ」と提言している。
◇余裕教室の99%を有効活用
文部科学省は12月4日、各都道府県教委を通じて実施した「余裕教室活用状況の実態調査」(今年5月1日現在)の結果をまとめた。余裕教室6万余のうち、学校施設として活用されているのが94.3%と圧倒的に多いが、社会教育施設や放課後子ども教室、保育所なども含めると、全体で99.1%が活用されていることがわかった。
[12月10日]
◇奨学金は価値ある投資
OECD教育局のアンドレア・シュライヒャー指導分析課長は、12月2日、東京・千代田区のOECD東京センターで、「日本の政策課題達成のために教育分野におけるOECDの提言」と題するプレス・ブリーフィングを行った。 この中で、日本で問題になっている大学生の「奨学金返還未納問題」に言及し、「高等教育の社会的コストは、将来的に社会が得る便益にとって価値ある投資だ」「教育費に占める公的負担が低い日本では、教育ローンなどの学生支援システムを整備して高等教育へのアクセスをより容易にすることが重要」などと強調したあと、「卒業後に所得に基づいて返済するローンを認め、世帯収入に応じた給付型奨学金を拡大する」ことを提言した。
◇新インフル対策で意識調査
株式会社博報堂と株式会社東京サーベイ・リサーチは11月25日、「新型インフルエンザに関する意識調査結果II」をまとめた。発生から約半年。生活者は「堅実な対策」を求めるとともに、2人に1人が「自分や周囲が感染した」という状況の中、詳しい知識で自分の身を守るという傾向が明らかにされた。
◇全教員が研究授業をモニタ
東京都日野市立平山小学校では、学力向上を重点目標に、今年度から診断・補充型教材と発表・討議の活動をカリキュラムに位置づけ、習得と活用力をバランスよく伸ばしている。校内研修には特に力を入れ、「リアルタイムな児童の実態把握法研修」の手法を開発し、実践している。これは、個別学習支援システム“インタラクティブスタディ”の教師用画面を隣室のモニタにも転送し、ガラス張りの隣室から見える教員の動きと合わせて、児童の実態を適切に把握しながら個別指導することを校内の全教員で学ぶもの。講師がモニタ画面の見方や各児童への指導の要点を助言し、これを受けて指導している教員が即対応するという画期的なもの。教員の指導力も向上したという。
[12月7日]
◇全連小「『英語ノート』の重視を」
全国連合小学校長会(会長・向山行雄東京都中央区立泰明小学校長)は11月25日、行政刷新会議における「英語教育改革総合プラン」の「廃止」評価への意見書を川端達夫文部科学大臣に提出した。 意見書では、同プランが廃止されると全国の小学校で進められている外国語活動の大幅な後退や新学習指導要領の完全実施が危うくなるなど、小学校教育への大きな影響があることを強調、事業継続への努力を求めている。
◇「子どもゆめ基金」の存続を
「子どもゆめ基金」を考える各界連絡会(会長・肥田美代子(財)文字・活字文化推進機構理事長)は11月30日、東京・永田町の参議院議員会館で、100人を超える関係者を集めて、同基金の存続を求める国民の集いを開いた。行政刷新会議の事業仕分けによる「子どもゆめ基金」と「子どもの読書活動推進事業」の廃止方針を受けて緊急開催したもので、同連絡会では、「基金」の廃止方針の撤回を全会一致で決めたあと、肥田理事長らが川端達夫文科相を訪れ、同事業の存続を強く要請した。よい」などの強い批判の声も上がった。
◇学習評価は現行通りで
指導要録は現行通りが望ましい――。現在、中教審のワーキンググループで新しい学習評価のあり方が検討されているが、教育評価に詳しい辰野千壽元上越教育大学長らの学者グループで組織した研究委員会が行った小・中・高校教師などを対象にしたアンケート調査の結果、指導要録の性格や様式などについては、「現行通りでよい」というのが学校現場の意見であることがわかった。
[12月3日]
◇学力調査予算の大幅縮減を
政府の行政刷新会議ワーキンググループは11月25日、来年度の概算要求のうち、「全国的な学力調査」などについて事業仕分けをした。 同調査は、抽出率40%として予算要求していたが、抽出率が高すぎるとの意見が多く出され、評価結果を「予算要求の大幅縮減(抽出対象の絞り込み)」とした。評価者からは、「学力の経年比較をすべき。抽出率は6%程度でよい」などの強い批判の声も上がった。
◇「全日中教育ビジョン」で10の提言
第60回全日本中学校長会研究協議会福島大会で全日中生徒指導部長の大江近東京都渋谷区立上原中学校長から説明された「全日中教育ビジョン」は、学校現場からの教育改革を提言したもの。「確かな学力」「健全育成」など同ビジョンの10の提言では、これからの中学校経営を推進する上での重要なポイントが示された。
◇奨学金の返還ままならず
独立行政法人日本学生支援機構は11月20日、「平成19年度奨学金の延滞者に関する属性調査」を実施した結果、延滞者の約8割が年収300万円未満であることなどがわかった。同機構では「災害または傷病、生活保護、その他返還が著しく困難になったときなどには、本人の申請によって返還期限の猶予ができる。調査によると、返還期限猶予の要件に該当しながら、延滞になっている人が少なからず見受けられる。該当する人には返還期限猶予制度の活用をしていただきたい」としている。
[11月30日]
◇全市で幼・小・中一貫教育
全市ぐるみで幼・小・中の一貫教育を推進している神奈川県南足柄市(公立の幼稚園5園、小学校6校、中学校4校)は11月20日、文部科学省「研究開発学校」の研究発表大会を開いた。 公開保育、公開授業を通じて、(1)教科一貫カリキュラムによる「学力の定着と向上」(2)小・中学校9年間を通した英語活動の展開(3)道徳的な価値の深まりなどを構築した新教科「きらり」の実施――の内容を披露し、その成果と課題を浮き彫りにした。
◇「保護者の望む授業」で調査
文部科学省は11月18日、学習指導と学習評価に対する保護者等の意識調査(中間まとめ速報)の結果を公表した。「授業や学習指導で教員が心がけていること、保護者が望むこと」の回答では、教員・保護者のトップは「教科書などの課題に加え、教員が独自に工夫した教材や実技の課題を扱う授業」だった。2番目以降では両者に差がみられ、保護者の2位と3位は「観察や実験など体験を重視する授業」「繰り返し教えたり、確認のためのドリルの時間を十分に取ったりする授業」だった。
◇プロから狂言の所作学ぶ
埼玉共創の会は11月14日、さいたま市立教育研究所でプロの狂言師を招いて様々な所作を学んだ。狂言は、小学校6年生の国語教材として掲載されているが、本物の狂言を見た経験のある教員は少なく、ほとんどの教員は、狂言の実際を知らないで子どもたちを指導しているのが実態。今回は、善竹富太郎狂言師から所作を学んだあと、ひとり狂言「寝音曲」が演じられ、会場はその面白さを堪能した。同狂言師に講演を希望する学校は、教育新聞編集局に電話(03-3832-3581)を。
[11月23日]
◇食育など3分の1に予算縮減
政府の行政刷新会議ワーキンググループは11月12日、来年度の概算要求のうち23事業の「事業仕分け」を行い、内閣府の青少年育成、食育などの啓発事業の予算を3分の1に縮減すると評価結果を出した。
◇第1回ユネスコ・スクール全国大会
今年が「国連ESD(持続発展教育)10年」の中間年に当たることから、文部科学省、日本ユネスコ国内委員会主催の「第1回ユネスコ・スクール全国大会」が11月14日、東京・渋谷区の渋谷教育学園渋谷中学・高校で、全国から400人近い現場教師、研究者らを集めて開かれ、今後、同スクールを500校に拡大することなどを決めた。後援団体の1つNPO法人日本持続発展教育推進フォーラムは、教育新聞社内に事務局を置く。
◇人権教育方針ない市区町村教委17%超
文科省は「人権教育の推進に関する取組状況の調査」の結果を10月30日、磯谷桂介初等中等教育局児童生徒課長名で、都道府県・指定都市教委指導事務主管課長あてに通知した。調査によると、人権教育に関する推進方針・計画策定の検討に入っていない都道府県教委が10%を超え、市区町村教委では17%を超えていた。また、教材開発やカリキュラムづくり、取り組みを客観的に評価する方策などに課題があることが分かった。12月10日の「世界人権デー」に向け、人権教育を見直す資料として極めて重要な調査結果といえる。
[11月19日]
◇ICT活用事業など「廃止」仕分け
政府の行政刷新会議は11月11日、東京・新宿区の国立印刷局市ヶ谷センター体育館で、3つのワーキンググループに分かれ、一斉に「事業仕分け」作業に入った。 文科省関係を扱った第3グループで「廃止」と結論づけたのは、(1)子どもの読書活動推進事業(2)子どもゆめ基金(3)放課後子どもプラン推進調査研究事業(4)英語教育改革総合プラン(5)学校ICT活用推進事業。このほかスポーツ、芸術予算の大幅な予算縮減や地方への移管などが打ち出された。文科省担当官からは「1事業当たりわずか1時間程度の議論で、しかも政策の中身の議論に入らずにただ単に『無駄だ』と結論づけたことは心外だ」などと批判の声も出された。
◇3泊4日以上の宿泊体験が効果的
自然体験・集団宿泊体験が児童に与える教育効果を調査・分析していた文科省の農山漁村での長期宿泊体験による教育効果評価委員会は11月5日、評価結果をまとめ、(1)農山漁村での長期宿泊体験が有効な取り組みであることが認められた(2)「人間関係・コミュニケーション能力」などの評価項目の多くの設問で、2泊3日以上よりも3泊4日以上の方が効果的だった(3)不登校などの問題行動に効果が認められるなど、宿泊体験が全体として多様な効果を期待できる取り組みであったなどを明らかにした。
◇勉強・定期テスト・進路に不安
東京都教委は11月12日、中学校1年生の学校適応状況実態調査の結果をまとめた。調査は今年7月、中学校の校長と教員各624人、生徒2026人を対象に実施され、主に入学前後の不安を探った。「入学前の不安内容の比較」で生徒と校長の各回答の間で差があったのは、「勉強についていけないのでは」(生徒76.5%、校長63.1%)、「定期テストはどのようなものなのか」(生徒62.6%、校長49.8%)、「卒業後の進路はどうなるのか」(生徒45.3%、校長11.4%)だった。
[11月16日]
◇主幹教諭からの希望降任が大幅増
文部科学省は11月4日、全国の教育委員会を対象にした「公立学校教職員の人事行政の状況調査(平成20年度)」の結果を公表した。 この結果、指導が不適切な教員の認定者数が前年度(19年度)の371人から306人に減少した半面、希望降任が前年度の106人から179人に増えていることがわかった。特に、「副校長等からの希望降任」が前年度の71人から84人に増え、「主幹教諭からの希望降任」が同27人から89人と大幅に増えた。
◇56教委が優秀教員表彰を実施
公立学校教職員の人事行政の状況調査によれば、優秀教員表彰を実施しているのは56教委で、このうち13県教委が給与上の優遇措置を実施。表彰に伴って教員免許更新講習の受講免除を実施しているのは20県市教委。教員が、自らの専門性や得意分野をアピールして転任先を募集するFA制に取り組んでいるのは5教委だった。
◇依然少ない女性校長の登用
文部科学省が11月4日に公表した「公立学校教職員の人事行政の状況調査」で、47都道府県教委、18指定都市教委を対象にした平成20年度末定期人事異動における公立の小・中・高校、中等教育学校、特別支援学校の校長等の登用状況の結果が明らかになった。そこから、校長等に女性が占める割合が10%にも満たない教育委員会が8県市にものぼっていることがわかった。
[11月12日]
◇定数改善と少人数学級実現を
教職員定数改善と少人数学級の実現を求める全国集会が11月4日、子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会の主催により、東京・千代田区の清陵会館で開かれた。 集会には、川端達夫文部科学大臣をはじめ、与野党の衆参両院の議員が出席した。この中で、川端文科相は、教育予算の充実や教員定数改善に取り組む考えを示した。また、来年度予算で教職員定数の大幅な改善などの人的・財政的措置を求める要請文が決議された。
◇キャリア教育推進パンフを配布
国立教育政策研究所は 10月26日、中学校教員向けにキャリア教育推進用パンフレット「自分と社会をつなぎ、未来を拓くキャリア教育―中学校におけるキャリア教育推進のために」をまとめ、全国の教育委員会と全国公私立中学校に11月中に配布する。パンフレットでは、現在、文部科学省が進めているキャリア教育の推進を図るため、中学校の学級担任などを対象に、キャリア教育の目標、効果的な進め方や配慮事項などの理解が深まることを意図して、図や例を用いてわかりやすく解説している。
◇高校生の留学で「再依頼」
文部科学省は10月22日、全国の都道府県・指定都市教委などの担当課長、都道府県の私立学校の主管課長などに、初等中等教育局国際課長名で、高校生の海外留学の促進を求める「再依頼」を送付した。新政権の発足に伴い、平成21年度補正予算について全面的な見直しが行われた結果、高校留学の実施が可能になったため、「再依頼」になったもの。全国高校生留学・交流団体連絡協議会(高留連)や一般社団法人海外留学協議会(JAOS)などの加盟団体では、全国各地で高校生の海外留学に関する説明会を開くことにしている。
[11月9日]
◇概算要求で5500人の教職員定数増
文部科学省はこのほど、来年度の各局別の概算要求を明らかにした。 従来の概算要求に民主党マニフェストで示された要求を盛り込んだのが特色。このうち、初等中等教育局関係では、(1)新学習指導要領の円滑な実施のため、5500人の教職員の定数増を図る(2)公立高校の実質無償化(私立高校生にも相当額助成)として、高等学校就学支援金に約4500億円を投入(3)教員免許制度の抜本改革のための調査費なども新規事業として要求――などが大きな柱だ。
◇ゲーム機で学習させたくない親6.9%
株式会社旺文社は、3〜12歳の子どもがいる保護者に「ゲームと教育に関するアンケート」を実施。その結果によれば、(1)ゲーム機で学習させたくない親はわずか6.9%A90%以上が「知恵あそびはゲーム機で身につく」と答えている――などが明らかになった。
◇習い事などに重い負担
Benesse教育研究開発センターは10月27日、3〜17歳(高校2年生)までの子どもがいる母親約1万5000人を対象に、今年3月にインターネットで習い事や部活などの学校外教育活動や教育支出について調べた結果を発表した。それによると、「費用の負担が重い」と感じている母親は、スポーツ活動で63.0%、芸術活動で58.4%。世帯年収別でみると、400万円未満のグループの75.3%、年収800万円未満のグループの49.1%がそれぞれ「費用負担が重い」と答えている。
[11月2日]
◇理科の苦手意識解消へ
理科教育に対する教員の苦手意識を解消し、質の高い理科の授業を構築するにはどうしたらよいかの問題は、わが国の教育界にあって喫緊の課題。 総合科学技術会議の委託を受けて「理数教員に関する調査研究」を進めてきた国立教育政策研究所教育課程研究センターはこのほど、その結果報告をまとめた。改善点としては、(1)理数教育の知識・技能を教育現場をはじめ教育委員会、大学などと「共通理解」を形成する(2)特に理科に苦手意識を持つ若手教師をサポートする(3)観察・実験や消耗品費の確保のため予算を充実させる(4)科学系博物館と連携を図る――をあげている。
◇全連小が熊本で全国大会
第61回全国連合小学校長会研究協議会熊本大会が10月22、23の両日、熊本市のアクアドーム熊本で開かれた。大会主題は、「新しい時代を拓き、心豊かにたくましく生きる日本人の育成を目指す小学校教育の推進」。全国からの参加者約3000人は全体会、分科会を通して、“志を高く掲げ力強く前進する校長”として、自らの指導性を確認した。
◇初任研対象者が増加
文部科学省はこのほど、平成20年度初任者研修実施状況調査の結果を発表した。教員の大量採用時代を反映して、ここ数年、研修対象者が急増していること、研修の内容は校内が学級経営、教科指導、特別活動、校外が教科指導、特別支援教育、生徒指導・教育相談などが多いことがわかった。
[10月29日]
◇文科省22年度の概算要求
文部科学省は10月15日、平成22年度の概算要求を発表した。 一般会計で、前年度比4745億円増の5兆7562億円。増額分は、高校の実質無償化(4624億円)など、マニフェスト関連分となっている。初等中等関連では、(1)教員の養成課程を6年制(修士)とすることを含め、教員免許制度を抜本的に見直す(2)全国的な学力調査を抽出調査(抽出率40%)に切り替えて実施する(3)地震により倒壊の危険性がある学校施設の耐震化――などを打ち出した。
◇教員免許更新制抜本改革へ
文部科学省は10月21日、「教員免許更新制等の今後の在り方について」と題し、(1)教員の資質向上のための教員免許制度の抜本的な見直しに着手し、必要な調査・検討を開始。このため、平成22年度予算概算要求に所要の経費を計上する(2)上記調査・検討において、現行制度の効果等を検証する予定であり、新たな教員免許制度の内容及び移行方針を具体化する中で、現在の教員免許更新制の在り方についても結論を得る――などと、同省としての「現時点における方針」を発表した。
◇キャリア教育でヒアリング
中教審キャリア教育・職業特別部会が10月19日に開かれ、大学の団体からのヒアリングが行われた。発表団体のうち、国立大学協会は、同特別部会の「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(審議経過報告)」に対する意見として、▽キャリア形成支援に対する恒常的な財政支援が必要▽キャリア形成支援・教育のための専門人材を育成し、国は自主的、自立的なキャリア形成・教育の実施を積極的に支援すべきなどの考えを示した。
[10月26日]
◇9割の区市が学校選択制廃止予定なし
学校選択制の実施以降10年余りが経過し、近年、同制度を実施している教育委員会の中には制度廃止の動きが見られるが、教育委員会は今後の同制度の在り方をどのように考えているのだろうか。 教育新聞社は、政令指定都市や東京23区、中核市などの94区市の教育委員会を対象に「学校選択制に関するアンケート」を実施、このほど、結果をまとめた。それによると、学校選択制を実施している46区市のうち、91%の42区市が「廃止する予定はない」と回答。「実施するか検討中」は5市、「廃止するか検討中」は3区市だった。前橋市教委は平成23年度からの廃止を予定しているが、その理由については「居住地域との関係の希薄化」「登下校の安全面の確保の困難化」などをあげていた。
◇執行停止額3387億円超に
政府は10月16日、平成21年度第1次補正予算の執行の見直しについて閣議決定した。全体で2兆9259億円の削減(補正予算額14兆6987億円)となる。このうち文部科学省所管事業は、執行停止額が3387億2800万円(同1兆3173億6600万円)で、25.7%の減となった。ICT関連事業をみると、「地上デジタルテレビ対応、学校ICT環境整備事業」の補正予算のうち、執行停止となった割合は「デジタルTV・アンテナ工事」が25.8%、「電子黒板」18.4%、「PC・校内LAN」48.4%。主に、交付先が決定していない(内示前)予算部分が執行停止の対象となった。
◇「4観点」は現場に定着
全国連合小学校長会は10月14日に開かれた中教審初等中等教育分科会教育課程部会児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループで、「小学校における学習評価の観点や評価方法の在り方」について意見を表明した。全連小調査研究部長の有馬守一東京都千代田区立番町小学校長が説明に立ち、「4観点を基本にした評価が定着しつつあり、その妥当性も高く評価されている。現時点では、評価の観点の大幅な変更は必要ない」との全連小の考えを示した。
[10月22日]
◇学習指導と評価に対する教員意識調査
中教審初等中等教育分科会教育課程部会児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループが10月14日に開かれた。 この中で「学習指導と学習評価に対する教員意識調査」の中間まとめ速報が公表された。小・中学校だけを対象にした分析結果からは、平成15年度調査と今回調査を比較して「児童生徒の学力などの伸びがよく分かる」の割合(72.7%)が15年度よりも38ポイントも大幅増加した。ただ、「学習状況の評価の資料の収集・分析に負担を感じる」割合(62.7%)は約6年経過した今回でも10ポイント程度しか減少せず、半数以上の教員が負担を感じていることが分かった。
◇民間人校長に186人が応募
横浜市教委は10月9日、今年度実施の小・中・高校、特別支援学校の「民間人校長の公募」に186人(男性175人、女性11人)の応募があったと発表した。昨年度は、2人の募集に52人の応募があったが、今回は、5人程度の採用に対して40倍近い応募があったことで、市教委では、「全国的に見ても、極めて多くの応募をいただいた。長引く不況で、安定した公務員に魅力を感じる人が増えたのではないか」と分析している。
◇体力・運動能力に向上の兆し
文部科学省は10月11日、「平成20年度体力・運動能力調査」の結果を公表した。それによれば、小学生、高校生の立ち幅とびに低下傾向がみられるものの、持久走、50メートル走、立ち幅とび(中学生)などでは、横ばいまたは向上の兆しがみられた。
[10月19日]
◇センター的機能は教育・就学相談
文部科学省の特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議が9月28日に開かれ、黒澤一幸埼玉県立行田特別支援学校長と山岡修日本発達障害ネットワーク副代表が、それぞれ特別支援学校のセンター的機能やNPOとの連携について発表した。 特別支援学校による「センター的機能への取り組み状況」は「教育相談・就学相談」や「幼、小・中学校、高校等への研修の支援」などが多かった。また、地域の多様なニーズに応えるための特別支援学校内の人材不足が課題とされた。
◇平成22年度の研究開発学校募集
文部科学省はこのほど、各都道府県教委などに対し、平成22年度指定の「研究開発学校」を募集するため、研究開発の課題などを発表した。研究課題は、言語能力の育成、科学的な思考力の育成、豊かな人間性や規範意識の育成など8課題で、先行研究例も示している。提出期限は10月26日。
◇知的遅れのない発達障害の理解で講演
今年度の教師&専門家のための問題行動研修会がこのほど開かれ、上野一彦日本LD学会会長・東京学芸大学名誉教授が「知的遅れのない発達障害の理解と対応」をテーマに講演した。同氏は「保護者に、子どもがLDやADHDであることを伝えたいときには、日常の中で教員ができる特別な配慮をする、保護者とともに改善・解決の道を探すといったことを行い、保護者の信頼を得たい」などと語った。
[10月12日]
◇キャリア教育でヒアリング
中教審キャリア教育・職業教育特別部会が9月29日、省内で開かれ、7月30日にまとめられた審議経過報告について全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国高等学校長協会などからヒアリング。 「現行の教育課程の中でのキャリア教育の枠組みの変更や授業時数増に対応している中でのキャリア教育の充実は困難」(全連小)、「3年間を見通したキャリア教育の体系化、教育課程上の位置づけの明確化、課題の焦点化を図り達成可能な目標を掲げることは必要」(全日中)、「普通科での職業に関する教科・科目の充実は、高校が生徒の実態や地域の状況に応じて工夫できる余地や裁量を残すべきだ」(全高長)などの意見が表明された。
◇畑と相談して給食をつくる
「畑と相談して給食をつくる」――。長野県岡谷市立岡谷東部中学校の埋橋恵美栄養教諭は、9月25日に東京・江東区の東京ビッグサイトで行われたフードシステムソリューション2009の「食育の推進に果たす地場産物の役割」をテーマとしたシンポジウムで自らの取り組みを発表し、地場産物を給食で使うことで、子どもたちが野菜好きになるなどの効果が得られたとした。
◇「子どもの保護」で報告書
出生登録さえ行われていない子どもが、07年に生まれただけでも5100万人にも達する。ユニセフは10月6日に「子どもたちのための前進第8号-子どもの保護に関する報告」を発行した。財団法人日本ユニセフ協会で行われた記者発表にはアン・M・ベネマン事務局長が出席し、「あまりにも多くの子どもたちが世界中で虐待や性的搾取、児童労働、人身売買にさらされているが、その数は表面になかなか出てこなかった。こうした事実に関心を持ってもらい、子どもの保護に向けて行動してほしい」と語った。
[10月8日]
◇熊本県教委が指導要録電子化で報告
中教審初等中等教育分科会教育課程部会児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループは9月28日、省内で会合を開いた。 この中で熊本県教育委員会が全国初の「指導要録の電子化の実践研究」を紹介、教務システムの導入で教員の子どもと向き合う時間が20分増加したなどの成果を報告した。ただ、学籍に関する記録は20年間の保存が必要であることから、現在使用しているファイル形式や記録媒体が、20年後も同様に利用可能かなどの課題も残されている。
◇学校の新型インフル対策で“基準”
新型インフルエンザの流行で、各地の学校で学級閉鎖や学年閉鎖が行われている。そんな中で、全都道府県が、小・中・高校などの学級・学年閉鎖、休校を決めるために何らかの基準や目安を設定したことが、文科省が9月18日時点の全国の状況を集計した結果、9月24日までにわかった。それによると、学級閉鎖の基準は1学級に新型インフルエンザにり患して欠席した児童生徒が「3、4人」(約10%程度)発生した場合とするのが17都道県で主流だった。
◇全国学力調査データ活用で調査
全日本教職員連盟はこのほど、同連盟所属の小・中・高校の教師600人を対象に実施した「全国学力・学習状況調査」についてのモニター調査の結果をまとめた。その結果、(1)同調査のねらいである「学校と県(または市町村)のデータを比較し、校内の課題を明確にした指導を行う」とした小学校教師は約70%、中学校教師は約60%(2)小学校では「活用する力」を高める指導への関心の高さがうかがえた(3)同調査の実施回数は「毎年」が有効とする意見が半数に達している――などが明らかにされた。
[10月1日]
◇勤務過酷だが教育改革に前向き
広島大学の大橋隆広研究員、中国学園大学の吉岡一志研究員らは9月13日、早稲田大学で開かれた日本教育社会学会の大会で、「教育改革にゆれる教員の仕事と生活」と題する研究成果の一端を発表した。 この中で、広島、愛媛両県の小・中学校をランダムに抽出、全教員を対象に実施したアンケート調査の結果、「教員の勤務状況は、過酷ではあるものの、教育改革に取り組む姿勢は前向き。ただ、競争的な評価を求める『人事考課制度』に対しては、拒否反応を示す教員が多い」などが明らかにされた。
◇小学生は横ばい、中学生は増
東京都教育委員会は9月10日、「平成21年度教育人口等推計」の概要(速報値)をまとめた。公立の小学校児童数と中学校生徒数の平成22年度から26年度までの5年間の推計期間を予測したもの。その結果、(1)公立小学校児童はほぼ横ばいに推移する(2)公立中学校生徒数は増加する(3)小学校1年生と中学校3年生は、平成26年度には増加に転じる――などと見込んでいる。
◇自営訓練で欠点の実践的修正を
日本安全教育学会は9月19、20の両日、「安全教育の未来へ向けて」をテーマに第10回記念大会を東京学芸大学で実施した。この中で高野甲子雄前東京都消防庁小金井市消防署長と藤森和美武蔵野大学教授が特別講演した。高野氏は「実践的な自営訓練で消火・避難上の欠点を修正してほしい。中学校の3年間に消火と救急を学ばせることができたら、地域の災害対策の大きな力となる」と話し、藤森教授は「心のケアには学校という『場』のケアと『個』のケアがあり、心の緊急支援の目的は『二次被害の拡大防止と心の応急手当て』であることを管理職の方々に広く理解してほしい」などと語った。
[9月28日]
◇文部科学大臣に川端達夫氏
鳩山由紀夫首相は文部科学大臣に衆議院議員(民主党)の川端達夫氏を指名。 首相から文部科学大臣への指示書では、高校の無償化、教員の資質や数を充実することにより質の高い教育を実現する――などが明記された。川端大臣は45年生まれ、滋賀県出身。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。衆議院議員を8期務める。
◇教員の民間企業研修が盛ん
日本経団連の外郭団体である財団法人経済広報センターが、学校の夏休み期間中を利用して実施している教員の民間企業研修が8月末に終了した。今年は、参加教員、受け入れ企業数ともに過去最高だった。教員845人が、110社で研修、全国の企業で真剣に学ぶ教員の姿が見られた。
◇質の高い幼児教育の公的支援を
国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩国際関係部第二室長は、9月13日に早稲田大学で開かれた日本教育社会学会第61回大会の「子どもの貧困と教育」を取り上げた課題研究で、「母子家庭の貧困の実態と社会政策」と題して発表、(1)まず必要なのは経済困窮な有子世帯に対する現金給付(2)次に貧困の子どもに直接届く現物給付(3)質の高い幼児教育への公的支援――などをあげ、注目された。
[9月21日]
◇6都県教委が部署設置で学校問題支援
学校と保護者・地域住民との間のトラブル対応が学校運営上の課題となっているが、設置者である教育委員会は学校の問題解決のためにどのような支援をしているのだろうか。 教育新聞社は、全国の都道府県教委を対象に実施した「学校の問題解決を支援する部署等の設置に関するアンケート調査」の結果をこのほどまとめた。それによれば、東京、静岡、高知、山口、長崎、沖縄の6都県が学校の問題解決を支援する部署等を「すでに設置」していたことがわかった。活動内容は、学校側のヒアリングや弁護士など専門家のアドバイスの提示、未然防止のための学校関係者向けの広報・講演活動の実施などが多かった。トラブル防止策の回答では、初期段階での迅速で組織的な対応、教育委員会との連携の重要性を指摘する意見が多く寄せられた。
◇中学校総合的な学習で学校差
大阪府貝塚市立第一中学校の濱元伸彦教諭は9月12日、早稲田大学で開かれた日本教育社会学会の第61回大会で「中学校における『総合的な学習の時間』の実施の問題は何であったか」をテーマに実証研究の成果を発表。「落ち着いたA校では、総合的な学習が生徒の集団づくりにプラスに働くよう独自の指導観をもった創意工夫ある取り組みが展開されていた。生徒指導上で課題のあるC校では、教師たちは総合の時間が生徒の学習規律が緩む『穴』とならないよう心がけている。学習内容もクラス単位での活動を中心に、全体がついてこられるよう一定の制限を加えている。この点については、総合の実施に関する政策担当者と学校現場との認識のギャップとなっている問題と考えられ、さらなる実証研究が求められる」と提言している。
◇沖縄県と秋田県の学力差を比較
文科省や自治体が公表した全国学力・学習状況調査のデータを用い、県別順位で成績が最下位の沖縄県と最上位の秋田県とを比較し学力差などの相違をみたところ、基本的な生活習慣の乱れ、体力やモラルの低下など、家庭の教育力が大きく影響しているとする研究結果が、日本教育社会学会の第61回大会で研究グループから報告された。特に沖縄県については、学力問題の根が学校教育以前の生活者として必要な知識・技能の獲得の不十分さとその基盤となる生活習慣の未形成にあることが明らかにされた。
[9月17日]
◇日本の教育効果は「高い」
OECDは9月8日、加盟30カ国の教育比較報告書「図表で見る教育OECDインディケータ2009年版」を公表した。 この中で、日本の教育支出がOECD平均であるのに、高い教育効果を上げていると指摘した。また、PISA2006の結果では、日本の15歳の生徒の科学的リテラシーのトップ・パフォーマー(レベル6および5)の割合はOECD平均を大きく上回った。このうちの3分の1は、経済・社会的背景に恵まれない生徒で、OECD諸国よりもその割合が高く、日本の教育が大きな成果をあげていることが示された。
◇全連小が学力調査開示で意見書
全国で初めて鳥取県が全国学力・学習状況調査の学校別データを開示したことを受けて、全国連合小学校長会は9月9日、「平成21年度文部科学省『全国学力・学習状況調査』の市町村別及び学校別データの開示」についての意見書を中永廣樹鳥取県教委教育長に提出した。全連小では、今回の開示の動きが、全国の公立小学校の教育活動に悪影響を与えかねないとして、同県に対して、開示による影響を最小限にとどめていく努力を求めた。
◇学力調査の結果活用を
文部科学省は8月27日、今年度全国学力・学習状況調査の結果の活用について、金森越哉初等中等教育局長名で各都道府県・指定都市教育委員会などに通知した。児童生徒の学力・学習状況等の分析・検証や学校における改善に向けた取り組みの推進などを求めた。この中で、各学校では、教科指導の改善に向けて計画的に取り組むこと、その際、調査対象の学年・教科だけでなく、全学年、全教科を対象に学校の教育活動全体を見渡した幅広い取り組みについて検討することとされた。
[9月14日]
◇理数好きな子どもの裾野拡大へ
「経済の克服と将来の成長に向けた科学技術の振興」という大きな旗印を掲げている文部科学省は、8月30日にまとめた平成22年度の概算要求で全体計画を明らかにした。 初中教育関連では「人材育成・確保のための投資の拡充」を打ち出し、「理科好きな子どもの裾野の拡大」のために、理数系教員養成拠点構築事業、理科支援員等配置事業などを拡充するとともに、新規に理科教育指導法の開発などを実施。また「子どもの才能を見出し伸ばす取組の充実」のために、スーパーサイエンスハイスクールの指定、国際科学技術コンテスト支援事業などを拡充する。概算規模は、前年度予算比22億3600万円増の136億9600万円。
◇子どもの徳育の充実で報告案
文部科学省の「子どもの徳育に関する懇談会」は9月3日の会合で、報告案「子どもの徳育の充実に向けた在り方」について検討した。報告案は、発達段階ごとの特徴を踏まえた徳育を推進することを強調した上で、児童前期には社会や集団のマナー・ルールに関する継続的な指導や規範性意識の確立、市民性の涵養、自己有用感の育成に取り組み、青年期以降の人生を切り開く力の育成につなげることを求めている。
◇障害のある子の進路指導で調査
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所はこのほど、「障害のある子どもへの進路指導・職業教育の充実に関する研究アンケート調査報告書」をまとめた。この中で、進路指導担当者の担当経験年数が5年未満と経験が浅いことのほか、すべての特別支援学校で、児童生徒の進学・就労を促進するために早期から重視すべき内容として「基本マナー」と「コミュニケーション意欲」が共通してあげられていた。
[9月10日]
◇コンピュータ7.2人に1台に後退
文部科学省は8月28日、平成20年度の「学校における教育の情報化の実態調査」の結果を発表した。 学校における教育用コンピュータの整備は、前年度の児童生徒7人に1台から7.2人に1台に後退。同調査は、「IT新改革戦略」(平成18年1月〜平成23年3月)に掲げられた教育の情報化の目標の達成状況などを把握するために実施。平成21年3月1日現在の(1)学校におけるICT環境の整備状況(2)教員のICT活用指導力――について、全国の全公立小・中・高校、中等教育学校、特別支援学校を対象に調べたもの。
◇「部活動」は安心できる空間
「部活動」が居場所として機能しているかを研究している関西学院大学大学院の比山園恵研究員は、今年1月、関西の私立大学の学生56人を対象に「『部活動』についての中・高校時代の振り返りアンケート」を実施した。結果を分析したところ、「『部活動』は安心を実感でき、自己の成長を肯定的に確認できる意味のある空間」であることがわかった。これは、8月23日に筑波大学で開かれた日本特別活動学会第18回大会で発表されたもの。
◇中学生の携帯所持率減で成果
中学生の携帯電話所持率が全国調査で43%のところ、石川県野々市町では12%と大幅に低い所持率となっている。所持率を下げるカギは、小・中学校が連携し、中学校入学説明会、小学校卒業前、中学校入学直後、PTA総会、夏休み前に、不必要な携帯電話を持たないよう保護者と子どもに訴え、それを3年間続けることだという。これは、同町住民生活部広報情報課の桝谷泰裕課長補佐が8月26日に、国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた第19回教師&専門家のための問題行動研修会で行った講演。
[9月7日]
◇教育費負担軽減重点に概算要求
文部科学省は8月31日、平成22年度概算要求を財務省に提出した。 一般会計の要求額は、前年度比14.5%増の6兆460億円。「幼稚園就園奨励費補助」や「高校奨学金事業等の充実・改善」など保護者の教育費負担の軽減を重点的に対策を図る。「スクール・ニューディール構想」として、学校耐震化の推進や電子黒板の整備事業などを補正予算に引き続いて計上した。民主党への政権交代で、概算要求の動向が注目される。
◇国語A、算数・数学Bなどで伸び
文部科学省は8月27日、平成21年度全国学力・学習状況調査の結果を公表するとともに、各学校、教育委員会に送付した。その結果、平均正答率が前年度よりも高かったのは、小学校の国語Aと算数A・B、中学校の国語A・Bと数学Bだった。また「朝の読書」実施校の方が記述式問題の平均無解答率が低い傾向がみられた。平均正答率が5ポイント以上全国平均を上回った小・中学校と5ポイント以上下回った学校を比較したところ上回った学校の方が国語で書く習慣をつける授業を行った割合、算数・数学で実生活での事象との関連を図った授業を行った割合が、それぞれ高い傾向がみられた。
◇職場体験の地域連携に課題
中央教育審議会教育振興基本計画部会が8月25日、都内で開かれ、昨年度の基本計画の進捗状況について報告された。学校・家庭・地域の連携や豊かな心の育成、安全・安心な教育環境の整備などの施策に成果がみられた一方、中学校の職場体験活動で、地域住民や事業所などとの連携協力の推進や全国学力・学習状況調査の結果から知識・技能の定着や活用する力に課題があったことが示された。
[9月3日]
◇高校教育 新たな局面に
文部科学省の国立教育政策研究所は8月25日、東京・千代田区の同省講堂で、創立60周年を記念し、「高校教育改革の成果と今後の在り方を考える」をテーマに第28回教育研究公開シンポジウムを開いた。 研究報告の中で同研究所の屋敷和佳教育政策・評価研究部総括研究官は、これまでの多様化・弾力化路線は、財政逼迫の影響、教育改革の効果の低減、生徒減少への対応などで大きく見直しが求められる新たな局面に入ったとし、今後は「少子化社会にふさわしい効率の良い高校教育改革の在り方を探ることが求められる」などと述べ、注目された。
◇学習評価のあり方でヒアリング
中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ」が8月25日に都内で開かれ、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国公立学校教頭会からの書面ヒアリングの結果について検討した。関係団体からは評価の在り方について、「教科の特性が生きる柔軟な評価の観点を示してほしい」(全連小)や「評価の観点や評価規準の簡素化を」(全日中)などの意見が出された。
◇「社会参画」をキーに体験活動
日本特別活動学会は8月22、23の両日、茨城県つくば市の筑波大学春日キャンパスで第18回大会を開いた。「社会に参画する態度を育てる体験活動の構想」を大会テーマに、公開シンポジウム、自由研究発表などで議論を深めた。公開シンポジウムでは、ニート、フリーターと呼ばれる若者無業者の増加という社会的な背景の中で、「社会参画」をキーワードに様々な提案が出された。この中には、ボランティア学習、シチズンシップ教育、福祉・起業家体験など、キャリア教育の重要性が改めて指摘された。
[8月27日]
◇学校教育で「低炭素社会」の実現を
低炭素社会づくりを加速させるために、学校でも行動を起こそう――と、文部科学省は8月11日、地球温暖化対策の一環として推進する「低炭素社会づくり行動計画」を決めた。 行動計画では、(1)低炭素社会や持続可能な社会について、社会科、理科、技術・家庭科、総合的な学習の時間を通して学ぶ仕組みをつくる(2)環境を考慮した学校施設(エコスクール)を推進する、このほか文部科学省のグリーン化(省内の省エネルギーなど)を掲げている。
◇ひきこもり支援相談士
一般社団法人ひきこもり支援相談士認定協議会は、同協議会独自の専門的な相談士資格として「ひきこもり支援相談士」の認定制度にかかる通信講座を、今年4月から始めている。全国初となるこの資格がさきごろ、厚生労働省認可団体の財団法人日本経営教育センターの推奨資格として認められた。7月1日に、ひきこもりとニート問題に主眼を置いた「子ども・若者育成支援推進法」が可決、成立し、8日に公布、支援体制をネットワーク化することが定められた。支援体制づくりに法的根拠が確立し、「ひきこもり支援相談士」への社会的なニーズや期待は大きくなっている。現在、同認定相談士は50人おり、様々な場で活躍している。
◇理科室って楽しいね!
財団法人パナソニック教育財団(遠山敦子理事長)は、昨年度第34回の実践研究助成先の取り組みを発表する成果報告会を、8月7日に都内で実施した。その中で、宮城県岩沼市立岩沼小学校の加藤琢也教諭は「児童自らが実体験をしたくなる学びの場としての理科教室づくり〜デジタル機器を活用した図鑑、顕微鏡、天文資料の日常的な展示を通して〜」をテーマに実践報告。理科室が、ICT環境を整備して教師も児童も使いやすく楽しい学びの場として変貌を遂げていく様子を話した。
[8月24日]
◇不登校が長期化の傾向
文部科学省は8月6日、平成20年度の国公私立の小・中学校不登校、高校の長期欠席、中途退学の調査結果を公表した。 その結果、小・中学校ともに学年が上がるにつれて前年度からの不登校の継続率が高くなり、欠席が長期化する傾向がみられた。また、高校は、経済的理由による長期欠席が目立った。
◇“校訓を活かした学校”で報告書
文部科学省の「校訓等を活かした学校づくり推進会議」はこのほど、報告書をまとめた。この中で、校訓が象徴する伝統を継承した学校づくりや新たな校訓づくりを生徒が中心になって進める取り組みを通して、生徒の愛校心や学校への帰属意識の高まり、生徒の自立心の育成などの効果が期待された。
◇教師は教科書に高い評価
教師は現在使用している教科書に対して「学習指導要領の目標を達成している」「基礎・基本を網羅している」と高く評価しており、3人に2人は教科書に「満足」している――。これは、中央教育研究所がこのほどまとめた「教師と児童・生徒の教科書の使い方および教科書観に関する調査―小学校・中学校・高等学校を対象に」と題するアンケートの結果。
[8月13日]
◇低学力底上げで効果のある学校
全国学力・学習状況調査と世帯収入との関係を分析したところ、収入が高い家庭の子は学力が高い傾向にあった。 それでは、低収入家庭の子は低学力の中に取り残されてしまうのだろうか。耳塚寛明お茶の水女子大学教授らの調査によれば、規律を守らせ教員研修に力を入れ、子どもが学校生活に積極的な学校は低収入家庭の子の「低学力を克服する」という。これは、8月4日に文科省委託研究の成果として同教授が、この日開かれた全国学力・学習状況調査の分析・活用に関する専門家検討会議の中で説明したもの。
◇学校での学び合いがカギ
財団法人教育調査研究所は8月3、4の両日、東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷で、「新しい教育課程の実践化」をテーマに第38回教育展望セミナーを開いた。その中で小松郁夫玉川大学教職大学院教授は、「知識基盤社会における『知』を保証する指導力は『個々の教員の指導力×学校組織としての協働体制』の相乗効果として現れる。学校での学び合いがカギになる」などと述べた。
◇国際化学オリンピックで日本の高校生金2
イギリス・ケンブリッジで開かれていた「第41回国際化学オリンピック」(7月18〜27日)に参加した日本人の高校生が金メダル2つ、銀メダルと銅メダル1つずつの計4つのメダルを獲得した。
[8月10日]
◇中学校でキャリア教育は極めて重要
中央教育審議会は7月30日、東京・千代田区の学士会館で第70回総会を開き、昨年12月に塩谷立文部科学大臣から「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」諮問を受け、今年1月に総会直属のキャリア教育・職業教育特別部会を設置して、12回にわたる審議を重ねて作成した審議経過報告を了承した。 この中で、小学校から大学までの一貫したキャリア教育・職業教育の充実を強調、特に、中学校の段階は、働くことの意味を理解させるには「極めて重要」と位置づけ、高校等の段階では、「職業従事に必要な知識・技能・態度をはぐくむ職業教育は必要だ」としている。
◇中2の6割が英語に苦手意識
Benesse教育研究開発センターは7月29日、「第1回中学校英語に関する基本調査」(生徒調査速報)を公表した。中学校2年生の6割が英語に苦手意識をもっているほか、英語学習のやる気が最も高かったのは「中1の始め頃」であることがわかった。また、英語学習でつまずきやすいポイントでは、「文法が難しい」「英語のテストで思うような点数がとれない」の回答が多かった。
◇生徒指導と教育相談で本
北海道での公立中学校長在職時代、「立て直し請負校長」という異名をとった保坂武道函館大谷短期大学特任教授がこの7
[8月6日]
◇教育課程編成状況調査
文部科学省は7月28日、小・中学校教育における「教育課程の編成・実施状況調査」の結果を発表した。 調査は、「教育課程編成・実施状況全般」と「外国語活動・外国語学科」に関して、すべての公立小・中学校を対象に、平成21年度の計画(一部平成20年度実績、22年度予定を含む)について4月15日から6月5日にかけて実施。その結果、(1)いずれかの学年で、年間総授業時数を増加させる予定の公立小学校は約96%、公立中学校は約27%で、増加させる時間の平均は、各学年それぞれ小学校は約32〜34時間、中学校は約29〜32時間である(2)公立小学校の外国語教育(5・6年生)の実施率は、21年度が約98%に達し、22年度は約99%で実施の予定である――などが明らかにされた。
◇「時間の使い方」は60点
Benesse教育研究開発センターは7月10日、小・中・高校生を対象にした「放課後の生活時間調査―子どもたちの時間の使い方―」の結果を発表した。生活の実態や時間に関する意識をみたもので、その結果、(1)全体の半数以上は「忙しい」と感じているが、8割は「毎日が楽しい」としている(2)6割が「時間を無駄に使っている」と感じている(3)「時間の使い方」に対する得点(自己評価)の平均は60.6点――などがわかった。
◇中卒程度認定試験の周知で依頼
文部科学省は7月22日、都道府県教委などに「平成21年度就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定試験取扱要領」の周知を依頼した。
[8月3日]
◇保護者などが学校に協力的に
文部科学省は7月24日、平成21年度の「コミュニティ・スクール研究推進協議会」を千代田区の学術総合センターなどで開いた。 コミュニティ・スクールへの国民の理解と効果的な運用を支援するために行われたもので、基調講演、実践発表、意見交換などが行われた。同制度を導入している教育委員会関係者、教員などからは「保護者や地域住民が学校に協力的になった」「カリキュラムの編成に対して、地域の視点を一層重視するようになった」などと評価する意見が圧倒的に多かった。ただ、「条件整備の面で円滑な実施が難しい。せめて加配教員1人を設置してほしい」との切実な声もあった。
◇エコスクールづくりの推進を
文部科学省の「環境を考慮した学校づくり検討部会」の第1回会合が7月22日、省内で開かれた。既存の学校施設のエコスクールづくりを一層推進していくため、エコスクールづくりの課題を整理し、これらの課題克服のための検討や、先進事例の収集・分析を行い、今年度末に事例集を作成することを決めた。学校施設の環境負荷の低減と同時に、教育環境の質的改善を進めていくために、学校施設における総合的な環境性能の評価法について基礎的な検討も行う。
◇外国語活動中核教員研修実施は45県
全国都道府県教育長協議会はこのほど、小学校段階での外国語活動必修化に向けた取り組みに関する研究報告書をまとめた。調査は昨年7〜8月、各都道府県教育委員会を対象に実施された。それによると、小学校外国語活動中核教員研修を実施していたのは45県、小学校外国語活動の必修化に伴う教員採用に関する配慮事項として、回答のあった35県では「英語のリスニングテストを導入」「英語に係る有資格者の特別選考を実施」などをあげていた。
[7月30日]
◇自尊感情を高める教育を
子ども一人ひとりが自己に自信を持ち、新たなことや困難なことにも挑戦しようとする意欲を高める教育を推進しよう――と、東京都教育委員会はこのほど、「子どもの自尊感情や自己肯定感を高める教育」の研究に踏み切ると発表した。 大学との共同研究や連携協力校での研究を通して、自尊感情を高める教育内容や指導方法などの開発、指導資料の作成などに着手する。
◇外国語活動研修に補助金
文部科学省は7月14日、「小学校中核教員外国語活動実践研修事業費補助金」の活用について、金森越哉初等中等教育局長名で各都道府県・指定都市・中核市長に文書を送付した。同補助金約10億円は、今年度の補正予算で同年度のみの事業として設けられた。小学校英語活動の実施に当たり、都道府県・政令指定都市・中核市が単独で今年度に中核教員の研修を行う際に、「英語ノート」などを活用した実践的な研修を補助する。補助率は2分の1で、対象となるのは各小学校の代表教員約2万3000人。それまで各校1人とされていた受講者の幅を広げることが期待されている。
◇大阪府教育研究所連盟が相談事例集
気持ちの切り替えが難しい、落ち着きがない、コミュニケーションがとりにくい、整理整頓が苦手。そんな子どもを支援するには、具体的にどんな方法をとればよいのか――。大阪府教育研究所連盟はこのほど、教育相談のための事例集『気になる子どもへの支援のヒント』(A4判、88ページ)をまとめた。子どもへの理解と支援のポイントを具体的に示したもの。
[7月27日]
◇キャリア教育で報告案
中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会は7月15日に会合を開き、審議経過報告案について検討した。 同報告案では、高等教育段階に、新たに実践的な職業教育を行う学校の設置などが打ち出されたものの、委員からは、現行の学校制度との整合性の確認や国際的な質の保証の課題を含め、慎重な審議が求められた。また、キャリア教育推進のための中核となる時間を高校の教育課程に位置づけることについては、さらに検討が必要とされた。
◇学校への太陽光発電導入で手引
文部科学省は7月10日、学校への太陽光発電設備の円滑な導入と技術水準を確保するための手引を作成した。「太陽光の恵みを子どもたちが学び育むために―学校への太陽光発電導入ガイドブック―」と題し、内容は、環境教育への活用事例、導入による効果、導入・設置までの手順、設計・施工上のチェックポイント、維持管理などの必要な情報が、精選されて掲載されている。
◇子どもを暴力から守れ
文部科学省は7月13日、各都道府県教委、知事などに対し、「配偶者からの暴力の被害者の子どもについて、就学の機会が確実に確保されるよう指導の徹底を願いたい」との通知を出した。
[7月20日]
◇ESD教材活用ガイドを刊行
持続発展教育(ESD)に対して、どのように実践したらよいかわからないという学校現場の声はまだ多い。 そのような声に応える実践の手引書がこのほど刊行された。ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)が作成した『ESD教材活用ガイド―持続可能な未来への希望』がそれだ。小・中学校における13の実践事例を軸に、持続発展教育の基本的な考え方、具体的な教え方などが学べるようになっている。
◇低所得者への就学援助を重視
文部科学省の「教育安心社会の実現に関する懇談会」が7月3日に取りまとめた報告書(教育費の在り方を考える)では、教育費の家計負担軽減策が示され、あわせて各教育段階別の試算例も示された。それによると、幼児教育の無償化に7900億円、低所得者層の家庭への就学援助に620億円などが計上され、総額1兆3000億円になることが明らかになった。
◇小中学校施設整備で指針
文部科学省の学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議・小中学校施設部会の初会合が7月7日に省内で開かれた。同部会は、学習指導要領改訂の要点である言語活動の充実などに対応した小中学校施設整備指針の記述について検討し、来年8月にも報告書をまとめる予定。
[7月16日]
◇徳育の推進で「10の提言」
文科省の子どもの徳育に関する懇談会は7月6日、塩谷文科相も出席し、省内で第11回会合を開き、これまでの「審議の概要」を議論した。 このあと、一般国民からのパブリックコメントを実施し、次回の会合では、報告書を取りまとめる予定だ。今回の「審議の概要」では、「家庭・地域・学校の役割と社会総がかりによる子どもの徳育の推進」を掲げ、「家庭でルールをつくる」「子どもの徳育の充実に向けた啓発活動をする」などの「10の提言」に基づき、積極的に取り組むことを明らかにした。
◇児童虐待の相談4万件に
内閣府は7月3日、平成21年版「青少年白書」を公表した。今回の構成は、第1部「青少年の現状」、第2部「青少年に関する国の施策」、特集「高校中退者・中学校不登校生徒の『その後』と地域における支援」と「参考資料」から成っている。それによれば、平成19年度の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は4万639件で、最近5年間で約1.5倍となっていた。
◇都教委が学校裏サイト監視
東京都教委は6月18日から、学校非公式サイト(学校裏サイト)の監視を委託事業として開始した。都内の公立学校全校のサイトが対象で、特に、個人が特定される内容や命に関わる内容、誹謗中傷などの不適切な書き込みが多いサイトを毎日監視する。緊急性・危険性を3段階に分けて対応し、高レベルのものについては、警察に通報するとともに、都立学校や区市町村教委への緊急連絡を行い、迅速に対応する。また危険性・緊急性のレベルにかかわらず、不適切な書き込みについてはサイト運営者に削除要請を行う。
[7月13日]
◇理科教育設備の整備充実を
理科教育設備について、今回の補正予算では事業費ベースで約400億円、例年の15年分に相当する額が計上されている。 これは、今年度中に全国の小・中・高校などで1校当たり平均約100万円の設備整備ができる額に相当する。文部科学省は、この施策の内容をよく理解し、的確に交付申請をしてもらうために「全国キャラバン」を実施してきたが、さらに設備整備を確実なものとするために、自治体から今後、追加で事業計画を出してもらうための機会を設ける。
◇「問題を発見する力」は高い
東京都教委は6月25日、今年1月に実施した平成21年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果をまとめた。「確かな学力」の伸長を図るための「問題解決能力調査」(小学校5年生と中学校2年生全員)と「確かな学力」の定着を図るための「基礎的・基本的事項調査」(小学校4年生と中学校1年生の抽出校・希望校)を実施。その結果、小・中学生ともに「問題を発見する力」の正答率は高かったが、「適応・応用する力」に課題を残した。基礎的・基本的な事項についてはほぼ定着していること――が明らかにされた。
◇生涯に生きる食育で報告書
財団法人中央教育研究所はこのほど、「子どもたちの生涯に生きる食育の実践」と題する報告書をまとめた。紹介されているのは、善元幸夫東京都新宿区立大久保小学校教諭の「『効き水』で子どもの感覚をみがく」、東佐都子前広島県安芸高田市立向原小学校長の「給食を作ろう大作戦!」、藤本勇二徳島県阿波市立市場小学校教諭の「みそ汁プロジェクト」など。
[7月6日]
◇いじめ未然防止の視点を重視
国立教育政策研究所生徒指導研究センターは6月26日、小・中・高校におけるいじめ防止に役立てるための「生徒指導支援資料『いじめを理解する』」を作成、全国の学校、教育委員会などに配布した。 学校におけるいじめ防止対策は、10年以上も前から「深刻ないじめは、どの学校にも、どのクラスにも起こり得る」との考えで実施されてきたが、多くの学校では事後対応に追われ、成果をあげることができなかったと反省、これからは「未然防止の視点」を重視した積極的ないじめ防止対策が効果的だとし、各学校での今後の校内研修に期待している。
◇食育サポートブックを無料で
財団法人経済広報センターはこのほど、小・中学校の教員を対象にした『食育授業サポートブック』を作成し、教育関係者に無料で配布している。33の企業・団体が実施している出張授業、見学会、料理教室などの食育プログラムを紹介。教員が食育授業を組み立てる際の参考になる事例やトピックスも収載している。
◇職業教育の充実を
中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会が6月29日に開かれ、審議経過報告案「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」を検討した。報告案は、初等教育から高等教育までの一貫したキャリア教育・職業教育の在り方についてまとめたもの。この中で、学校教育全体における職業教育の充実のために、職業実践的な教育に特化した新たな高等教育機関が必要と指摘され、具体的なイメージ案が示された。
[7月2日]
◇3割の小学校で「学級崩壊」
小学校では学級崩壊と授業崩壊が3分の1程度ずつ生じ、中学校では学級崩壊が10分の1強にとどまっているのに対し、授業崩壊は小学校並みの3分の1程度に達していることが、財団法人教育調査研究所がこのほどまとめた「学級崩壊・授業崩壊の予防と対策」と題する調査研究で明らかにされた。 この割合は回答校から割り出されたものであり、必ずしも正確な実態を示しているとはいえないが、管理職を含む多くの教師は、これらの崩壊状況を防ぐには、平素の教育活動に誠実に努めていくことが大事だとしており、崩壊の要因を教師の質にだけ特化することはできないとみていた。
◇全面実施で「学力向上」予測
Benesse教育研究開発センターはこのほど、3月に実施した中学校新学習指導要領の「移行措置の取り組み状況」調査の結果をまとめた。3年後の2012年度の全面実施に向けて、各中学校の教師は現在、どのようなことに、どの程度取り組んでいるかを調べたもの。その結果、(1)移行措置の全体計画作成は、本格実施の「12年度分まで」は2割にとどまる(2)新学習指導要領の解説を「すべて読んだ」は1割程度(3)今後の課題は「教育課程編成」と「学力向上」(4)4割強の教師は、全面実施で「学力は上がる」と予測している――などが明らかにされた。
◇非行防止強化月間始まる
文部科学省は7月を「青少年の非行問題に取り組む全国強化月間」とし、青少年の健全育成や非行防止に努めるよう、都道府県教育委員会などに依頼した。重点課題は、(1)インターネット上の違法・有害情報への適切な対応(2)有害環境への適切な対応(3)薬物乱用防止対策などの推進(4)不良行為少年への的確な対応(5)初発型非行の防止(6)再非行(再犯)の防止(7)いじめ・暴力行為などの問題行動への対応。
[6月29日]
◇理科教育の充実へ
科学技術振興機構は6月11日、今年度からの新規事業「理数系教員(コア・サイエンス・ティーチャー)養成拠点構築事業」の採択企画を決定した。 この事業は、小・中学校教員の理数教育における指導力向上を図ることを目的に、大学と教育委員会が連携し、養成プログラムの開発・実施、地域の理数教育における拠点の構築・活用などを通じて、地域の理数教育において中核的な役割を担う教員を養成するもの。
◇耐震化に取り組んでほしい
全国の都道府県教委を通じて、校舎、体育館などの「公立学校施設の耐震改修状況調査」(平成21年4月1日現在)を実施していた文部科学省は6月16日、小・中学校の耐震化率は対前年比4.7ポイント増の67.0%で、大規模な地震によって倒壊などの危険性が高い(Is値0.3未満)施設は、小・中学校で7309棟あることがわかった。学校施設の耐震化は、すでに公表されている「スクール・ニューディール」構想で、最優先課題の1つとなっており、同省では、「予算措置を完結しているので、早急に取り組んでほしい」と要請している。
◇評価4観点を3観点に
中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ」が6月19日に都内で開かれた。この中で、委員の加藤明京都ノートルダム女子大学教授が、評価4観点を3観点にする意見を発表した。
[6月25日]
◇積極的にスクール・ニューディールを
塩谷立文部科学大臣は6月16日に省内講堂で開かれた「スクール・ニューディール」推進会議の席上、全国の都道府県・政令指定都市、市区町村の首長と教育委員会の関係者に、「スクール・ニューディール構想に盛り込まれた耐震化、エコ化、ICT化、中学校武道場や理科教育設備の整備は、いずれも将来の学校施設に必要であり、かつ緊急に取り組むものである」として、各地方公共団体の迅速かつ積極的な取り組みを要請した。 この会議は、文部科学、経済産業、環境の3省が相互に連携・協力して推進するもの。
◇学校ICT環境整備第2次募集
文部科学省は6月15日、「スクール・ニューディール」構想の一環として推進している「学校ICT環境整備事業」の第2次募集の提出締め切りを、今年8月21日にすることを決め、生涯学習局参事官名で、各都道府県・政令指定都市教育委員会に依頼した。
◇理科教育設備の整備を
文部科学省は6月16日に開かれた「スクール・ニューディール」推進会議で、全国の市区町村長に対して、理科教育設備の整備などをあげ、「次代を担う子どもたちのために補正予算をご活用ください」とする異例の呼びかけをした。
[6月22日]
◇「基本方針2009」で素案
経済財政諮問会議は6月9日、「基本方針2009」の素案をまとめた。 「安心と活力」の両立により、持続的な成長を図り、わが国経済・社会の危機的状況を克服すべきだとした。その上で、「安心社会の実現」に関する教育の役割を指摘、現在、文部科学省などが推進している「スクール・ニューディール構想」などの実現に期待を寄せている。
◇全教師で道徳教育を
文部科学省の「子どもの徳育に関する懇談会」は6月11日、第10回会合を省内で開いた。これまでの議論をもとに、「審議の概要」(素案)が示され、(1)徳育の意義・普遍性(2)現代の子どもの成長と徳育をめぐる今日的課題(3)子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題(4)子どもの徳育の充実に向けて――の4つの柱を打ち出している。このうち、「子どもの徳育の充実に向けて」では、子どもの徳育の充実には、社会総がかりとなって取り組む必要があり、家庭、地域、学校が役割分担することが重要だと提言している。
◇小学校外国語98%が実施
文部科学省は6月10日、平成21年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査の速報値をまとめた。それによると、今年度から学校の判断で導入できる小学校の外国語活動をはじめとする外国語教育については、公立小学校の約98%が5・6年生で実施しており、そのうち約58%は、新学習指導要領の全面実施後と同じ年間35時間かそれ以上の授業を実施する予定だ。実施する予定の学校における年間授業時数の平均値は、5・6年生ともに約28.2時間であった。
[6月15日]
◇学習評価の在り方を検討
中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ(WG)」の初会合が6月8日、文部科学省内で開かれた。 WGでは、児童生徒の学習評価の在り方と指導要録の改善に関する事項について検討し、今年度中に意見をまとめる。主な検討事項は、▽現行の学習評価の在り方に対する総括や評価▽基礎的・基本的な知識・技能の評価の在り方▽思考力・判断力・表現力などを育成するための評価の在り方▽評価に伴う教員負担の軽減などがあげられた。
◇学力調査と少人数などとの関連分析へ
文部科学省は6月5日、都内で第12回「全国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議」を開き、新しい委員に20人の専門家を選任した。また、同会議のもとで、さらに専門的な検討を加速させる「分析ワーキンググループ」を設置した。同調査の結果を用いて今後、(1)読書に関する学校の取り組みと児童生徒の学力・学習状況に関する分析(2)ICTの整備状況、活用状況と正答率に関する分析習熟度別少人数指導の効果に関する分析――などを検討する予定だ。
◇保護者約7割が結果公表望む
政府の規制改革会議は6月5日、平成20年度の教育委員会アンケート・保護者アンケートの結果を公表。保護者の7割近くが学力調査について「学校ごとの結果を公表すべきだ」と回答していた。
[6月11日]
◇教材・図書充実全国キャラバン
地方交付税措置が講じられている公立小・中学校の教材費・図書費は、近年、実際の予算措置率が100%を大幅に下回る状況が続いている。 そこで文部科学省は「新学習指導要領を円滑に実施していくためには、各市区町村の確実な予算化が必要である」として、5月25日から6月17日まで全都道府県(1800市町村)に出向いて説明する「学校教材・図書充実 全国キャラバン」を実施。国の支援策である(1)理科教育設備の整備充実(2)教材整備緊急3カ年計画(3)学校図書館図書整備5カ年計画――について、その趣旨を説明、「移行期間のいまこそ、教材・図書教材整備のチャンスだ」として、各教委関係者に理解を求めた。
◇修学旅行中止でなく延期で
文部科学省は6月1日、新型インフルエンザ発生による国内修学旅行の中止・延期の状況とキャンセル料負担状況の調査結果をまとめるとともに、各都道府県等の修学旅行所管課に対し、(1)修学旅行は中止ではなく延期を。取りやめた場合も改めて実施を(2)キャンセル料は、補正予算に計上されている「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」での活用が可能――との文書を送付した。
◇天文教材の整備・充実を
国の21年度の補正予算を活用して、天文関係の理科教材を充実し、学習指導要領に沿った教育が確実に行われるようにしてほしい――。世界天文年2009日本委員会(委員長・海部宣男前国立天文台長)はこのほど、今年が国連などで定められた「世界天文年2009」であることを機会に、天文教育、とりわけ天文関係教材の充実に向けて、各市町村教委の担当者や各学校の理科担当教師に「特段の配慮をお願いしたい」と、異例の呼びかけをした。
[6月8日]
◇奨学金制度で教育費負担軽減を
麻生首相の肝いりで設置された安心社会実現会議は5月28日、首相官邸で第4回会合を開き、委員から出された報告書素案を協議した。 この中で「子育て」と「教育」に関する優先課題として、(1)就学前教育では育児休業(所得保障)と保育(サービス保障)を総合化する(2)給付型の奨学金制度の拡充などにより、教育費負担を軽減する(3)雇用対策として高等教育における職業適性診断・職業指導(キャリアガイダンス)を制度化する――を提案している。
◇補正予算でスクール・ニューディール
政府の追加経済対策の裏付けとなる09年度補正予算が5月29日、成立した。歳出全体では13.9兆円で、このうち文部科学省の管轄事業は1.3兆円。「スクール・ニューディール」構想として、学校耐震化の早期推進や太陽光パネルを使用したエコ改修、学校ICT環境の整備などで、4881億円が計上された。新学習指導要領の実施のための教育環境整備では、理科教育設備の整備や小学校外国語活動にかかる教員研修支援などで288億円。
◇全連小新会長に向山行雄氏
全国連合小学校長会は5月28日、都内で第61回総会を開いた。今年度の活動方針などを決めるとともに、新会長には向山行雄東京・中央区立泰明小学校長が選任された。向山会長は就任のあいさつで、「全連小の置かれている状況は千差万別。教職員団体として理想の教育を行うことで、私たちのねらいが周囲に伝わり、活性化するはず。志とは、夢・希望のこと。志を高く掲げることは学校教育のビジョンを示し、道筋に課題が生じれば教職員にアドバイスしていくことである。校長が学校づくりの夢を語り、そのビジョンを実現していく土壌をつくっていこう。校長は活力ある学校づくりを進め、国民の信託に応えていかなければならない」などと述べた。
[6月1日]
◇公財政支出の増額急げ
文部科学省は5月25日、教育費の在り方を考えるための「教育安心社会の実現に関する懇談会」を設置、その第1回会合を都内で開いた。 メンバーは、安西祐一郎慶應義塾長、門川大作京都市長、木村孟東京都教育委員会委員長、橘木俊詔同志社大学経済学部教授、中村邦夫パナソニック椛纒\取締役会長の5人の委員。教育費の在り方を大局的・中期的な視点から検討しようというもので、メンバーからは、「公財政支出を大幅に拡大する必要がある」「幼児教育の無償化に着手すべきだ」などの意見が出された。
◇第三者評価ガイドライン作成へ
文科省の「学校の第三者評価のガイドラインの策定等に関する調査研究協力者会議」の第1回会合が、5月22日に省内で開かれた。協力者会議は、ガイドライン策定のため4月30日に設置された。策定スケジュールは、今年7月ごろ、協力者会議での検討を踏まえ、ガイドラインの試案を取りまとめ、9〜12月にかけて試案に沿って実施検証を行い、その結果を踏まえて、さらに協力者会議で検討、来年3月にガイドラインを決定する。協力者会議での検討事項は、(1)第三者評価の意義について(2)第三者評価の在り方について(実施主体、評価の在り方、評価者の資質、評価結果を踏まえた改善策)――など。
◇全日中新会長に岩瀬正司氏
全日本中学校長会は5月20、21日、第60回総会を東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで実施した。この中で第33代会長に、岩瀬正司東京都世田谷区立尾山台中学校長が就任した。岩瀬新会長は「歴代会長が『発信する全日中』『行動する全日中』などのキャッチフレーズのもとに培ってきたことを大事にし、『信頼』をキーワードに活動を進めていきたい。外圧により進められる教育改革ではなく、校長自身の考えが重要」などと語った。
[5月28日]
◇教育費の負担軽減を強調
経済財政諮問会議(議長・麻生太郎首相)は5月19日、麻生首相、与謝野財務相、塩谷文科相らの出席のもと、官邸で今年度の第12回会議を開き、(1)規制・制度改革(2)安心実現(「安心」「活力」を両立させる具体策)をテーマに議論した。 安心実現の審議では、塩谷文科相(臨時議員)が「教育の充実を通じた安心社会の実現について」説明、「公教育の再生とともに、教育投資の充実が必要。当面の対応策としては、格差の固定化の解消に向けた教育費負担の軽減が急務だ」などと強調した。
◇就職相談などの支援強く望む
内閣府はこのほど、「高校生活及び中学校生活に関するアンケート調査」(高等学校中途退学者及び中学校不登校生徒の緊急調査)の結果(速報)を公表した。平成16年度中の、高校中退者と、中学校3年生で不登校だった生徒を対象にした調査。両調査ともに、必要な支援機関として就職に関する相談ができるところや、技術・技能の習得を手助けしてくれるところを挙げる人が多く、約4割もいた。ニート群では、これらの支援の必要がより顕著だった。不登校調査の結果では、これらに加え、「心の悩みについて相談を受けられるところがあればよい」が3割いた。
◇保護者の「教育費負担軽減」を
政府の教育再生懇談会は5月14日、総理官邸で委員懇談会を開き、これまでの論点を整理し、(1)「教育安心社会」の実現(人生前半の社会保障の充実)(2)高度人材のグローバル化と創造性に富んだ科学技術人材の育成(3)「スポーツ立国」ニッポン――の3つの柱を掲げ、論議していくことを決めた。この中で、必要性が強調されたのは、保護者の教育費負担の軽減、幼児教育の無償化、「読み・書き・計算・英会話」の確実な定着、障害児・若者支援の充実、理数教育の充実、スポーツ環境の整備などだ。この日の委員懇談会では、各項目の「基本的な考え方及び現状と課題」が示された。
[5月25日]
◇幼児教育の無償化へ一歩
幼児教育の無償化問題を1年がかりで検討してきた文部科学省の「今後の幼児教育の振興方策に関する研究会」(座長・無藤隆白梅学園大学子ども学部教授)は5月18日、省内で第9回会合を開き、「中間報告」をまとめた。 それによると、幼児教育の無償化の対象年齢は、3〜5歳の幼稚園児と保育所幼児、それに認定こども園の幼稚園機能部分に在籍する幼児としている。無償化の仕組みは、「現行の幼稚園就園奨励費補助制度を基本としつつ、これを拡充した個人給付制度で実現する」とし、財源は、国と地方合わせて約7900億円と推計。義務教育化については「国民的合意が得られていない」として退けている。
◇シックスクール研究成果で中間報告
NPOケミレスタウン推進協議会は5月13日、ケミレスタウン・プロジェクト研究成果の中間報告会を千葉県柏市の千葉大学柏の葉キャンパスで実施。シックハウス症候群を引き起こしにくい教室づくりの必要性を指摘した。同プロジェクトは、シックハウス症候群の発症を予防する建物の研究開発や認証制度の設立などをテーマに、産学協同で同学柏の葉キャンパス内にシックハウス対応のモデルタウンを建設し、「シックスクール対応型教室」(ケミレス教室)をはじめとした実証研究を進めるもの。
◇見せたくないマンガ・コミック、雑誌
「猥褻な性描写など、いたずらに子どもの興味をかき立てている」「親しい間柄での暴力を肯定するような場面が多く描かれている」「いじめや恐喝を助長する場面が多く描かれている」などを理由に、小学校5年生の保護者で約6割、中学校2年生の保護者で5割強が、「マンガ・コミック、雑誌」を見せたくないと考えていることが、日本PTA全国協議会がこのほど発表した平成20年度の「子どもとメディアに関する意識調査」で明らかにされた。
[5月21日]
◇通常学級の発達障害児2.5%
全国連合小学校長会はこのほど、通常の学級に在籍する発達障害のある児童に対する支援などに関する調査結果をまとめた。 調査は昨年7〜8月、各都道府県から推薦された868校を対象に実施され、853校から回答があった。その結果、発達障害児童は764校(89.6%)に計7467人いた。調査全児童に占める割合は2.5%だった。指導で困っていることは「授業に参加できない、学習についていけない」「注意しても聞かない、指示が通らない」「学習が極端に遅れ、指導が困難」などで、主に学級担任が、放課後などで個別に指導したり、教材を個に応じて作成・指導したりしている実態がわかった。
◇4割の母親が育児で犠牲も仕方ない
全国の幼稚園児・保育園児をもつ保護者の子育てに関する意識が変わり、5年前と比べ「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」が減少する一方、「子どものためには、自分が犠牲になるのは仕方がない」が増加し、約4割にも達していることが、Benesse教育研究開発センターが5月13日に発表した「第3回子育て生活基本調査(幼児版)」の結果で分かった。また常勤の母親にとって育児と仕事の両立が難しい状況が生まれ、大変な時代になっていることが明らかにされた。
◇19歳以下の自殺611人に
警察庁は5月14日、「平成20年中における自殺の概要資料」を公表した。自殺者の総数は3万2249人で、前年比844人(2.6%)減。19歳以下の少年は611人で前年比63人増。年齢別にみた前年比の増減率は19歳以下が11.5%増と最も多く、20歳代が3.9%増、30歳代が1.7%増で主に若い年代で増加がみられた。年齢別構成比でも19歳以下は、1.7%から1.9%に増えた。
[5月18日]
◇国立メディア芸術総合センター設立へ
経済危機対策の一環として今国会に提出されたことにより、文化庁が推進してきた「国立メディア芸術総合センター」(仮称)の設立(建設費117億円)の実現性が強くなった。 この総合センター構想は、同庁の「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」が6回の会合を重ね、4月28日にまとめた「メディア芸術の国際的な拠点の整備について」の報告書に基づくもので、世界的に評価されているわが国の映画、アニメ、漫画、ゲームなどのメディア芸術(ジャパン・クール)を振興する拠点づくりにするのが、最大の目的だ。
◇栄養教諭配置の拡大努力求める
文部科学省は4月28日付で、山中伸一スポーツ・青少年局長並びに金森越哉初等中等教育局長名で、「栄養教諭の配置促進について」と題する依頼文を、各都道府県教育委員会教育長宛に出した。今年度から施行されている改正後の学校給食法の目的に「学校における食育の推進」が明確に位置づけられ、栄養教諭が学校給食を活用した食に関する実践的な指導を行うとされている中で、その配置がいまだに不十分な地方自治体が見られることから、「特段の配慮」で「一層の配置拡大に努めていただきたい」としている。
◇ICT関連補正予算で説明会
文科省生涯学習政策局は5月8日、省内で「経済危機対策に関するICT関連補正予算に関する説明会」を、ICT教育関連企業・団体などを対象に実施した。説明したのは、同局参事官室の中沢淳一企画官併任情報教育調査官。政府・与党が4月10日に決定した「経済危機対策」を踏まえ、同省が平成21年度補正予算案に盛り込んだ「学校ICT環境整備事業」について話した。また、同事業の補助金について、補正予算が5月下旬に成立した場合の、今後のスケジュールの概要についても説明した。
[5月14日]
◇特別支援教育の整備進む
文部科学省は4月27日、全国の国公私立の幼・小・中・高校などを対象に、平成20年度の「特別支援教育体制の整備状況」と「通級指導教室の実施状況」の2つの調査結果を発表した。 その結果、「整備状況」調査では、全体的には進んでいるものの、小・中学校と比べ、幼稚園と高校は依然として整備に遅れがみられた。また、公立小・中学校では、「校内委員会の設置」「特別支援教育コーディネーターの指名」といった基礎的な支援体制はほぼ整備されていた。「実施状況」調査では、指導を受けている児童生徒数は全体として増加傾向が続いており、20年度は過去最大の増加幅を示した。同省では同日、この結果を踏まえ、各都道府県教委に対し、特別支援教育体制のさらなる整備を求める通知を出した。
◇新型インフルエンザ対策本部を設置
文部科学省は4月28日、新型インフルエンザ対策本部を設置、同省における新型インフルエンザの対応について協議した。教育委員会に対しては、(1)教育委員会と学校間及び学校と各家庭間の連絡体制の整備、確認(2)児童生徒、教職員などへの正確な情報提供(3)メキシコへの海外旅行、留学などの自粛を含めた検討の要請(4)帰国児童生徒の適切な就学機会の確保及び症状を呈した場合の医療機関などでの受診の指導――を要請した。
◇体罰に当たらない
最高裁判所第3小法廷は4月28日、熊本県本渡市(現天草市)で、平成14年、教員の男性が当時小学校2年生だった男子の胸元をつかんで叱った行為が、学校教育法で禁じる体罰に当たるかどうかが争われた訴訟の上告審で、「体罰に当たらない」と判断、体罰に当たると認定して損害賠償を命じた1、2審判決を破棄、原告の請求を棄却した。
[5月11日]
◇小1・2の「理科」復活を
経済同友会の科学技術・イノベーション立国委員会はこのほど、「イノベーション志向経営の更なる実現に向けて―科学技術成果の社会還元と理科教育の観点から―」と題する報告書をまとめた。 この中で、幼少期からの理科教育の重要性を指摘、小学校1・2年生の生活科を廃止して、“自然を素直に見る目”をはぐくむために、単科の理科を復活すべきだと提案している。
◇司書教諭配置や蔵書数などに問題
文部科学省は4月22日、平成20年度の「学校図書館の現状に関する調査」の結果をまとめた。それによれば、(1)司書教諭必置の12学級以上の学校では、ほぼ全校で発令がなされているものの、ごく一部で発令されていない学校もあった(2)蔵書冊数は小・中・高校でそれぞれ増加しているものの、学校図書館図書標準を達成している学校の割合はまだ低い(3)読書活動の状況については、多くの小・中学校で全校一斉の読書活動等が行われるなど、おおむね取り組みが進んでいた――ことが明らかにされた。
◇学校問題解決サポートセンター
東京都教育委員会はこのほど、多様化する保護者や地域住民の要望への対応など、学校だけでは解決困難な問題に対して、公平・中立な立場で解決に当たろうと、東京都教育相談センター内に「学校問題解決サポートセンター」を設置、5月1日から相談活動を始めている。相談日時は平日の午前9時から午後5時までで、相談には、弁護士3人、精神科医3人、臨床心理士1人、警察OB1人、行政書士2人、民生・児童委員代表3人、保護者代表1人が当たる。業務内容は、学校経営支援センター、区市町村教育委員会、保護者などから相談を受け付け、必要に応じて専門家の助言をもとに、公平・中立な立場で対応する。
[5月4日]
◇英語教育の強化打ち出す
文部科学省は4月15日、「平成21年度英語教育改善のための調査研究」の新規指定校を決定した。 小学校における英語教育の早期必修化、授業時数増の在り方、中学校における円滑な移行、高校におけるコミュニケーション能力を育成するための効果的な指導方法などの研究を積極的に展開するなど、英語教育の強化を打ち出した。
◇子ども読書活動推進計画にばらつき
文部科学省は4月16日、都道府県と市町村における「子ども読書活動推進計画」の策定状況に関する調査結果をまとめた。その結果、都道府県別で「市町村子ども読書活動推進計画」を策定しているのは、静岡県がトップで37市町村中32が策定(86.5%)、策定作業中4(10.8%)を合わせると1つを残すのみだった。逆に最低は山形県で「策定済み」は35市町村中ゼロ。都道府県間で、読書活動の推進に大きなばらつきがあることがわかった。
◇好評な「学校支援地域本部」
特定非営利活動法人u-School推進コンソーシアムはこのほど、学校支援地域本部事業に関するアンケート調査の結果をまとめた。それによれば、学校支援地域本部事業担当者の60%が「学校教員の負担軽減につながる」、89%が「地域社会は学校を支援する意思を持っている」――などと回答した。
[4月30日]
◇スクール・ニューディール構想
政府は4月27日、「100年に1度」といわれる経済危機に対応するため、追加経済対策に伴う平成21年度の補正予算案を閣議決定し、国会に提出した。 文部科学省関係では、1兆3174億円という巨費を投じて、「低炭素革命」「底力発揮・21世紀型インフラ整備」「健康長寿・子育て」「雇用対策」に力を入れる。特に、「低炭素革命」と銘打った「スクール・ニューディール」構想(約1兆1000億円)では、2つの交付金も活用して、学校の耐震化や太陽光パネル設置などのエコ改修、ICT関連の設備投資など、ほぼ全額を国庫補助で賄うという画期的な対策を打ち出した。
◇ケータイマナー意識する中・高生
Benesse教育研究開発センターは4月14日、「子どものICT利用実態調査」の結果(速報)を公表した。小・中・高校生の携帯電話の所有率は3割・5割・9割だった。また中・高校生の7割以上が「知らない人からの電話に出ない」「禁止されている場所では電源を切る」などのマナーを意識していたことがわかった。同調査に協力した大学教授からは、この調査をもとに、各地域・学校での実態把握の実施が求められた。
◇女子生徒の理系選択13機関で委託事業
科学技術振興機構は4月16日、「女子中高生の理系進路選択支援事業」の平成21年度採択機関として、35件の応募のうち国立女性会館など13機関を決めた。この事業は、女子中高生が理系分野に興味・関心を持てるように、科学技術分野で活躍する女性研究者・技術者や大学生らと交流の機会を提供したり、出前授業(実験教室)を実施するなどして、女子中高生理系進路選択を支援する取り組みを、同機構の委託で実施するもの。委託期間は1年間。支援金額は300万円以内。
[4月23日]
◇「認定こども園」充実へ
昨年10月、内閣特命担当、文部科学、厚生労働の3大臣の合意で設置された「認定こども園制度の在り方に関する検討会」は4月8日、認定こども園の制度改革に関する検討結果をまとめた。 改革の方向としては、「認定こども園の緊急整備のため、平成23年度には、認定件数が2000件以上になることを目指す」を前提に、財政支援の充実、二重行政の解消、教育・保育・子育て支援の総合的な提供などを打ち出している。
◇判例などで争点明らかに
京都府教委と京都府市町村教育委員会連合会はこのほど、保護者から学校に向けられた苦情への適切な対応を盛り込んだ「信頼ある学校を創るII―学校に対する苦情の争点と教職員の心構え」と題する冊子を作成した。平成19年11月に発表した「信頼ある学校を創る―学校に対する苦情への対応」の反響が大きかったことから、第2弾として刊行。学校が負うべき責任を教職員がどのように果たすべきかについて、教育相談事例や判例、行政実例を考察、苦情の争点を明らかにして、教職員の心構えを紹介している。
◇ICT活用「授業中に」は55%
文科省はこのほど、「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」の結果(速報値)を公表した。このうち、今年3月現在の教員のICT活用指導力については、同のICT活用指導力チェックリスト5項目について「わりにできる」または「ややできる」と回答した教員の割合がまとめられた。公立学校の「授業中にICTを活用して指導する能力」の全国平均は55.2%で、平成23年3月までの「IT新改革戦略」の達成目標「概ね100%」を大きく下回った。都道府県別では、愛媛県が5項目すべてでトップにランキングされた。
[4月20日]
◇高校普通科で魅力のない理科教育
国立教育政策研究所と科学技術振興機構は4月1日、今年1〜2月に全国約900の高校で理科を教える教員約3300人を対象に理科の教育環境や研修の状況などに関する実態調査(質問紙)を行い、その結果をまとめた。 それによると、(1)高校普通科では小・中学校段階に比べて観察や実験が少なく、生徒にとって魅力的な理科教育とは言い難い状況にある(2)その要因は観察や実験のための時間が不足し、教材費が厳しい予算状況にある――ことなどがわかった。
◇半数超が幼小連携
文部科学省は3月31日、「平成20年度幼児教育実態調査」の結果を公表した。その結果、「幼・小連携」が55.6%と半数超にのぼっていた。ただ、「幼稚園と小学校が教育課程の編成について連携」は、16.1%にとどまっていることがわかった。
◇指導力高める実践的研修を
Benesse教育研究開発センターは、昨年7〜8月、全国の公立中学校の英語科の教員を対象に「第1回中学校英語に関する基本調査」を実施し、このほど、英語教育の実態と教員の意識調査の結果をまとめた。それによれば、指導力を高めるために「具体的な指導法や教材研究などの実践的な研修」を受けたいと6割以上の教員が答えた。授業では「指導型」が約5割、「活動型」が3割弱で、「指導型」の方が多かった。
[4月13日]
◇保護者の普段が子の学力に関係
国語、算数の成績上位層の児童(5年生)の保護者のほうが「美術館や美術の展覧会へ行く」「本(雑誌や漫画を除く)を読む」などを「よくする」傾向にあり、成績下位層の児童の保護者のほうが、「テレビのワイドショーやバラエティ番組を見る」「スポーツ新聞や女性週刊誌を読む」などを「よくする」傾向にある。 このほどお茶の水女子大学とBenesse教育研究開発センターが共同で実施した「教育格差の発生・解消メカニズムの調査研究」で、保護者の普段の行動と子どもの学力との間に強い関係があることが明らかにされた。
◇課題のトップは外国語活動
全国連合小学校長会はこのほど、「教育内容に関する改善事項や移行措置に伴う問題」の調査結果をまとめた。調査は、昨年7月から8月にかけて、各都道府県小学校長会を通じて選ばれた868校を対象に実施された。その結果、移行措置期間の課題のトップに高学年の外国語活動があげられたほか、86%の学校が週の授業時間数を増加して移行措置期間の授業時数を確保する考えであることがわかった。
◇研究開発学校で地球学など
文科省はこのほど、平成21年度から23年度までの3年間指定・委嘱する研究開発学校を明らかにした。「読解と表現をつなぐ理論的思考力」の育成、「地球学」や小中9年間にわたる教科「まちづくり科」の新設などで、研究開発が行われる。
[4月9日]
◇少人数指導は低学力層に効果
文部科学省は3月30日、同省の専門家会議が報告した平成20年度の全国学力・学習状況調査の追加分析(その2)などの結果を明らかにした。 それによれば、算数・数学において習熟の遅いグループに対する習熟度別少人数指導を行うことにより、低学力層の児童生徒の学習に対する関心・意欲・態度が高まる傾向にあることが確認された――。
◇移行措置で時数増教科を前倒し
全日本中学校長会はこのほど、新学習指導要領の移行措置などに関する調査結果をまとめた。72%の学校が移行期間中に選択教科を学校選択で実施する計画があると答えた。学年ごとの実施予定教科は「外国語」「数学」「保健体育」など、新学習指導要領の完全実施時に各学年で授業時間数増となる教科を前倒しした形となった。
◇生徒指導資料第1集を改訂
国立教育政策研究所生徒指導研究センターは3月30日、生徒指導資料第1集(改訂版)「生徒指導上の諸問題の推移とこれからの生徒指導―データに見る生徒指導の課題と展望」をまとめた。平成15年に公表された同資料について、その後の主要なデータの更新などが行われたもの。文科省の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」から暴力行為、いじめ、不登校などの状況説明、問題行動に対する同省の施策などを示している。
[4月6日]
◇横浜市が道徳教育推進教師配置
横浜市教育委員会は今年度から、全市立小・中学校などに道徳教育推進教師を配置した。 主幹教諭が兼任し、校長の方針のもと、全校での道徳推進体制づくりを進める。学校全体での道徳的活動の一層の推進のほか、道徳の時間の充実・支援、学校での指導を家庭・地域で生かすコーディネーター役を担う。
◇約半数が分からないことそのままに
ネットエイジア鰍ヘ全国の小・中学生と高校生を対象に、携帯電話によるインターネットリサーチで「学習に関する調査」を実施。1000人の回答を集計した結果、授業で分からないことや苦手にしていることをそのままにして解決できていない生徒が約半数もいたほか、約6割が先生への質問をせず、多くがその理由として「面倒くさい」をあげていた。
◇幼児関係で2つの事例集まとめる
文部科学省はこのほど、「幼稚園における子育て支援活動及び預かり保育の事例集」と「保育所や幼稚園等と小学校における連携事例集」(厚生労働省との共同)を相次いで作成した。両事例集ともに、地域の実情に応じて工夫している各地の公私立の幼稚園や保育園の実践事例をまとめたもの。
[4月2日]
◇新教育課程で教師多忙化
教育新聞社は、教育創造研究センターと共同で、小・中学校が取り組む4月からの新教育課程移行措置について、校長、教員らがどのような意識傾向であるかを探るため、緊急ミニ・アンケートを実施した。 この結果、8割以上が「ますます多忙になる」と回答。今後「子どもに向き合う時間は増えると思うか」の設問には6割が否定的だったほか、「探究学習」に大きな課題を残した。ただ、「道徳教育」については、積極的に推進しようとする学校や教師がやや増えてきた傾向が出てきたことが明らかにされた。
◇「こころを育む」活動で表彰
パナソニック教育財団は3月20日、「こころを育む総合フォーラム」を文科省ほかの後援で、東京・千代田区の東京商工会議所ホールに約500人の学校関係者らを集めて開いた。210件の実践事例の中から全国大賞に輝いたのは、群馬県助産師会の「助産師による『いのちの大切さを伝える』出前講座」。現場で働く助産師が、毎年100校以上の小・中学校に出向き、児童生徒や保護者にメッセージを伝達。いのちの大切さを心と体で実感させ、自分や他者も大切にする活動を展開した。
◇ノーベル賞受賞者と親子フォーラム
ノーベル物理学賞を受賞した小林誠博士、益川敏英博士と親子が対話するフォーラム「ノーベル賞受賞者との親子フォーラム」が3月25日、日本科学未来館で行われた。「科学と人間はどのようにつきあえるのか」との問いに小林博士は「科学には自然科学、社会科学などに共通した科学的な考え方がある。それは、ある考え方が正しいということが判定できる考え方。これは生きていくために必要な判断基準となるものだ」などと説明。益川博士は「どうして生き物は死んでしまうのか」の質問に「われわれ生物は死ぬことをしてきたから進化できた。遺伝子の複製で生じた異常が、環境に適応した優れた特徴を持たせることもあるからだ」などと述べた。
[3月30日]
◇理数補助教材を作成・配布
文部科学省は3月19日、来年度からの小・中学校の新学習指導要領の移行期間中に、算数・数学、理科で追加指導するための「理数補助教材」と、小学校外国語活動で使用する「英語ノート」やその関連教材を作成、3月中に全国の小・中学校に配布する。 「理数補助教材」で取り上げられるのは、「台形の面積」(小5算数)、「人の体のつくりと運動」(小4理科)、「球の表面積と体積」(中1数学)などである。
◇落下防止など整備指針を検討
文科省の学校設備整備指針策定に関する調査研究協力者会議は3月23日の会合で、学校設備整備指針改訂案などについて検討した。改訂案では、天窓からの落下防止など、施設内での事故防止を重視した記述が多く盛り込まれた。
◇ESD推進フォーラムがプレスセミナー
持続発展教育(ESD)の学校教育への普及を目指して昨年7月に発足した日本持続発展教育推進フォーラム(代表理事・有馬朗人元文部大臣)。平成21年度からの本格的な活動を前に、ESDに対する社会の理解を深めることを目的に、メディアを対象とした「ESDプレスセミナー」を 3月12日、東京・千代田区の大手町サンケイプラザで開催した。フォーラムの役員をはじめに、学校、教育委員会、企業などの実践報告を交えて、ESDの意義と役割を強く訴えた。
[3月23日]
◇「心のノート」を改訂
文科省は3月13日、今春から小・中学校の道徳が先行実施されるのに伴い、学校で使用されている副教材「心のノート」(小学校低・中・高学年用と中学校用の4冊)の改訂版を公表した。 昨年7月から「心のノート」の改善に関する協力者会議で検討してきたもの。改訂版では全小・中学校を通して「きまりを守る」など、規範意識の育成を強く打ち出すとともに、「働くことのよさを感じて、みんなのために働く」(小学校低学年)、「自分の特徴に気づき、よいところを伸ばす」(同中学年)、「多くの人々の善意や支えにより、日々の生活や現在の自分があることに感謝し、それにこたえる」(中学校)を新たに盛り込んでいる。
◇退職教職員をボランティアに
東京都教育委員会はこのほど、退職教職員ボランティア活用事業を来年度から実施することを決めた。都教委では、ボランティアを活用して、学校現場での各教科の指導補助などのニーズを満たすとともに、新規採用教員の指導対応などを充実する方針だ。
◇教育費負担軽減策まとめる
文部科学省は3月13日、現下の厳しい経済・雇用情勢により、子どもたちの教育を受ける機会が損なわれることのないよう、「児童生徒等の修学等の支援に向けた主な施策について」をとりまとめた。
[3月19日]
◇ESDの推進で建議案
日本ユネスコ国内委員会は3月9日、東京都内で第124回会議を開き、「持続発展教育(ESD)の一層の普及・支援の推進について」とする建議案をまとめ、その実現に向けて政府に強く要望していくことを決めた。 具体的には、(1)初等中等教育において、新学習指導要領に基づきESDの一層の推進を図る(2)ESD拠点としてのユネスコ・スクール加盟校(61校)の増加に努める(3)生涯にわたるESDの教育機会の提供に努める――などをあげ、財務、文部科学、外務、環境の4大臣に予算措置などを求めていく。
◇移行措置再確認で講座
全国初等教育研究所主催の公開教育講座「どう創る、これからの授業〜新学習指導要領・移行措置再確認講座」が3月8日、さいたま市の放送大学埼玉学習センターで開かれた。この中で、神山弘文部科学省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室長が「新学習指導要領の目指すもの」と題して講演。特に、「思考力・判断力・表現力」の育成について、(1)体験から感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体などを用いて表現する(2)理科の調査研究で、仮説を立て、観察・実験を行い、その結果を整理・考察し、まとめ、表現したり、改善したりするといった、課題について構想を立てて実践し、評価・改善するなどの6つの活動例をあげて説明した。
◇保育士の約半数が非正規雇用
保育士に占める非正規雇用者の割合が5割近くにも達し、しかも経験年数5年未満の保育士が約3割もいることが、ベネッセ次世代研究所が3月10日に発表した「保育士の質の維持・向上、量的な確保が保育所経営における課題」と題する調査結果で明らかにされた。また、「私営保育所の約6割が定員数をオーバーして園児を受け入れている」「保育所長、施設長などは、保育所運営の最大の課題を『保育士の質の維持、向上』『保育士などの確保』『予算の確保』と考えている」ことがわかった。
[3月16日]
◇キャリア教育に配慮を
藤田晃之国立教育政策研究所生徒指導研究センター総括研究官は3月5日、東京都内で開かれた東京都中学校教育研究会の第2回総会で、「新学習指導要領と体験活動」をテーマに講演した。 この中で同総括研究官は、「キャリア教育にも各教科の授業と同様に、生徒が興味関心をもてるような配慮と働きかけが求められる」などと語った。
◇「ブレイクスルー」で成長
博報児童教育振興会は2月28日、都内でフォーラムを開き、「『ブレイクスルー』で成長する」をテーマに、実践報告などを行った。その中の1つ、山形県米沢市立南原中学校は、本格的なアントレプレナーシップ教育を全学年で軌道に乗せている。生徒たちが会社をつくり、企画を通して皆で協力して商品をつくるという一連の課題を突破していく外側へ向くエネルギーとしてブレイクスルーを体験した。それができたのは、教師たちが「やらざるを得ない」環境をつくり、子どもたちを傍らで支援する「学びの共同体」を築いていけたからだとした。
◇eラーニングで更新講習
金沢、東京学芸、愛知教育、千歳科学技術の4大学は、来年度から実施される教員免許状更新講習をeラーニングによって全国展開する。4大学連携による「eラーニング教員免許状更新講習推進機構(KAGAC)」を立ち上げ、協力機関として、愛知大学及び2つのNPO法人の協力も得て、特色ある教材や講師を提供する。国・私立大学が連合して実施する更新講習は全国初。遠隔地(へき地)の教員や障害のある教員に配慮した受講を可能にすることなどがねらい。
[3月12日]
◇学力向上のため常勤講師採用
大阪市教育委員会(永井哲郎教育長)は今年4月から、習熟度別少人数授業の拡充など、市内公立小・中学生の学力向上に重点的に取り組むため、これまでの週30時間勤務の非常勤講師に加え、小学校で約100人、中学校で約70人の週40時間勤務の常勤講師を採用する予定。 市教委では「教員免許所持者で、子どもの教育に情熱を持って取り組んでみたいという熱意のある先生をお待ちしています」とPRに懸命。このほか、幼稚園、小・中・高校、特別支援学校勤務の非常勤嘱託員、非常勤講師も引き続き募集(人数は未定)する。期間は原則として1カ月〜1年間。
◇自分のことばで話す力を
文部科学省の菅正隆教科調査官は2月27日、平成19・20年度文部科学省「小学校における英語活動等国際理解推進事業」拠点校の1
◇つ、東京都新宿区立戸塚第一小学校の研究発表会で、「小学校外国語活動の在り方と今後」について講演した。同調査官は「小学校での外国語活動のねらいは、国際理解の能力とともに、いまの子どもたちに低下しているコミュニケーション能力や自分で考え、自分のことばで話す力の向上を図ることだ」などと説明した。
フィルタリング普及でキャンペーン
[3月9日]
◇小1プロブレム解消へ
文部科学省の保育所・幼稚園・小学校の連携に関する調査研究協力者会議は3月2日、省内で会議を開き、今年度末に作成する「保育所や幼稚園等と小学校における連携事例集」の案が示された。 案では、その盛り込む内容として、「連携の必要性」「連携の効果」「地方公共団体の支援」「各施設における組織的・計画的な連携の推進」などをあげている。保育所・幼稚園と小学校の連携がスムーズにいけば、子ども同士の交流活動、教職員の交流はもとより、教育課程の編成や指導方法の工夫につながり、「小1プロブレム」に象徴される幼児と児童の「段差」の解消につながるものと期待される。
◇対教師暴力事件増える
警察庁が2月19日に発表した平成20年の「少年非行等の概要」で、教師に対する暴力事件は646件で前年比19.2%増、被害者数は729人で17.4%増と、平成11年以来最も多いことがわかった。検挙・補導された少年は647人で前年の583人より11.0%増えた。
◇「安全教育プログラム」を作成
東京都教育委員会は2月19日、幼稚園、小・中・高校、特別支援学校の園児・児童・生徒に、自ら危険を予測して回避する能力や、災害時のボランティア活動を含めた社会の安全・安心に貢献できる資質・能力を身につけさせる安全教育を推進するための手引書となる「安全教育プログラム」を作成した。全国初の総合的な指導資料となるもので、理論編と実践編の2部構成。特別活動や総合的な学習の時間、生徒指導などでたいへん参考になる。
[3月2日]
◇1000時間の体験学修を必修化
文部科学省の教員養成課程の質的な向上に関する協力者会議が2月23日、省内で開かれ、同協力者会議副座長の岡信也島根大学教育学部長が同学教育学部の教育課程改善の試みと改善について報告した。 同学では、平成16年度以降の教育改善で、1000時間体験学修を学生に必修化し、教職能力の育成に取り組んでいる。
◇出会い系サイトで目立つ児童買春
警察庁は2月19日、「平成20年中の出会い系サイトに関係した事件の検挙状況」を発表。出会い系サイトに関係した事件として警察庁に報告のあった件数は1592件で、前年と比べ161件(9.2%)減少し、犯罪被害にあった児童は724人と同376人(34.2%)減少したものの、検挙件数のうち、児童買春・児童ポルノ法違反が601件と最も多く、検挙全体の37.8%を占めた。
◇4割強が「学校を休みたい」
小・中学生の4割強が「学校を休みたい」、2割弱が「いじめられたことがある」と答えていたことが、東京・荒川区青少年問題協議会が2月18日にまとめた「家庭における親の教育意識と青少年の意識調査」の最終報告書でわかった。
[2月26日]
◇小1から9年間一貫英語教育
小・中学校9年間で、英語によるコミュニケーション能力を育てよう――。 沖縄県那覇市では6年前から、金城小学校など36の全市立小学校と城北中学校など16の全市立中学校、合わせて52校が一体となって取り組んだ結果、英語学習に積極的に取り組む児童生徒が増えるなど、大きな成果をあげていることが、2月17日に文部科学省が都内で開いた第5回研究開発学校フォーラムで明らかにされた。
◇米国は民主主義、韓国は道徳則で徳育
文部科学省の「子どもの徳育に関する懇談会」が2月13日に開かれ、伴恒信鳴門教育大学学校教育学部教授と関根明伸郡山女子大学家政学部講師が、米国と韓国の道徳教育について説明した。米国の徳育は(1)民主主義の理念とリーダーシップ(2)実践性と科学的実証性(3)地域社会との連携に集約され、韓国では(1)道徳的規則(2)良心・感情、善を求める心B道徳性の実践力の順に進められている。
◇小学校の英語に半数が不安感
平成23年度から実施される小学校外国語活動の必修化に不安を抱く学校は52.5%と半数を超え、教育委員会の22.0%と比べ、30ポイントも開いていることが、旺文社がこのほど発表した「小学校のアンケート調査」で明らかにされた。
[2月23日]
◇新教委制度めぐり議論
第22回『都市問題』公開講座「これでよいのか!教育委員会」が2月7日、東京市政調査会の主催により、東京・千代田区の日本プレスセンターで開かれた。 この中で山出保金沢市長が講演し、教育の政治的中立性と自らの首長としての関わり方について「教育の専門性に照らし、市長は教育から一歩引く距離感でいるべき」などと語った。パネルディスカッションでは、品川区の若月秀夫教育長が「首長の関与を視野におさめた上で、教育長を教育選任の副区長として位置づける新しい教育委員会制度を構築する必要がある」などと、注目すべき発言があった。
◇新指導要領は教育の質を高める
中教審副会長の梶田叡一兵庫教育大学長は2月6日、学術総合センターで開かれた「第6回国際教育協力日本フォーラム」で、「日本における教育の質とガバナンス」と題して基調講演、新学習指導要領に基づく一連の改革は「理数教育の充実、国際コミュニケーションツールとしての小学校5年生からの英語教育の実施、日本の伝統文化について学ぶことの重視、道徳をしっかりと子どもに教えるなど道徳の指導の充実などが実施される。これらは教育の質を高めるものだ。加えて、もう一度、努力する意味を子どもたちに教えていかなければならない」などと述べた。
◇総合的な学習の研究を深めるべき
「だから“総合”はやめられない!」と銘打って、文部科学省と国立教育政策研究所は2月13日、省内の講堂で「総合的な学習の時間フェスタ2009」を開いた。全国から教育委員会の指導主事、小・中学校の教員ら600人以上が参加、「総合的な学習の時間は、授業時数減の中でも、新教育課程ではますます重視され、実践・研究を深める必要がある」との共通認識で一致した。
[2月19日]
◇中教審会長に三村明夫氏
中央教育審議会は2月10日に省内で総会を開き、第5期中教審会長に三村明夫日本経済団体連合会副会長・新日本製鐵株式會社代表取締役会長、副会長に梶田叡一兵庫教育大学学長と田村哲夫学校法人渋谷教育学園理事長がそれぞれ選任された。 三村新会長は「教育は共通のデータがないところから、その理論が打ち立てられがちだ。そのようなデータが不足している。そのデータの整備を文部科学省にお願いしたい。社会総がかりの教育といっても、省庁連携が十分とはいえない。会長として全力投球したい」などと抱負を語った。
◇全教委が教員採用選考改善へ
文科省は公立学校教員採用選考の改善を促進するため、平成21年度に実施する「22年度公立学校教員採用選考」に向けて、全国64の都道府県・政令都市教委がどのような改善・検討を進めているか報告を求めていたが、2月11日、その検討状況を発表した。このうち「試験問題・解答・配点の公表」では「従来から持ち帰りができたが、ホームページにも掲載」(東京都)、「問題を受験者に持ち帰らせることを決めた」(岐阜県)、「不正防止チェック」では「一般教養・教職試験では、外部委託で採点・入力する」(群馬県)、「教員出身でない行政職員も加わり、採点のチェック体制を強化する」(石川県)などだった。
◇職業教育の在り方などで議論
中教審のキャリア教育・職業教育特別部会は2月4日に会合を開き、「基礎的・汎用的能力の明確化、発達段階に応じた育成」「後期中等教育における職業教育の在り方」「高等教育における職業教育の在り方」などの事項について意見を交わした。事項ごとに整理された問題点や今後の検討の方向性をみると、「基礎的・汎用的能力の明確化、発達段階に応じた育成」の問題点では、学生・生徒の興味・関心からの指導に偏り、社会的役割を果たす観点からの指導の不足があげられた。
[2月16日]
◇「心を育む」5つの提案
塩谷立文部科学大臣は2月3日、「新しい日本の教育〜今こそ実行の時!『心を育む』ための5つの提案」を公表した。 今年4月から先行実施される小・中学校の学習指導要領で、道徳の充実、公共の精神や伝統文化の重視、体験活動の充実などが求められたことを受けて、大人・子ども・地域がともに「心を育む」取り組みを進めることを呼びかけたもの。提案の内容は、(1)「読み書きそろばん・外遊び」の推進(2)校訓を見つめ直し、実践する(3)先人の生き方や本物の文化・芸術から学ぶ(4)家庭で、生活の基本的ルールをつくる(5)地域の力で、教育を支える――。
◇教育委員会改革を提言
教育再生懇談会は2月5日までに、第3次報告書をまとめた。この中で教育委員会の在り方として、(1)地域の要望の把握、教育長・事務局の行政執行の評価など、求められる役割を明確にし、職責を果たす(2)住民から信頼される教育行政推進のため、教育長・事務局職員への人材の確保、教員人事プロセスの透明化を進める――などを求めた。
◇生徒会が小学生に「学校説明会」
東京都八王子市立ひよどり山中学校は2月2日、生徒会の自主的活動の一環として、近くの5つの小学校(一小、十小、中野北小、加住小、大和田小)の6年生約110人を招き、「学校説明会」を開いた。小学生たちに中学生の授業を見てもらうために企画されたもので、生徒会役員の先導で、5時間目の国語、美術、社会、体育、選択の授業を見学。小学生たちは多少緊張気味ながらも、中学生の授業に真剣な表情で聞き入っていた。
[2月12日]
◇携帯電話の学校持ち込み原則禁止
「学校への携帯電話の持ち込み問題」を検討していた文部科学省は1月30日、小・中学校は「原則禁止」、高校は「使用の制限」を基本にした通知を各都道府県・市町村教委に出した。 同省がこの日に発表した「学校における携帯電話等の取扱いに関する調査」の結果を踏まえて通知したもので、同省では、今後、学校における携帯電話の取り扱い、情報モラル教育の充実に努めることを求めている。
◇ネットの安全安心でフォーラム
ネット安全安心全国推進会議は1月31日、ネット安全安心全国推進フォーラム「子どもとケータイ〜適切な使い方のためのルールづくり」を、全国から約500人の関係者を集め、文部科学省内で開いた。現役の高校生2人、大学生2人を交えて、青少年のケータイを介してのインターネット利用の現状と取り組みを討議したあと、現場教師、民間研究所、父母代表などが参加して、「子どもが正しく適切にケータイを使うためには、大人がどう育てていくのか、家庭での子どものケータイ利用ルールをつくるための実践とは」と題してパネルディスカッションが行われた。
◇情報化の「手引」で案
文部科学省の「教育の情報化に関する手引作成検討会」は1月29日に会合を開き、小・中・高校の新学習指導要領にも対応した同手引案について審議した。この中で、学校での情報化の推進体制整備に関して、教育委員会と学校の役割分担を示すとともに、「『学校の情報化』に向けた管理職のアクション」の自己評価チェックリスト(案)が盛り込まれた。
[2月5日]
◇研究校で新教科、一貫教育など推進
文部科学省は2月17日午前9時45分から午後3時45分まで、東京・千代田区の学術総合センターで、第5回研究開発学校フォーラムを開く。 研究開発学校は、学校独自の教科の新設など、学習指導要領の教育課程の基準によらない教育課程を編成・実施し、新しい教育課程・指導方法について研究実践を行うもの。今回は、新学習指導要領の本格実施を控えていることもあって、多くの学校がキャリア教育の分野などで新教科を設置しているほか、「英語科」を中心に、9年間の小・中学校一貫教育を目指す学校が増えているのが特色。
◇麻生首相が「学力向上」を強調
麻生太郎首相は1月28日、第171回国会の衆参両院本会議で施政方針演説を行った。柱は「活力ある社会」「安心できる社会」「世界への貢献」の3つ。このうち「安心できる社会」では「安全と安心」「教育」などについて述べた。「安全と安心」については、日本に定住する外国人の子どもに対し、新たに設けた担当組織の下で地域における支援を進めること、ニートやひきこもりなど困難を抱える若者を支援する新法をつくることなどを表明。「教育」については、小・中学校の学習指導要領の4月からの先行実施で理数教科などの授業時数を増加させることで、学力を向上させ、豊かな心や健やかな体をはぐくむなどと述べた。また、学校に携帯電話を持ち込ませず、有害情報やネットいじめから小・中学生を守る対策を進めるなどと述べた。
◇特別支援教育の新教育課程で説明会
文部科学省は1月26、27の両日、平成20年度特別支援学校新教育課程説明会(中央説明会)を、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで実施した。会の冒頭、金森越哉初等中等教育局長が「今回の改訂では、一人ひとりの障害に応じた指導の充実、自立と社会参加に向けた交流・共同学習の充実などが盛り込まれた。児童生徒の障害の重複化や発達障害などを含む障害の多様化に対応した教育の推進などから、関係機関を含めた支援の重要性が高まっている」などとあいさつした。
[2月2日]
◇小中一貫カリキュラムを導入
横浜市教育委員会は1月23日までに、来年度から全市立小・中学校で小中一貫カリキュラムを導入することを決めた。 小・中学校間の交流の促進や中1ギャップの解消、授業改善の推進などをねらいに、中学校区ごとに校区内の小・中学校が9年間の連続性のあるカリキュラムを編成する。この取り組みは、来年度から、現行の学校制度内で小中一貫カリキュラム編成を本格実施するもので、小中一貫教育校の設置など、新たな制度・施設面での変更は未定だ。
◇自殺予防教師用マニュアル案を公表
文部科学省の「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」は1月19日、第5回会合を開き、子どもの自殺予防のための教師用マニュアル「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」(案)を公表した。内容は、(1)子どもの自殺の実態(2)自殺のサインと対応(3)自殺予防のための校内体制(4)校外との連携(5)不幸にして自殺が起きてしまったときの対応(6)事例――などで構成されている。
◇薬物乱用防止教育の手引作成
大学生の大麻使用者の検挙が続くなど、若者の薬物乱用が大きな社会問題となる中で、北海道教育委員会は小・中・高校で薬物乱用防止教育を行ってもらうための手引『薬物乱用防止のための指導参考資料』を作成した。資料は、1章薬物乱用防止に関する基礎知識、2章学校における薬物乱用防止教育の推進などから構成されている。同教委のサイトで公開されている。
[1月29日]
◇更新講習83大学1693講習を認定
文部科学省は1月13日、来年度免許状更新講習の第1回認定の結果と来年度免許状更新講習開設予定大学等の中間調査の結果を公表した。 第1回申請期間(昨年10月24日〜12月1日)に申請のあった大学等の中から、83大学等の1693講習(必修・選択)が認定された。各大学では、2月上旬から受講申し込みの受け付けを開始する予定。また、来年度に免許状更新講習の開設を予定している大学等の数は、昨年12月現在、必修領域の講座では250大学等で、選択領域の講座では362大学等だった。
◇学校・家庭・地域の推進を強力に
文部科学省がこのほど発表した来年度の予算案で、「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」が新規事業(補助事業・国の補助率3分の1)として142億6100万円計上されたことがわかった。同事業は、改正教育基本法第13条の規定を踏まえ、学校、家庭、地域住民等それぞれの役割と責任を自覚しつつ、地域全体で教育に取り組む体制づくりを目指し、地域の実情に応じた学校・家庭・地域の連携協力のための様々な具体的仕組みを促進し、社会全体の教育力の向上を図ろうというもの。「放課後子ども教室推進事業」など6事業からなる。
◇高卒予定者186人が内定取り消し
文部科学省は1月16日、平成21年3月新規高校卒業予定者の就職内定取り消し状況の結果をまとめた。その結果、昨年9月16日から今年1月5日までに、内定取り消しの通知を受けた生徒は全国で186人だった。このうち、取り消しのあと、内定取り消しが撤回されたのは7人、ほかの事業所の紹介を受け、内定を受けたのが21人、就職活動により、内定を受けたのが54人などだった。
[1月26日]
◇教採試験で全県市が透明性・不正防止
取り組みに多少の異同はあっても、すべての都道府県・指定都市教委が公立学校教員の採用選考試験を実施する際、「試験問題の公表」「解答の公表」「採用選考基準の公表」など、不正防止や透明性を高めるための措置を講じていたことが、文部科学省がこのほどまとめた平成21年度の採用選考試験の調査で明らかにされた。
◇規範意識をいかに高めるかでシンポ
全国都道府県教育委員会連合会は1月19日、シンポジウム「子どもたちの規範意識をいかに高めるか」を東京・文京区の都教職員研修センターで実施した。子どもの規範意識の欠如が暴力行為の低年齢化、いじめ・学校裏サイトなどでの他者に対する誹謗中傷、公共の場での迷惑行為などに及んでいることから、教育行政を担う者が規範意識の低下にどう歯止めをかけるかについて、意見を交わした。
◇ヨーロッパの徳育は市民性重視で
文部科学省は1月13日、子どもの徳育に関する懇談会の第5回会合を省内で開き、フランス、イギリス両国の「徳育」の状況について、2人の学者からヒアリングした。フランスについて説明したのは早稲田大学の石堂常世教授。日本の「徳育」に該当するのが「公民教育」。「市民育成」という概念で展開されてきた経緯がある。イギリスについて説明したのは城西大学の新井浅浩教授。カリキュラムは(1)宗教教育(必修)(2)シチズンシップ(中等教育のみ必修、初等教育はPSHE=「人格・社会性の発達、健康のための教育」と連携)(3)PSHE(準必修)――からなる。
[1月22日]
◇教材整備を大幅に拡充
文部科学省は1月14日、平成21年度の局別予算案を発表した。 この中で、小・中学校の新しい学習指導要領の移行措置を円滑に実施するため、来年度から「教材整備緊急3カ年計画」に基づき、計画的な整備を図ることを明らかにした。同計画の対象は、従来の教材(デジタルテレビを含む)、小学校外国語活動、武道防具等、和楽器で、総額は2459億円。いずれも交付税措置で実施される。また、同計画とは別に、理科教材(少額設備)については、その設備整備費に20億円(21年度)が国庫補助される。
◇退職教員や社会人1万4000人措置
文部科学省は、平成21年度予算で、小・中学校の新しい学習指導要領の円滑な実施のため、授業時数増等への対応として、総額約81億円を計上した。このうち、「退職教職員等外部人材活用事業」では、退職教員や社会人を1万4000人(週12時間換算)配置する。
◇全国学力調査で新たに課題分析調査
文部科学省は来年度の全国学力調査を4月21日に小学校6年生と中学校3年生を対象に、国語と算数・数学で実施するが、新たに学力調査を活用した専門的な課題分析をするための調査研究を実施する。このための予算として約4000万円を措置した(学力調査全体の予算額は約57億円)。また、都道府県・指定都市教委、市町村教委、小・中学校の連携で、学力調査活用アクションプラン推進事業を展開する。
[1月19日]
◇公立中高一貫のエリート校化を問題視
政府の規制改革会議は昨年12月22日に「規制改革推進のための第3次答申」をとりまとめ、同日、麻生太郎首相に答申した。 教育・研究分野では公立の中高一貫教育に関して、一部の学校で「国会附帯決議等の趣旨を逸脱していると思われる」など、“受験エリート校化”していることを批判、その実態把握と中教審での審議を提言している。また、教員養成課程の設置基準を緩和し、多くの大学などに小学校教諭の教員免許課程を認定することができるよう求めている。
◇学力向上の取り組みを分析
文部科学省の「全国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議」は昨年12月15日に会合を開き、同検討会に設けられた分析ワーキンググループから今年度の同調査の追加分析に関する報告を受けた。その中で、「低学力層を減らした取り組み」には、▽長期休業を利用した補充的な学習の指導▽書く習慣、読む習慣を身につけさせる授業が、「高学力層を増やした取り組み」には、▽地域の人が自由に授業参観など学校公開日を設定▽職場見学や職場体験活動が、それぞれあげられた。
◇大学の学部改善で答申
大学の学部段階の改善を検討していた中教審は昨年12月24日の総会で、「学士課程教育の構築に向けて」と題する答申をまとめ、塩谷立文科相に提出した。高等教育改革の推進方策の一環として、19年3月に大学分科会の制度・教育部会に小委員会を設置して審議を進め、20年3月に「審議のまとめ」を公表、広く一般国民の意見を聴取、答申にこぎつけたもの。具体的な改善方策では、新たに「学士力」を掲げ、参考指針を提示したほか、順次性のある体系的な教育課程の編成を求めている。
[1月15日]
◇特別支援学校の学習指導要領で改訂案
文部科学省は昨年12月22日、特別支援学校の学習指導要領等の改訂案を公表した。 昨年1月17日の中教審答申を受けてとりまとめたもの。今回の改訂の基本的考え方は、(1)幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の教育課程の改善に準じた改善を行う(2)障害の重度・重複化、多様化に対応し、一人ひとりに応じた指導を一層充実させる(3)自立と社会参加を推進するため、職業教育などを充実する――の3点。
◇高等専門学校の充実で答申
中教審(山崎正和会長)は昨年12月24日の総会で、「高等専門学校」の充実策についての答申(副題=ものづくり技術力の継承・発展とイノベーションの創出を目指して)をまとめ、塩谷立文科相に提出した。平成19年3月に特別委員会を設置して審議を重ねてきたもの。改善策としては、地域の産業界との幅広い連携、技術科学大学との連携強化、工業・商船以外の新分野への展開などを打ち出している。
◇21年度全国学力調査で実施要領通知
文部科学省は昨年12月24日、今年4月21日に実施する平成21年度の「全国学力・学習状況調査」に関する実施要領をまとめ、各都道府県教委などに通知した。今回は、過去2回の実施と比べ、調査結果の「活用」「提供・公表」「取り扱いに関する配慮事項」「留意事項(実施・活用体制など)」に追加の変更があった。この中で「調査結果の提供・公表」では、「調査の目的の達成に資するため、文部科学省が提供・公表する資料を充実する」を追加した。
[1月12日]
◇キャリア教育で諮問
塩谷立文部科学大臣は昨年12月24日に開かれた中教審の総会に出席し、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方」について諮問、小・中・高校などを通じて一貫したキャリア教育の方策を検討することを求めた。 具体的には、中長期的な観点から、(1)学校から社会・職業への円滑な移行に必要な基礎的・汎用的能力の明確化と発達段階に応じた体系的なキャリア教育の在り方(2)高等学校の普通科・専門学科・総合学科といった学科を超えて多様化する生徒のニーズに応じた職業教育の在り方(3)職業に関する知識・技能の高度化が求められる中での各高等機関における職業教育の在り方――をあげている。中教審では、近く「キャリア教育・職業教育特別部会」を設置して本格的な検討に入る。
◇高校の学習指導要領改訂案発表
文部科学省は昨年12月23日、高校と特別支援学校の学習指導要領改訂案を発表した。高校については各教科・科目の枠組みは変わらないものの、国語、数学、外国語など一部の教科で共通必履修科目を設けるなど、科目の新設または再編が行われた。英語の標準単語数が1300語から1800語に増加したほか、職業に関する教科・科目の改善も図られた。「はどめ規定」(詳細な事項は扱わないなどの規定)は原則削除された。平成25年度からの全面実施(学年進行)を前に、平成22年度からは総則などが、平成24年度からは学年進行で数学と理科がそれぞれ先行実施される。
◇文科省は前年度並み
政府は平成21年度一般会計の予算案を昨年12月24日に閣議決定し、約88.5兆円と過去最高額となったものの、文科省所管については約5.3兆円と前年度並みの結果にとどまった。文科省は概算段階では約5.9兆円を要求していた。
[12月22日]
◇教員が授業に集中できる体制を
中教審初中教育分科会の「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会」は12月11日、文科省内で第4回会合を開いた。 学校の業務負担について議論を交わすとともに、その方策として、(1)多様な業務を推進するには、学校全体で組織として遂行する(2)教員が授業に集中できるよう、それ以外の業務は、専門人材や地域人材を活用する(3)業務の効率化と削減に努める――などをあげ、今後の議論を深めていくことになった。
◇伝統・文化理解指導資料を作成
東京都教育委員会は12月11日、日本の伝統・文化理解教育を積極的に推進するため、都内公立小・中・高校、特別支援学校などの全教員に配布する指導資料を作成した。また、12日には、都内で、平成20年度の実践発表会を開き、各学校が伝統・文化理解教育に関する成果などを紹介、研修を深めた。
◇低学年の通塾率増加
首都圏を中心に中学受験をする子どもたちが増え、その影響からか、小学校の低学年での通塾率が増えていることがBenesse教育研究開発センターが12月9日にまとめた「塾と習い事」に関する分析結果で明らかにされた。また、(1)通塾率に地域(人口規模)による違いがある(2)習わせてよかったのは「スポーツ系」の習い事――などがわかった。
[12月18日]
◇算数・理科「楽しい」が増加
文部科学省は12月10日、国際数学・理科教育動向調査の07年調査(TIMSS2007)の結果を公表した。 児童生徒の意識調査の結果、算数と理科の授業が「楽しい」と答えた児童生徒は前回(03年)の調査よりも増加していた。また、成績ランクでは、小学校の算数と理科の成績は前回よりも順位を下げ、それぞれ4位(前回は各3位)、中学校の数学は前回と同じ5位、理科は前回の6位から3位に上がった。
◇特別支援教育で全国フォーラム
第3回特別支援教育全国フォーラムが文科省や全国特別支援教育推進連盟などの主催で12月6日、都内で開かれた。このうち第1分科会では、「小・中学校における特別支援教育を進めていくために」をテーマに、研究者や担当教員などから発表があった。この中で、特別支援教育を進める上で配慮すべきこととして、島治伸徳島文理大学教授は「校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名は9割以上の学校でされているものの、個別の指導計画の作成や巡回相談の実施には課題がある」などと指摘、「児童生徒一人ひとりの発達や成長、障害の特性に応じた指導と支援の充実が必要。特に、わかる授業や楽しい学校生活を保障することが重要だ」などと述べた。
◇大学入試で漢検取得者を評価
日本漢字能力検定協会は、全国の大学・短大の来年度入学試験で、「漢検」を取得している受験者を、大学側はどのように評価しているか、全国の723大学と388短大を対象に、今年7月から9月にかけて調査を行った。漢検取得者を評価すると回答した大学は43.6%、短大は45.1%。評価する入試種別については、大学、短大ともに推薦入試(大学69.8%、短大81.1%)やAO入試(大学51.7%、短大33.7%)との回答が多かった。
[12月15日]
◇「宿題」が学力向上に役立つ
校長が、学校全体の課題として家庭学習(宿題)の充実に積極的に取り組んでいる学校の子どもほど、学力が高い傾向にあるが、家庭学習(宿題)を学校の課題に位置づけている校長は2割にすぎなかった。 Benesse教育研究開発センターはこのほど、「学力向上のための基本調査2008」と題する中間報告書をまとめた。小学校50校、中学校38校の児童生徒(小5と中2)約7000人とその保護者約6200人、教師・校長約2020人を対象に、今年5月から6月にかけて実施したもの。家庭学習(宿題)に関するこれほどの大規模な調査は珍しい。
◇経済格差が学力格差に
日本の教育を考える10人委員会は教育政策や教員人事政策、業務内容の実態を把握するため、「義務教育に関する教員アンケート調査」を実施。それによると、約9割以上の教員が児童生徒の家庭の経済格差が拡大していると感じ、児童生徒の学力格差に影響を与えていると回答した。教育予算については、5割以上が「出張費・旅費」「備品費」の確保が難しくなったと答えた。この結果を受けて同委員会では、「義務教育は未来への投資であり、すべての人に機会均等であるべきだ」として、国に対しOECD諸国平均レベルまで教育予算を拡大するよう提言した。
◇社会全体で子どもの教育を
大阪市教育委員会はこのほど、「大阪市教育改革プログラム重点行動プラン2008-2011」を策定した。学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たし、社会全体で子どもの教育に取り組むことを目標にしており、(1)おおさかでまなぶ(2)おおさかでそだつ(3)おおさかではぐくむ――の3つの視点から、今後4年間で集中的に取り組む20項目、全82の教育施策が記載されている。
[12月11日]
◇非常勤講師増の要求退ける
政府の「行政支出総点検会議」は12月1日、「大学評価研究委託事業」の廃止など、公益法人への支出を06年度比で約37%削減することなどを内容とした指摘事項をまとめ、麻生太郎首相に提出した。 文科省関係では、日本学生支援機構の延滞債権回収の民間委託や学習指導要領の改訂に伴う非常勤講師増の要求に対し「現在の体制の中で対応する工夫をすべき」など増員要求を退ける指摘があった。
◇「教育目安箱」に“採用試験の不正”
規制改革会議は、大分県の教員採用に関わる事件を受けて「教育目安箱」を設置していたが、12月1日、その結果を公表した。238件の投書があり、357件の問題提起があった。このうち、都道府県を明示した上で、「採用試験において受験者の点数を良くしてほしいと頼まれたことがある」など、問題点の指摘が38都道府県、144件あった。
◇「事故防止の留意点」で素案
文科省の学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議学校施設安全対策部会は11月25日までに「学校施設における事故防止の留意点」(仮称)の素案をまとめた。学習関係諸室や廊下、階段の留意点として、理科室での危険な薬品の取り扱いや廊下で走ったりふざけたりすることに起因する事故の防止、校舎内の窓や天窓、屋上などでの児童生徒の転落防止などの留意点を、近年の事故事例とともに示した。
[12月8日]
◇小学校担任の約半数が理科に苦手意識
科学技術振興機構と国立教育政策研究所は11月20日、「平成20年度小学校理科教育実態調査」の結果をまとめた。 今年8月に、公立小学校の理科を教える教員を対象に、理科の教育環境や研修の状況などに関する全国的なアンケート調査を共同で実施。その結果、小学校の学級担任として理科を教える教員の約半数は理科の内容の指導に苦手意識を感じているにもかかわらず、約3分の2の学校では、校内での理科の研修会が年間一度も開かれないなど、時間不足や、研修機会の不足によって、苦手意識の克服が難しい状況にあることがわかった。
◇新しい生活科と総合的な学習でシンポ
「新しい生活科・総合的な学習の時間の創造」を主題とする第7回日本生活科・総合的学習教育学会が11月22日に東京・豊島区の立教大学で開かれた。シンポジストは新学習指導要領の改訂にかかわった4人の教育関係者で、生活科・総合的な学習のところで新たに強調された「気づき」「探究的な学習」「協同的な取り組み」などについて意見を交わした。
◇コスト抑えながら教育の質向上は可能
財政制度等審議会は11月26日、09年度予算編成に向けた建議(意見書)をまとめ、中川昭一財務相に提出。教育予算について「コストを抑えながら改革により教育の質を上げることは可能」と断じた。教育予算対GDP比の議論については、「子ども1人当たりでみれば、先進主要国と比べて遜色はない」と指摘した。さらに、新学習指導要領の実施に伴う非常勤講師等の要求に対しても「新たな教職員の増員が必要とは考えにくい」と、文科省に対して厳しい姿勢を示した。
[12月1日]
◇コミュニティ・スクールで活性化
文部科学省は平成20年度の「コミュニティ・スクール推進フォーラム」を京都会場(11月18日)と東京会場(11月20日)で開いた。 東京会場(文科省内)では、佐藤春雄日本大学文理学部教授が「コミュニティ・スクールの実態と成果」と題する調査結果を発表。同スクールの実施校では、その成果として「地域が学校に協力的になった」とする学校が9割近くにも達したほか、多くの学校が「活性化に大いに役立っている」と回答した。
◇暴力行為が過去最高に
文部科学省は11月20日、児童生徒の暴力行為など問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(平成19年度)の結果を公表した。国公私立小・中・高校での暴力行為は、過去最高の約5万3000件だった。1000人当たりの発生件数では、香川県の10件、高知県の9件が多いのが目立った。
◇職員会議の位置づけを肯定
東京都教育委員会は11月13日、学校経営の適正化に関する校長・副校長からの状況把握の結果を公表した。それによれば、職員会議や企画調整会議の位置づけや運営に関する現行制度を肯定する意見が多数を占めた。また、企画調整会議や職員会議の活性化のため、主幹会議の定例化による事前の協議を行ったり、委員会を少なくして企画調整会議に重きを置くようにしたりするなどの工夫がされていた。
[11月27日]
◇公立中学校長の再任用進む
公立中学校長の再任用を行う自治体が33県6市に上ることが、全日本中学校長会(壺内明会長)がこのほどまとめた平成20年度の「中学校教育に関する調査」の結果で明らかにされた。 再任用はフルタイムの教諭として配置されることが多かった。
◇保・幼・小連携事例集の作成へ
文部科学省の「保育所・幼稚園・小学校の連携の推進に関する調査研究協力者会議」の初会合がこのほど開かれ、保・幼・小の連携事例集作成についての検討がスタートした。連携事例としては、山口県、栃木県などの事例が取り上げられた。山口県では、幼保小の一貫した指導の推進に資する人材を育成するのを目的に、小学校教員を1年間、幼稚園に派遣し、期間中2週間の保育所での研修などを含む「幼児教育長期研修」を実施している。
◇韓国高校生は日常で英語使用
Benesse教育研究開発センターはこのほど、「韓国の高校生は、どのように英語を学んでいるのか」とする2次調査報告書をまとめた。06年度に日本と韓国両国の高校生を対象に実施した英語調査で、韓国が好結果を収めた要因を探るために、08年3月にソウルで現地調査を実施したもので、韓国の高校生は、(1)日常での英語使用経験率が高い(2)リーディング、リスニングのスコアが高い――などが明らかにされた。
[11月24日]
◇公立中学に通わせたい保護者は8割
小学校6年生の保護者の9割は、小学校入学時に「今の小学校に通わせるのが当然だと思っていた」。 しかし、中学校進学時に「学区の公立中学校に通わせたいと思っている」保護者は8割にとどまっていることが、全国教育研究所連盟の「公教育の水準向上に資する競争原理の導入の在り方」と題する報告書の中で明らかにされた。
◇ネットいじめの教師向け対応集
文部科学省は11月12日、「ネット上のいじめに関する対応マニュアル・事例集」をまとめた。学校・教員向けの同マニュアルは、掲示板やブログなどでのいじめとメールによるいじめの違いなどの知識編、掲示板などへの誹謗・中傷に対して削除依頼の具体的な方法やチェーンメールに関する対応などの対応編、事例編に分けて解説されている。
◇学ぶ子どもは学ぶ教師から
学ぶ子どもは、学ぶ教師から生まれる――。大阪教育大学の木原俊行教授は11月6日、仙台市で開かれた全国教育研究所連盟全国研究集会で「教師による実践研究の可能性と課題―校内研修を中心に」と題して記念講演を行い、教師の校内における授業研究の重要性を強調した。
[11月20日]
◇趣旨に反する学力調査結果公表は問題
文部科学省の全国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議は11月10日の会合で、全国連合小学校長会、全日本中学校長会などの教育団体からヒアリングした。 全連小と全日中は、今後も調査の実施に協力する考えを示した上で、「少人数指導などの学習形態の役割や教師の働きかけと平均正答率との関係が、分析結果の中で明確化されていない」(全連小)、「中3の結果が2学期に返されても、十分にその結果を生かすことが難しく、返却時期を再検討すべきだ。調査の趣旨に反して公表しようとする自治体があるのは問題だ」(全日中)などと意見を述べた。
◇各学校は「ESD」の実践を
中教審委員の田村哲夫(学)渋谷教育学園理事長は11月7日、福島県郡山市内で開かれた文部科学省主催の「教育改革セミナーin郡山」で講演し、「これからの教育のキーワードは、『持続可能な社会のための教育(ESD)』。これが新しい学習指導要領に入ったのは、画期的なこと。ぜひ各学校で研究開発をしてほしい」などと強調した。
◇学校に太陽光発電を
政府は11月11日、「太陽光発電の導入拡大のためのアクションプラン」を発表した。太陽光発電導入の拡大は、今年7月に「低炭素社会づくり行動計画」が閣議決定されたことなどを踏まえたもので、文科、経産、環境、国交の4省が連携し、プランをとりまとめた。このうち文科省では、太陽光発電及び蓄電池の技術開発の推進、小・中・高校・大学など、学校施設への太陽光発電の導入拡大に取り組む。学校施設で太陽光発電を導入する際、企業が資金協力をすると、温暖化ガス排出枠を取得できることも盛り込まれた。
[11月13日]
◇都教委がOJTでガイドライン
東京都教育委員会はこのほど、学校でのOJTの実践ガイドラインをまとめた。 東京都など都市部を中心に、多くの若い教員が学校現場に配置され、その資質向上が課題となっているが、ガイドラインでは、「OJTは、意図的・計画的・継続的に実施して初めて人材育成となる」と説明。OJTを学校経営方針に明記して教員への周知を図ったり、人事評価制度の自己申告面接を活用したり、OJTの責任者を決めるなど、計画的な実施の仕組みづくりを紹介している。
◇免許更新講習で成果発表会
文部科学省は10月28日、大学関係者を対象に、免許状更新講習プログラム開発委託事業の成果報告会を省内で開いた。同省のまとめによると、この事業での必修領域の講習開設数は165講習で、受講者数は1万2399人だった。実施は82%が講義形式で、18%が講義に演習や実習を組み合わせたものだった。
◇「東京ミニマム」を公表
東京都教育委員会は10月23日、児童生徒のつまずきを防ぐための指導基準「東京ミニマム」を公表した。経験の少ない初任の教員の授業づくりにも生かされる。主な内容は、国語と算数・数学についての指導の基本的な考え方や学習指導要領との関係と段階的な指導のほか、指導基準の活用など。
[11月10日]
◇中学校理科の充実で地域拠点設置を
(独)科学技術振興機構(JST、北澤宏一理事長)は10月30日、「中学校理科教育を充実し、科学技術創造立国の確固たる基盤を」と題する報告書をまとめた。 現在の理科教育の現状を改善するため、理科教育の地域拠点(コアスクール)を設置するほか、科学フェスティバルやコンテストの推進、地域・社会の理科教育資源の活用など、新味ある内容を盛り込んでいる。
◇新指導要領実施に向け校長の真価
全日本中学校長会は10月30、31の両日、第59回研究協議会宮崎大会を開催。会長の壷内壷内明東京都港区立御成門中学校長は「来年度からの新学習指導要領の移行措置が円滑に行われ、平成24年度からの新教育課程の全面実施に向けて、まさに校長としての真価が問われる重要な年と考えている。私たち校長は、今年度中に新学習指導要領の趣旨を教職員はもちろん、保護者や地域の方々に周知徹底し、理解と協力を図る必要がある」などとあいさつした。
◇解消されるかICTの地域間格差
小・中学校の新しい学習指導要領で「教育の情報化」が強く打ち出されたにもかかわらず、地方自治体の「財政難」が大きな原因で、学校における「ICT環境の整備」に地域間格差が生じている。今年8月には、自民党の情報化教育促進議員連盟が結成され、教育情報化予算の充実とともに、この自治体間の格差解消に乗り出すことになった。
[11月6日]
◇中高一貫校54校増で334校に
高校教育改革の目玉とされた中高一貫教育校の設置校が平成19年度と比べて54校も増え、今年4月現在で334校に達していることが、文部科学省が10月27日に発表した「高校教育の改革に関する推進状況」の結果で明らかにされた。 また、総合学科の設置校は前年度と比べ12校増えて334校に、単位制高校は50校増えて857校(全都道府県設置)になった。
◇学校保健安全法踏まえ学校安全を
文部科学省は10月24日、省内の講堂で「学校・家庭・地域の連携による子どもの安全確保」をテーマに、平成20年度の「学校安全推進フォーラム」(警察庁後援)を開いた。参加者は、小・中・高校などの教職員、都道府県・市町村教育委員会の学校安全担当者、保護者や学校安全指導者など約500人。来年4月から施行される「学校保健安全法」に基づき、各学校が徹底した安全・安心体制をとることの重要性が指摘された。
◇地デジ化に向け自治体補助へ
文部科学省は、平成23年7月のアナログ放送終了までに、全国の公立小・中・高校などに設置されているテレビをデジタル化するため、来年度から地上デジタルテレビの整備に係る補助事業に着手する。概算要求額は75億円で、地方公共団体に対し、必要な経費を半額補助するとともに、地方財政措置を行う。平成20年2月現在、学校に設置されているテレビは、小・中・高校などを合わせて約62万台であるが、デジタル化率はわずか約1%にすぎない。
[11月3日]
◇中学校を選択する時代に
東京23区を中心に“中学校を選択する時代”が到来したことを裏づける調査結果が、Benesse教育研究開発センターが10月23日に発表した調査で明らかにされた。 88年調査と今回の07年調査、東京と全国の比較を通して「中学校選択」に対する保護者の意識を浮き彫りにしている。その結果「中学受験をさせる予定」の保護者は、全国平均で13.2%、東京23区では36.9%と約3倍に達しているほか、子どもに中学受験をさせる場合もさせない場合も、中学校を選択する際は、選択肢を多くしていることなどがわかった。
◇子どもの自殺予防で教師向けに素案
文部科学省の「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」は10月22日、第4回会議を開いた。会議では、ワーキングチームが作成した教師向けの「子どものための自殺予防」(仮題)の素案が示された。素案には、子どもの自殺の実態や、子どもが発する自殺のサインと教師の対応の仕方、学校全体での取り組み方や家庭や医療機関などとの連携の仕方、対応事例などが述べられている。
◇全国7カ所で教育改革セミナー
政府が今年7月に閣議決定した「教育振興基本計画」の趣旨を幅広く国民に理解してもらおうと、文科省は、平成20年度の教育改革セミナーを中国・四国(岡山市、10月16日)を皮切りに、関東(東京都、10月22日)、中部(名古屋市、10月30日)の各ブロックで実施した。引き続き近畿(大阪市、11月5日)、東北(郡山市、11月7日)、北海道(札幌市、11月18日)、九州(福岡市、11月27日)の各ブロックで行われる。セミナーでは、中教審委員から「教育振興基本計画」の審議で、肝心の数値目標が入らなかった経緯などの説明があり、注目された。
[10月30日]
◇非常勤講師の増員要求にノー
政府の「行政支出総点検会議」は10月16日、首相官邸で第4回会合を開き、ワーキングチーム(WT)が各省庁から行ったヒアリングの中間報告をした。 第3WTは、文科省管轄では学習指導要領の改訂に伴う授業時数増への対応として、非常勤講師1万人の増員要求に対し、「現在の体制で行うべきだ」と提言した。また、科学技術広報財団に対して運営の効率化や、全額国庫負担で実施している各種モデル事業の見直しなどを求めた。
◇指導不適切教員371人を認定
全国の公立小・中・高校などで指導が不適切な教員と認定されたのは、371人いたことが文部科学省が10月17日に発表した「公立学校教職員の人事行政の状況調査」で明らかにされた。また、条件付き採用期間を経たにもかかわらず、正式採用にならなかった教員は301人、希望降任制度により降任した教員は106人に達していたことがわかった。
◇学校耐震化の加速で文科相が「お願い」
塩谷立文科相は10月17日付で、都道府県教委、都道府県知事部局、市町村教委に、「緊急総合対策を踏まえた学校耐震化加速に関するお願い」と題して学校耐震化の加速を要請した。10月16日に、平成20年度補正予算が国会で成立。学校施設の耐震化を加速させる取り組みを支援するために、必要な予算が盛り込まれたのを受けて発出したもの。
[10月23日]
◇「有徳の人」の育成を
静岡県教委の理想の学校教育具現化委員会は、昨年12月から県としての理想の学校教育の在り方について審議してきたが、このほど「理想の学校教育の実現を目指して」と題する報告書をまとめ、10月27日に石川嘉延知事に提出する。 報告書では、教育の目的として「『有徳の人』の育成」を掲げ、「自らの資質・能力を伸長し、個人として自立した人」「国家、社会の一員として、よりよい社会づくりに参画する人」の育成を打ち出している。この考え方に基づき、「目指すべき学校教育」として、一人ひとりの子どもたちが様々なかかわりの中で、「個性」と「社会性」を身につけることの重要性を強調している。
◇日本の教育水準は低下
博報堂生活総合研究所が10月7日に発表した「生活定点2008」の調査結果によると、10年前、「日本の高い教育水準を誇れる」と考えていた生活者は4割近くにも達していたが、現在は、過去最低の約2割に半減した。また「子どもには塾・家庭教師をつけて勉強させた方がいい」は、15%から20%と上昇、日本の教育水準への自信喪失が女性をますます教育ママへと変貌させていると分析した。
◇来夏までに教職調整額見直しなど提言
中教審初等中等教育分科会は10月15日、第62回会合を開き、教職調整額の見直しについて話し合い、「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会」を設置することを決めた。作業部会では、勤務時間管理の在り方などを包括的に検討し、その検討結果をもとに初中分科会で審議し、来年夏までに提言を行う。
[10月20日]
◇「学習意欲」を脳科学の視点で
独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発センターは10月4日、領域架橋型シンポジウム「学習意欲をどうやって育むか」を東京・文京区の東京大学武田先端知ビルで開いた。 情動と学習に関する講演の中で、知的な活動を行う脳の部分は、感情を司る脳内部の部分に影響を強く受けていることが報告されるなど、脳科学の視点から、子どもの知的な側面とともに、感情や情緒の教育も重要であると指摘された。
◇多忙で更新講習の受講が負担に
中教審初等中等教育分科会教員養成部会は10月6日の会合で、今夏に教員免許更新講習試行(予備講習)事業を実施した国立大学法人鹿児島大学、独立行政法人国立青少年教育振興機構などから実践報告を受けた。この中で、開設講座数が最も多かった鹿児島大学では、へき地・離島といった環境に対応した講座を開設。事務の効率化が進められた。講座全般にわたって、参加者からは好評だったものの、事後アンケートでは、多忙さから受講が負担になることや評価テストを講義直後に実施することへの不満が寄せられた。
◇若手や中学校では教員評価強く望む
油布佐和子早稲田大学教育・総合科学学術院教職研究科教授は9月20日に上越教育大学で開かれた日本教育社会学会第60回大会で、教員政策に対する教師の意識調査の結果を発表した。この中で、子どもたちのあらゆる側面にかかわり、教育に携わる中で、自らの仕事の遂行ぶりを的確に評価してほしいと考えている教員層があることがわかった。この傾向は、若手教員や中学校教員に強くみられ、「際限のない仕事の曖昧さに耐えきれない教員が、明示化された指標を求めている」などと分析している。
[10月16日]
◇早寝早起き朝ごはんで企業が貢献
文部科学省は10月7日、同省の主導で進めている「早寝早起き朝ごはん」運動の事例発表会を東京都内で開いた。 この運動は当初、学校を舞台に地域社会・家庭、行政を巻き込んだ形での広がりが期待されていたが、発表会では、社会貢献活動の一環として参加する企業・団体が「食育支援」などの形で積極的に貢献している報告があり、この運動に対する企業の役割が大きいことが明らかにされた。
◇週1の実験は6割程度
科学技術振興機構と国立教育政策研究所は今年7月、公立中学校の理科教員を対象に理科の教育環境や研修の状況などに関する全国的なアンケート調査を共同で実施した。その結果、「生徒による観察や実験を週1回以上実施している」との回答は約6〜7割である一方、「準備や片づけの時間の不足や設備備品の不足が観察や実験を行う上での障害になっている」との回答も同程度あった。
◇文科・環境省が協力し放課後環境教育
文部科学省はさきごろ、環境省が実施している「21世紀子ども放課後環境教育プロジェクト」を、文科省が実施している「放課後子ども教室推進事業」に活用すると、各都道府県などの放課後子ども教室の担当部課長に通知した。
[10月9日]
◇子どものネット被害に親の要因も
ケータイ・インターネット利用の普及で、ネットいじめや犯罪に巻き込まれる子どもたちが絶えないが、ネット問題研究の第一人者である下田博次群馬大学特認教授は、9月30日に都内で開かれた子どもたちのインターネット利用について考える研究会主催のシンポジウムで、「ペアレンタル・コントロールの重要性」と題して基調講演。 「子どもたちのケータイ・インターネット利用で、いじめや犯罪に巻き込まれる第一の責任は企業にあるが、親が管理・指導できないことも原因で、今後、市民組織などの支援が欠かせない」などと述べた。
◇話し合う授業で役割参加度向上
学習指導方法が学級内の仲間集団に及ぼす影響について、水野孝広島大学大学院教育学研究科研究員が9月20日に新潟県上越市の上越教育大学で開かれた日本教育社会学会第60回大会で発表した。この中で、「学級全員で話し合う授業」を行うほど、学級風土(役割への参加度、授業の順調度、規律の遵守度)が高まっていくことがわかった。また、「先生が子どもによく説明し、よく発表する授業」を行うほど授業の順調度が、「グループで話し合う授業」を行うほど「役割への参加度」が、それぞれ高まったことが報告された。
◇ネット利用で保護者向け教材を開発
子どもたちのインターネット利用について考える研究会と同研究会の事務局を務めるネットスター株式会社とヤフー株式会社は9月30日、中・高校生のいる保護者を対象にしたインターネット教材を開発・公開した。同日開設した研究会サイト(http://www.c hild-safenet.jp/)を通して無償で提供される。
[10月6日]
◇学校給食の安全確保を
文科省は9月24日、同月22日に開かれた政府の消費者安全情報総括官会議で「事故米穀の不正規流通事案に関する対応策緊急取りまとめ」が公表されたことを受け、各都道府県・指定都市教委などに「学校給食における食品の安全確保」を送付した。 この中で「学校給食で使用する食材の安全確保に一層努めるとともに、事故米穀及びその加工食品の使用が判明した場合には、その回収の要請に協力するなど、学校給食における安全管理のさらなる徹底に努めてほしい」とした。
◇質の高い教育の実現を
麻生太郎首相は9月29日、第170回臨時国会で所信表明演説を行い、「暮らしの安心」の中で、保護者が納得する質の高い教育の実現や、保育所の不足の解消などについて述べた。学校教育に関しては「学校への信頼が揺らいでいる。教育に不安が生じている。子どもを通わせる学校を信頼できるようにしなければならない。保護者が納得するに足る、質の高い教育を実現する」と述べ、教育への信頼回復を実現するとした。
◇地域に役立つ発明家になろう
東京ボランティア・市民活動センターと日本GEが今年5月から3カ月間にわたって実施した第6回「地域に役立つ発明家になろう!」プロジェクトで、東京都小平市立小平第四小学校、福岡県春日野市立春日野小学校など6グループが優秀賞に選ばれ、表彰された。日本GEと市民活動センターが総合的な学習の時間を支援することでスタート。子どもたちが町を歩いて探し出した「地域社会の課題」を検討し、それを解決する「発明」をチームで話し合って考え出す取り組みだ。6年目の今年は“エコ”を実現する発明が特に多く見られた。
[10月2日]
◇新文科相に塩谷立氏
自民党の麻生太郎総裁は9月24日に招集された臨時国会で第92代の首相に指名された。 麻生首相は同日、ただちに組閣を行い、文部科学相に塩谷立前内閣官房副長官を起用した。塩谷氏の入閣は初めて。文部科学省内で開いた就任記者会見では、大分県の教員採用問題と事故米の問題の対応を喫緊の課題にあげた。
◇学校だけでは解決困難な保護者問題326件
東京都教育委員会は9月18日、今年6月に設置した「公立学校における学校問題検討委員会」が実施した実態調査の結果をまとめた。保護者や地域住民などの多様化により、学校に対し一部に理不尽な要望がある中で、その内容把握と今後の施策の方向性を探るため、幼・小・中・高校などを対象に実施したもの。それによれば、昨年度1年間に学校・園だけでは解決困難なケースは10校に1校弱に上る234校・園で、326件発生していた。この中には、担任がいじめの加害者を指導したところ、保護者から恐喝や脅しなどの言動を受けた事例もあった。
◇学校配置で市区町村教育長に意識調査
葉養正明国立教育政策研究所教育政策・評価研究部長は9月20日、「少子高齢化社会における小中学校配置に関する市区町村教育長意識調査」(経過報告)について、新潟県上越市の上越教育大学で開かれた日本教育社会学会第60回大会で発表した。調査結果からは、小・中学校ともに「現在の学校規模の標準が適正」の回答が最も多かった。葉養部長は「就学義務や就学保障の構図から教育義務や教育保障への考え方の転換を含め、少子高齢化社会の小・中学校システムのビジョンづくりは喫緊の課題として取り組むべき」などと説明した。
[9月29日]
◇時間外手当が有効な方策として検討課題に
教員の時間外勤務手当の代わりに給料月額の4%を一律支給する教職調整額制度の見直しを検討していた文部科学省の「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」は9月8日、「審議のまとめ」を公表した。 見直しの基本的な考え方として、「適切な勤務時間管理、時間外勤務の抑制、適切な時間外勤務の評価につながる制度とする必要がある」とし、「教職調整額制度に代えて、時間外勤務手当制度を導入することは1つの有効な方策。今後の学校の在り方などの検討を踏まえ、時間外勤務手当とすることも含め、見直し方策について今後さらに検討を進める必要がある」との見解を示した。
◇大阪府教委が「教育力」向上で素案
大阪府教育委員会は9月12日、「『大阪の教育力』向上プラン〜公立学校教育への信頼の確立に向けて〜」と題する「素案」をまとめた。この中で、全国との差が大きく、“極めて深刻な状況にある”小・中学校の学力向上方策として、今後5年間で、(1)「全国学力・学習状況調査」の各教科・区分の全国平均正答率を上回ることを目指す(2)家庭学習の定着率を全国平均の82%以上にする――ことを目標に、授業力の向上、個に応じた指導の徹底、自学自習力の育成、放課後学習の推進、家庭学習習慣の定着などを打ち出している
◇学校安全の担い手は養護教諭
事件・事故や自然災害などから子どもの安全を守るため、学校における危機管理の重要性が指摘されているが、日本安全教育学会特別研究班は9月13日、玉川大学で開かれた同学会の第9回大会で、「学校安全活動に果たす養護教諭の役割」と題する意識調査の結果を発表した。大多数の養護教諭は、職務として救急体制の整備、学校行事前の安全指導、災害・緊急時の心のケアなどの重要性を認識して実践しているものの、交通事故、学校内外での事件・事故などを防止する研修を受けていない養護教諭も2割強おり、研修機会の充実が求められた。
[9月22日]
◇「大学教育の在り方」を諮問
中央教育審議会は9月11日、総会を開き、鈴木恒夫文部科学大臣が中長期的な大学教育の在り方について諮問した。 諮問の内容は、(1)社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度及びその教育の在り方(2)グローバル化の進展の中での大学教育の在り方(3)人口減少期における我が国の大学の全体像――の3項目。国際化に対応した大学教育の質保証や人口減少期における各大学の得意分野への取り組み強化の支援について審議が進められる。多岐にわたる諮問内容のため、意見がまとまり次第、逐次、報告される。
◇日本の教員給与最高給はOECDで4位
OECDは9月9日、08年版OECD「国際教育比較指標」を発表した。日本の教員給与のうち、初等教育と前期中等教育での初任給は、OECD各国平均を下回る一方、最高給与額は日本がOECD加盟国中4位だった。昇給の状況については、オーストラリアなどでは、勤続5〜9年で最高給与に達するのに対して、日本や韓国では最高給与を得るために30年以上の勤務経験を必要とする。日本の初等中等教育段階における教員の法定勤務時間の合計は1952時間で、OECD各国平均である初等中等教育1662時間、前期中等教育1651時間、後期中等教育1654時間をそれぞれ大きく上回った。
◇61県市が教員採用で改善
文科省は9月9日付で「教員採用の在り方等に関する点検状況のとりまとめの送付」について、各都道府県・指定都市教育委員会に通知した。通知は、8月29日時点での「教員採用等に関する点検状況」の調査結果を各教委に送付するとともに、教員採用などについて一層の改善検討を進めるもの。同省のまとめでは、64県市のうち61県市が「すでに改善した」と回答、「各段階における不正防止チェック」「試験問題・解答・配点の公表」「採用選考基準の公表」などの取り組みが進められていた。同省では、今後も採用選考試験のより一層の改善検討を各教委に促すとともに必要な指導を行う方針。
[9月18日]
◇英語教育改革総合プランを推進
文部科学省は来年度の概算要求に、小学校外国語活動の導入のための教材整備などを進める英語教育改革総合プランを盛り込んだ。 要求額は16億9596万円。この中で、平成22年度から使用される英語ノートなどの教材整備をはじめ、小学校英語の早期必修化や授業時数の増加などを検討するためのデータ収集を目的とした開発学校での実践研究事業も行われる。
◇小学校非常勤講師「後補充」で
文部科学省がこのほど提出した平成21年度の概算要求では、小・中学校学習指導要領の移行期間中の先行実施で、授業時数増に対応するための非常勤講師を1万1500人措置することとしたが、小学校では、学級担任が算数や理科の授業を受け持ち、「後補充」で非常勤講師の配置を想定していることがわかった。ただ、小規模校では非常勤講師が担当することも予想している。
◇学校での転落事故防止で留意点
文部科学省は8月29日、「学校における転落事故防止の留意点」をまとめた。この中で、人が乗ることを想定していない天窓ついては「転落の危険性を児童生徒に十分理解させ、危険な行動を取らないように指導するとともに、思いもよらない子どもの行動とその事故に対処するために、施設の安全対策とともに児童生徒への継続的な安全指導が必要だ」としている。
[9月15日]
◇「非常勤講師」配置に反対の声も
文科省は小・中学校の新学習指導要領の移行期間中の先行実施で授業時数増に対応するため、平成21年度の概算要求で「非常勤講師」を1万1500人配置するとした。 担当課では「本来、標準法を改正し、常勤の教員を増やすべきだが、行革推進法により平成22年度まで教員の純増ができないため、非常勤として措置するように要求した」としている。この計画を教育関係者はどう受け止めているか、教育新聞では、小・中学校の校長会、教職員組合、中教審委員にコメントを求めた。「混乱を来さないものになっている」(全連小)、「有効活用する学校体制を」(角田元良中教審委員)と一定の評価がある一方、「専任の教員増が最優先」(全日中)、「非常勤では現場の負担が大きい」(渡久山長輝中教審委員)、「教職員はあくまでも正規雇用を」(全日教連)、「30人以下学級で定員確保を」(日教組)と反対する意見もあった。
◇公教育は広い意味での福祉
中教審の山崎正和会長は8月22日、日本連合教育会の創立60周年記念・第60回研究大会で「公教育の基本的方向」と題して記念講演し、そのあり方が問われている公教育は、「広い意味での福祉だ」と指摘するとともに、「親が子どもの教育に携わる」ような、社会教育の機能の復活を示唆した。
◇いじめは犯罪だ
いじめを許さない教師の会の全国大会が8月23日、さいたま市の埼玉会館で開かれ、北海道から福岡に至る教育関係者120人が集まった。フロアを交えたパネルディスカッションでは、いじめ問題をめぐり活発な議論が交わされ、日々の授業実践とともに、いじめ防止条例や法制化を視野に入れた活動展開を確認した。大会では、新たに大阪、高知、青森の3府県が支部に加わり、全国7支部へと教師間のネットワークが広がりをみせている。
[9月11日]
◇教員免許更新制予備講習事例を発表
文部科学省は8月29日、教員免許更新講習の試行(予備講習)事例発表会(東京会場)を東京都千代田区の学術総合センターで開いた。 予備講習を今夏実施した信州大学など4大学が講習実施状況を説明した。信州大学では、専門学部の講座への関心が高く、多様な学校種の教員対象に講座内容を組み立てることの必要性が指摘された。ただ、質疑では、参加した大学関係者から、更新講習管理システムの準備に時間がないことへの不安を訴える声もあった。
◇理数の補助教材配布へ
政府は8月29日、総合経済対策を決定した。このうち、理数教育の授業内容充実の21年度前倒し実施を踏まえた小・中学校の補助教材の無償配布が盛り込まれた。新学習指導要領の移行措置期間に使用する教科書を補完するもの。文部科学省が8月末に提出した21年度概算要求では、21年度に印刷と各学校への送付を予定していたが、補正予算が決まれば20年度中に各学校に教材が配布されることになる。
◇「旅育」の出前授業受付開始
日本ツーリズム産業団体連合会はこのほど、今年度の「旅育」の出前授業の申し込み受け付けをホームページ上で開始した。「旅育」とは、小・中学生に対する啓発事業として、総合的な学習の時間や社会科の授業に、同連合会から講師を派遣、旅の意義・楽しさ、旅の効用、ツーリズム産業の重要性を通じて、国際理解、環境、職業観について授業の手伝いをするとともに、ツーリズム産業への認知度を向上させるのが目的。
[9月8日]
◇文科省が概算要求
平成21年度予算の概算要求で、文科省の一般会計の要求額は5兆9500億円、前年度当初予算に比べ12.8%、6700億円増。 改正教育基本法に基づき、今後10年間の教育施策の目指すべき姿を示した教育振興基本計画が策定されて初めての予算要求で、これに沿った形で要求が出された。初等中等教育関係では、新規に(1)小・中学校での新学習指導要領の先行実施のため1万1500人の非常勤講師の配置(2)算数・数学、理科の補助教材の配布(3)道徳教材の読み物資料の購入のため国庫補助制度の創設――などを盛り込んだ。
◇ICT活用指導力は愛媛、茨城がトップ
文科省はこのほど「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(速報値)」を公表した。このうち、今年3月現在の教員のICT活用指導力については、文科省のICT活用指導力チェックリスト5項目で「わりにできる」または「ややできる」と回答した教員の割合がまとめられた。全国の公立学校の「授業中にICTを活用して指導する能力」の平均値は55.2%で、「IT新改革戦略」の達成目標概ね100%を大きく下回った。この項目の都道府県別上位3府県は小学校が愛媛、京都、茨城、中学校が茨城、愛媛、沖縄だった。
◇昨年度独自に学力調査は46教委
文科省はこのほど、「都道府県・指定都市による独自の小学校・中学校学力調査(平成19年度調査)」をまとめた。それによると、学力調査を実施した教委数は31都道府県・15指定都市の計46教委(平成18年度調査は52教委)だった。
[9月1日]
◇第2回全国学力・学習状況調査結果を公表
文部科学省は8月29日、第2回全国学力・学習状況調査の結果を公表した。 それによれば、知識・技能の定着に一部課題、活用する力に課題があることがわかった。小学校では、国語の知識(A)問題で同音異義の漢字やグラフを用いた問題、活用(B)問題で物語の内容整理や資料を用いた問題、算数の知識問題では面積や百分率、活用問題で割合やグラフを用いた問題で課題があった。中学校では、国語の知識問題で説明文の読み取り、活用問題で文章の内容整理、資料をもとに自分の考えを記述、数学の知識問題で文字式の読み取り、比例などのグラフの理解、活用問題で資料の情報整理などに課題があった。
◇コミュニティ・スクールでヒアリング
中教審初中教育分科会「小・中学校の設置・運営の在り方等に関する作業部会」の第5回会合が8月21日、都内で開かれ、有識者・地方自治体からのヒアリングが行われた。佐藤晴雄日本大学教授がコミュニティ・スクールの実態と成果に関する調査結果を報告。全国の指定校185校の校長からの回答では、「地域に情報提供を積極的に行うようになった」が96%、「地域が協力的になった」が87%、「学校が活性化した」が82%だったが、「適切な教員人事がなされた」は31%にとどまった。
◇中学校の6割以上に学校裏サイト
川崎市教育委員会の調査で、「学校裏サイト」が域内の6割を超す33中学校で確認された。調査は、5月中旬から6月中旬にかけて、学校管理職または児童・生徒指導担当者を対象にアンケートしたもの。昨年度以降の状況について尋ねた。それによると、「学校裏サイト」は、市立小学校115校中、約6%に当たる7校、市立中学校51校中、約65%に当たる33校、市立高校10校中、40%に当たる4校で確認された。個人への誹謗中傷などトラブルに発展する恐れのある悪質な書き込みは、小学校で4校、中学校で29校、高校で4校確認された。
[8月28日]
◇話したり聞いたりする授業で学力
文部科学省の「全国学力・学習状況調査の分析・活用に関する専門家検討会議」(座長・梶田叡一兵庫教育大学学長)は8月8日、「昨年度全国学力・学習状況調査追加分析結果」をまとめた。 それによると、「目的や相手に応じて話したり聞いたりする授業」「書く習慣をつける授業」「様々な文章を読む習慣をつける授業」などの実施により、高学力層が増加し、低学力層が減少したことがわかった。また、学力向上の取り組みや学校運営など学校の全体像が俯瞰できる「全国学力・学習状況調査結果チャート」の活用が提案された。
◇新学習指導要領の先行で学力向上
学力向上のための「授業改善」が全国に広がりをみせる中で、授業改善を加速させ、新学習指導要領の先行実施に対応した取り組みが和歌山市内の小学校で実施されている。資料の提示など、クラス全体への指示に時間をかけず、児童が意欲的に個別学習に取り組むようになるなど、タブレットPCとデジタルノートソフトの活用で、指導に使える授業時間が大幅に増えたという。また、知識の活用や探究の学習場面では、全児童が同時に資料に書き込み、考えが共有できるなど、統計資料を活用した考える授業が実践されている。
◇SSH生徒が研究発表会
高校生の科学に対する興味・関心を喚起する今年度の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)生徒研究発表会」が8月7、8の両日、横浜市のパシフィコ横浜で実施された。2日目の分科会代表校による研究発表では、茨城県立水戸第二高校が円形の薄型培養器に広げた寒天ゲルに銅金属片を落とし、金属結晶が成長する金属葉の観察と考察をした。ゲル上に金属片を多数置いて、銅金属葉を複数成長させると、反発作用で等間隔に隙間ができた。また、その隙間は、隣り合う金属片同士を結んだ垂直二等分線になることがわかった。
[8月25日]
◇子どもの徳育懇が初会合
文部科学省は「子どもの徳育に関する懇談会」を8月7日に設置し、第1回会合を13日、省内で開いた。 道徳教育の充実については、中教審答申(1月17日)で、「家庭・学校・地域社会が一体となって、社会全体で推進するための方策を検討する必要がある」と提言。教育再生会議の最終報告(1月31日)でも、徳育を「新たな枠組み」として教科化することや、社会総がかりで心身ともに健やかな徳のある人間の育成を提言していた。懇談会は、これらの提言を受けて設置したもので、家庭・学校・地域社会における子どもの心の発達の支援と徳育の充実のための方策について調査研究する。
◇ICTでわかる授業
文部科学省の「教員のICT活用指導力のチェックリスト」をもとにした研修が徳島県、三重県などの研究グループで進められていることが、8月7日に松下教育研究財団が都内で開いた実践研究助成の成果報告会で発表された。これらの研究では、教員がICTを活用して“わかる授業”を行うためには、自ら機器の操作などの基本的なスキルを向上させること、次の段階として、教員の多くが授業のイメージを持つことが重要と報告された。
◇言葉の遅い幼児「笑わせる」ことで効果
幼・保育園で増えている言葉の出るのが大変遅い子や少ない子に対して、笑わせて情緒の発達を促す方法(全人格発達方法)を行うことで効果があり、LDやADHD、自閉症と言葉の発達との間に連続性があることが、このほど、金子保さいたま市教育相談センター所長による研究で分かった。
[8月14日]
◇“厚い教科書”求め提言
小学校の国語と算数を対象に、現行教科書における改善・充実が望まれる点やその方向性・方策について検討していた文部科学省の専門家会議はこのほど、その検討結果を「教科書の改善・充実に関する研究報告書」としてまとめた。 検討は、平成18年度から19年度にかけて、同省の委嘱事業(委嘱先・みずほ総合研究所梶jとして実施されたもの。この中で、国語では、朗読・暗唱教材の開発、読書量確保のための文章数・量の増加など、算数では、練習問題の増加、文章記述の重視など、現行よりも“厚い教科書”を求める提言をしている。同省では、この提言内容を教科書各社に通知する。
◇1人1台のパソコンで実証実験
小・中学校の授業におけるICT教育の普及を目指すインテルと内田洋行は8月7日、この9月から千葉県柏市の小学校2校の児童に1人1台のパソコンを提供し、国語と算数の反復学習をしてもらい、その有効性を明らかにする学習効果の実証実験をすると発表した。実験では、児童が漢字の書き取りや計算問題をタッチパネルから直接書き込むことによって反復練習を行う。
◇パイロット版「道徳教科書」発行へ
道徳の正式教科化に向けた『パイロット版:道徳教科書』を作成・普及し、国民道徳の回復をめざす「道徳教育をすすめる有識者の会」は8月4日、東京都内のホテルで世話人の出席のもと、発足の記者会見を行い、事業計画などを発表した。当面は、平成22年秋をめどに中学生版の「教科書」を作成、新教育課程が本格実施される24年4月から中学校で「副読本」として利用してもらう考え。小学生版についても、視野に入れて準備を進めていくという。
[8月14日]
◇新文科相に鈴木恒夫氏
福田康夫首相は8月1日、政権発足後初の内閣改造を行い、文科相に鈴木恒夫氏を登用した。 鈴木氏は自民党麻生派。翌2日午前、宮中で新任閣僚の認証式が行われ、福田改造内閣が発足した。午後、初閣議のあと、鈴木新文科相は、文部科学省に初登庁し、省内で記者会見を開いて就任の所感を述べた。この中で「学力とともに人間力をあげる必要がある」と教育観を述べるとともに、大分県の教員採用汚職事件については「言語道断どころの話ではない」とし、教員採用の在り方を改革する意向を示した。また、家庭教育と幼児教育の重要性も指摘した。
◇問題を抱える子どもや若者を支援
いじめ、不登校、ニート、フリーターなど、自分の力や努力だけでは解決が困難な様々な問題を抱えて苦しんでいる子どもや若者を社会全体で支援し、希望をもって生きることのできる社会を実現しよう――と、内閣官房教育再生懇談会担当室長の下に設置された「子どもと若者総合支援勉強会」は7月16日に「総合的、一体的な支援策の確立」を求める中間報告をまとめた。当面は、来年度の概算要求に向けて、関係省庁が総合的、一体的な施策に取り組むよう求めていく考えだ。ただ、制度上の問題などに対しては、引き続き、今秋ごろまでに検討する。
◇ネットいじめでリーフレット
文部科学省は7月31日、「子どもを守り育てる体制づくりの有識者会議」が今年6月にまとめた「『ネット上のいじめ』から子どもたちを守るために―見直そう!ケータイ・ネットの利用のあり方を―」(第2次報告)の内容を要約したリーフレットを作成、全国の幼稚園、小・中・高校、中等教育学校、特別支援学校、各教育委員会、各PTAなどに配布した。
[8月7日]
◇教員採用19県市が選考基準公表せず
各都道府県・指定都市教育委員会(全64県市)に対して、教員の採用選考について点検するよう通知していた文部科学省は7月29日、各教委からの報告に基づいて「教員採用の在り方に関する点検結果」をまとめた。 それによると25日時点の状況で、調査項目のうち、筆記試験の配点や面接・実技試験の判定基準などの「採用選考基準の公表」について、基準のすべて、または一部を除いて公表していたのは45県市、19県市が公表していなかった。一方、今回の事件を契機に、12県市が採用基準の公表などについて「既に改善した」としていた。
◇ケータイの有害情報から子どもを守れ
政府の教育再生懇談会は7月28日、都内で会合を開き、「携帯電話の有害情報から子どもを守るための方策」について議論を交わした。特に、小・中学生の携帯電話の利用については、(1)必要がない限り小・中学生が携帯電話を持つことがないようにするための条件整備(2)機能を限定した携帯電話の開発・普及(3)携帯電話のフィルタリングの機能向上・普及(4)情報リテラシー教育の強化――の4点にわたって具体策が明らかにされた。
◇青少年育成の施策大綱見直す
青少年育成推進本部(本部長・福田康夫首相)は7月25日、首相官邸で第6回会合を開き、「青少年育成施策大綱」の見直しに向けて、その枠組みをとりまとめた。枠組みでは「青少年の立場を第一に考える」「社会的な自立を目指して、青少年の健やかな成長を支援する」「青少年一人ひとりの状況にふさわしい支援を、切れ目なく実施する」の3つの考え方を基本とした。
[8月4日]
◇沖縄県うるま市幼小中一貫校設置へ
株式会社旺文社は7月25日、沖縄県及び同県うるま市と共同で、基本的にすべての授業を英語で行う幼稚園、小学校、中学校一貫の新しい教育機関を設置することで合意し、仲井眞弘多沖縄県知事、知念恒男うるま市長、赤尾文夫社長との間で覚書に調印した。 旺文社グループが学校法人を新しく設立し、私立学校として運営する。開校は平成23年4月を予定。
◇都の教員採用・昇任で事前通知
東京都教育庁は、教員採用選考結果の事前通知について、都の実態を解明するため、教育庁次長を委員長とし、各部長を委員とする「東京都公立学校教員採用選考及び昇任選考に関する調査委員会」を設置。過去3カ年の選考に関して調査を実施した。教員の採用選考、昇任選考ともに事前通知があり、依頼者は都議会議員、国会議員であった。選考に不正はなかったが、事前通知の一切ない仕組みづくりに努めることを打ち出した。
◇エコスクールの推進を
文部科学省の学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議は7月23日、「環境に配慮した学校施設(エコスクール)の今後の推進方策について」(中間報告)をまとめた。今日的課題としては、▽子どもたちに我慢を強いることなく必要な学習環境水準を確保した上で、エネルギー消費状況を的確に把握し、エネルギー消費の無駄をなくしていく▽授業形態が多様化する中で、高機能で多機能な施設環境を確保した上で、学校施設におけるエネルギー消費量をできる限り増加させない▽学校施設を地域コミュニティの拠点として活用したり、多目的利用や複合化によるニーズに対応できる省エネルギー対策の検討▽触れて学べる教材として活用できる工夫などがあげられた。
[7月31日]
◇教員の変形労働時間制本格検討へ
文部科学省の「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」は7月24日、省内で第7回会議を開き、1年単位の変形労働時間制の導入で本格的な検討に入った。 検討会議では、この制度の導入に前向きの姿勢をみせているものの、各教育関係団体へのヒアリングでは、導入が「可能」とする団体と「困難」とする団体とに意見が二分されている。検討会議が今後、これらの意見を調整して、どのような方針を打ち出すか注目される。
◇学校全体で「言語力」を育成
文部科学省の「わかる授業実現のための教員の教科指導力向上プログラム事業」の委託を受けた横浜市教育委員会は、昨年度と今年度、教育センターが中心となり、国語科の研修プログラムの研究開発に取り組んでいる。新学習指導要領には、教育内容の改善事項として言語活動の充実が盛り込まれ、今後、学校教育全体の中で言語力の育成が図られる。同センターの同事業での研究は、若手・中堅教員の力量を向上させる体験型研修を充実させるとともに、受講者の組織化を進め、日々の指導に生かせる情報交流を図るもの。
◇地域内の「情報」を有効活用
NPO法人u-School推進コンソーシアム(伊平保夫会長、略称USEC)は7月8日、設立記念シンポジウム「教育の再生」を東京都内で開いた。USECは今年5月に設立された団体で、学校・地域・家庭の連携のもと、地域内の情報ネットワークを有効活用して、子どもから大人までの教育・生活インフラの構築を推進。主に、地域ソーシャルネットワーク整備事業と情報リテラシー教育啓発事業に取り組む。
[7月28日]
◇新幼稚園教育要領で説明会
文部科学省は7月16、17の両日、来年度から実施される新しい幼稚園教育要領に基づく幼稚園教育の説明会を、保護者向けと、指導主事並びに幼稚園長向けとに分けて省内で開いた。 これからの幼児教育は「遊びを大切にした教育」を基本に、「子育て支援」と「預かり保育」の両面と、幼稚園と保育所の両方を視野に入れた教育・保育が重要になるとの指摘があるなど、幼稚園教育の今後の方向性が示された。
◇大分県教委が是正策
教員採用選考試験で幹部職員などによる贈収賄事件を重視した大分県教育委員会は7月16日、「教育行政に対する県民の信頼を根底から失墜させるもので、県民の皆様に心からお詫びする」とした上で、「信頼される教育行政の構築に向けて」と題する4項目の是正策をまとめ、「組織をあげて取り組む決意である」とした。4項目は、1,事実関係の徹底的解明2,選考試験の抜本的な見直し3,不正な方法により、教員に採用された者と採用されなかった者及び校長・教頭に登用された者への対応4,公正・透明な教育委員会組織の再生――。
◇夏休み期間中に教員が民間企業研修
経済広報センターは、7月22日から8月29日までの夏休み期間中に、経済界と教育界との対話促進活動の一環として、「教員の民間企業研修」(原則3日間)を実施する。7月15日現在で、受け入れ企業数は109社、参加教員数783人が決定。いずれも過去最高だった。講義のテーマは、企業の人材育成・人事評価制度、危機管理体制、環境問題、教育支援活動など。体験型プログラムは、工場やお客様サービス部門などの職場見学、スーパーなどでの売り場実習、マナー研修、企業の役員・社員と参加教員との意見交換など。
[7月24日]
◇学校給食衛生管理基準を見直す
昨年末以降に発生した中国産冷凍ギョウザを原因とした健康被害をはじめ、冷凍加工食品から農薬が検出、さらに異臭が確認された事案が相次いで発生したことを重視した文部科学省は7月10日、学校給食における衛生管理、特に加工食品に関する衛生管理を一層充実させるため、学校給食衛生管理の基準を一部改訂し、各都道府県教委などに通知した。 改訂では(1)食品の選定・購入や検収の際の留意事項に、加工食品の観点からの事項を充実する(2)各学校における検食の確実な実施を図るとともに、食品危害情報の連絡体制を充実する――などを盛り込んでいる。
◇中学校新教育課程説明会を開く
文部科学省は7月14、15の両日、今年度中学校新教育課程説明会(中央説明会・東京ブロック)を都内で開いた。冒頭、金森越哉文部科学省初等中等教育局長があいさつ、中学校新学習指導要領のねらいなどを説明したあと、担当官が行政説明し、来年度から実施される移行措置の内容について、(1)学習指導要領の総則など直ちに先行実施するもの(2)数学・理科の新課程は教材整備の上で一部前倒して実施(3)数学・理科を除く各教科は学校判断で先行実施――の3点について説明した。
◇金森初中局長名で不正防止を通知
文部科学省は7月10日、各都道府県教委、各指定都市教委に対し、金森越哉初等中等教育局長名で「教員の採用等における不正な行為の防止について」通知した。全文は次の通り。
[7月17日]
◇「中学受験」の実態明らかに
Benesse教育研究開発センターはこのほど、昨年12月に全国の公立小学校の6年生とその保護者約1500人ずつを対象に実施した「中学校選択に関する調査」の結果を発表した。 この種の調査は国内初。公立以外の中学校を受験させる予定の保護者は13.2%、首都圏では19.8%(関西圏は19.1%)に達し、そのうちの60%が私立中学校を第一志望にしていた。中学校選択の機会は世帯の年収によって大きな差があり、中学受験予定が年収1000万円以上では32.4%なのに対し、年収400万円未満では6.8%にとどまっていた。
◇大分県の不正で文科相が発言
渡海紀三朗文科相は7月11日、閣議後の記者会見で、大分県の教員採用等における不正について発言した。渡海文科相は、不正が行われていたことについて「あってはならないこと。極めて遺憾だ」など不快感を顕わにした。さらに、今後の文科省の大分県に対する対応について「大分県が、人事に関して透明性を図ることが重要。取り組みが不十分なら指導もありうる」との考えを示した。
◇ICT活用で授業力アップ
NPO法人ブロードバンドスクール協会は6月28日、ICTを活用して児童生徒の確かな学力を育成する「第1回ICT活用授業力ゼミ」を東京都千代田区の秋葉原UDXで実施した。首都圏の教員が対象。ゼミでは、新学習指導要領の各教科に情報教育の要素が盛り込まれたことに対応し、普段の授業の中で気軽に利用でき、授業の質を高めるICT活用のコツを年間6回にわたり学ぶ。各回ともに、デモンストレーションや授業者の苦労話を交えながら、参加者が自分のスタイルに合わせて活用方法を身につけられるのが、このゼミのよさの1つだ。
[7月14日]
◇小・中学校の統廃合、本格検討へ
中央教育審議会初等中等教育分科会「小・中学校の設置・運営の在り方等に関する作業部会」の初会合が7月2日、都内で開かれた。 6月16日の初等中等教育分科会で作業部会の設置が決まり、公立の小・中学校の適正配置(統廃合)などを検討していく。同日の作業部会の会合では、委員から統廃合による成果が報告される一方、慎重な意見も出された。
◇学力向上で「東京ミニマム」
東京都教委はこのほど、「東京ミニマム」を今年10月にもまとめることを明らかにした。全児童・生徒が学習指導要領の内容を身につけるために必要な最低限の知識・技能や考え方のほか、教科学習でつまずきやすいポイントとその対応方法を示し、若手教員の授業力向上も図る。
◇部活中の事故防止でガイドライン
東京都教委は6月26日「運動部活動中の重大事故防止のためのガイドライン」を策定した。平成24年度から全面実施される中学校の新学習指導要領では、部活動について総則に明記されるなど、教育課程上の位置づけが明確になった。同ガイドラインでは、運動部活動のうち、今年4月に都立高校で事故が起きた陸上競技(ハンマー投げ)をはじめ、硬式野球、サッカーなど15競技種目を選定し、重大事故防止のための種目別安全対策を示した。各学校は、このガイドラインに示された各種競技の指針に従って部活動を行うことが求められる。
[7月7日]
◇政府が「教育振興基本計画」
政府初の教育振興基本計画が7月1日に閣議決定され、国会に報告された。 4月の中央教育審議会答申を踏まえ、「教育立国」の実現を宣言し、今後10年間を通じて目指すべき教育の姿を示した上で、平成20年度から24年度までの5年間で取り組むべき施策などを示している。その重点事項は、新学習指導要領を円滑にするための条件整備の検討や道徳教育教材の国庫補助制度等の有効な方策の検討、メリハリのある教員給与体系の推進など。数値目標は示されなかった。
◇移行措置の確実な実施を
文部科学省は6月30日から東京、兵庫、福岡の3会場で、平成23年度から実施される小学校の新学習指導要領の趣旨を徹底するため、都道府県教委の指導主事らを集めて中央説明会を開いた。同省の担当課長が小学校学習指導要領の改訂内容と移行措置などについて詳しく説明したあと、総則、各教科、領域別に、研究協議が行われた。
◇都道府県名の正答率55%
国立教育政策研究所は6月27日、225小学校の6年生6665人と301中学校の3年生9394人を対象にした社会科の調査結果を発表した。社会科の「基礎・基本となる知識・概念」と「問題解決的な学習」に焦点を当てた調査で、昨年初めに実施した。その結果、小6で47都道府県の名称と位置を正しく答えたのは約55%、日本国憲法の3原則の正答率は85%。中3では、歴史的人物や歴史的事象の正答率は約70%だったほか、地形図や資料を読み取り、比較しながら分かったことをまとめる力が十分身についていない――などが明らかにされた。
[7月3日]
◇岩手・宮城地震で公立241校が被害
文部科学省は6月24日、マグニチュード7.2の「岩手・宮城内陸地震による被害」の状況(6月14日発生)を発表した。 それによると、同省関係の被害状況は、人的被害が軽傷3人、物的被害が岩手、宮城、秋田、山形、福島5県で470施設(校)、このうち約半数の241施設が公立学校だった。
◇天窓に絶対乗らないように
東京・杉並区立杉並第十小学校で6年生男子が校舎屋上の天窓から転落死した事故を重視した文部科学省は6月20日、都道府県教委の担当課長らに通知を出した。学校に設置されている天窓の安全点検を緊急に実施し、「絶対に乗らないよう周知徹底すること」と要請した。
◇いじめは犯罪!
学校裏サイトやネットいじめなどが問題となるなかで、大人にできることは何か――と、いじめられた子どもや身内がいる父母が立ち上り「NPOいじめから子供を守ろう!ネットワーク」(矢内筆勝代表)が結成され、06年から全国各地で積極的に活動している。6月14日には同ネットワークが、横浜市教育文化センターで初のシンポジウム「いじめはゼッタイ許さない!」を開き、学校関係者、保護者、子どもたちに、いじめの撲滅を訴えた。
[6月30日]
◇耐震化率6割にとどまる
大規模な地震によって倒壊などの危険性の高い小・中学校施設は約1万棟にも達している――。 文部科学省は6月20日、各都道府県教委を通じて実施した「公立学校施設の耐震改修状況調査」(平成20年4月1日現在)の結果をまとめた。それによれば、(1)小・中学校の耐震化率は62.3%で、対前年度比3.7ポイントの増A小・中学校の耐震診断実施率は93.8%で、対前年度比4.4ポイントの増B学校ごとの耐震診断の結果などを公表している設置者の割合は51.8%で、対前年度比29.6と大幅に増加しているなどがわかった。
◇学校耐震化に向け緊急会議
文部科学省と国土交通省は6月20日、各都道府県教委の防災担当者などを急きょ集め、文科省内で「学校耐震化に向けた会議(キックオフミーティング)」を開いた。6月11日に国会で成立した地震防災対策特別措置法の改正を受け、政府をあげて学校施設の耐震化に向けた緊急の支援措置の内容を説明するとともに、積極的に耐震化措置を要請した。
◇19歳以下の自殺者548人
警察庁が6月19日に公表した昨年1年間の自殺者の統計で、19歳以下の自殺者数は548人、自殺の原因・動機は「うつ病」85人、「その他の精神疾患(うつ病、統合失調症以外)」36人、「進路に関する悩み(入試以外)」37人の順。前年と比べて75人減った(前年比マイナス12.0%)が、人口10万人当たりの自殺率は2.3%で、前年比マイナス0.3%とほぼ昨年と同じ。原因・動機の内容は「学業不振」36人、「失恋」29人、「学友との不和(いじめ以外)」25人、「親子関係の不和」23人と続き、「いじめ」は10人、「教師との人間関係」は6人だった。
[6月26日]
◇「移行措置」で事務次官が通知
文部科学省は6月13日、小・中学校の学習指導要領等に関する移行措置並びに移行期間中の学習指導について、銭谷眞美文部科学事務次官名で各都道府県・指定都市教育委員会などに通知した。 移行期間中の各教科等の小学校及び中学校の特例としては、(1)道徳、総合的な学習の時間及び特別活動については新学習指導要領による(2)算数(数学)及び理科については、新学習指導要領の一部を追加または適用する。それに応じて現行の学習指導要領の一部を省略または適用しない(3)国語、社会及び音楽については、全部または一部について新学習指導要領によることができる――とした。
◇犯罪誘引など“有害情報”を例示
青少年をネットの有害情報から守る「青少年ネット規制法」(正式名称は「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」)が6月6日に衆議院を通過し、6月11日の参議院本会議で自民・民主両党の賛成多数で可決・成立した。青少年(18歳未満)に対する有害情報として、(1)犯罪や自殺を誘引する情報(2)性行為や性器のわいせつな描写や著しく性欲を興奮させる情報(3)殺人、処刑、虐待などの陰惨な描写や著しく残虐な内容の情報――を例示し、それらの情報をできるだけ閲覧させないため、フィルタリングソフト・サービスの普及などを促している。
◇英語の早期必修化を
小学校低・中学年からの英語教育の早期必修化を目指し、モデル的な取り組みを含め検討することが、経済財政運営の「基本方針2008」(「骨太の方針」)の素案に盛り込まれた。実施する具体的な学年については「例えば3年生」との記載にとどめた。またTOEIC、TOEFL、英検の活用などによる各学校段階の到達目標の明確化や、英語の教科書・教材の質・語彙数・分量の向上も記載された。これらの取り組みは、「経済成長戦略」の一環として位置づけられた。
[6月23日]
◇教職課程の質の確保を
中教審初中教育分科会教員養成部会は6月10日の会合で、今後の検討事項として、私立大学での教員養成課程の新設が近年急増している状況を踏まえた「これからの教員養成の規模の在り方」、教職課程の質の確保を目的とした「教職課程の是正勧告・認定取り消しの要件の在り方」、専門性を高めた「6年制の教職課程年限についての考え方」などが示された。 長期的に、これらの事項を検討していくことを決めた。また、「教職実践演習」の導入などをねらいにした教育職員免許法施行規則の改正を了承した。
◇学校の適正配置などを審議
中教審初等中等教育分科会は6月16日、第61回の会合を開き、当面、議論すべき課題として、(1)小・中学校の設置・運営の在り方(学校の適正配置、コミュニティ・スクール、学校選択制)(2)学校段階間の連携・接続(学校段階間の連携・接続、優れた才能や個性を伸ばす学習機会)(3)不登校の児童生徒への支援――について審議することを決めた。この中で学校の統廃合については「新しい地域の文化の在り方を考えるべきだ」などの意見が出された。
◇教育振興基本計画策定で緊急声明
中教審大学分科会委員の安西祐一郎慶應義塾長らは6月12日、教育振興基本計画策定に向けた緊急声明「『教育亡国』回避のために投資の断行を」をまとめた。教育振興基本計画について政府内での協議が進められる中、高等教育への投資の必要性、機会均等の確保の重要性を求めたもの。
[6月16日]
◇中3の方が高1よりも良好
国立教育政策研究所は6月7日、06年のOECDのPISA調査で高校1年生に用いられた生徒質問紙を用いて、科学(理科)に対する意識や取り組みの状況について、中学校修了段階の中学3年生を対象に実施した全国調査の結果をまとめた。 それによると、中学3年生は高校1年生よりも、多くの質問項目で良好な意識を示し、必ずしもPISAの結果のすべてが中学校までの理科教育に起因するものでないことが明らかとなった。
◇未来の科学者養成講座
科学技術振興機構(JST)は6月2日、小・中・高校生対象の「未来の科学者養成講座」の今年度採択機関を決定した。採択された1機関の筑波大学は、全国の小学5・6年生と中学生を対象に、生物学の研究学習とその成果発表などを実施する。児童生徒1人に教員1人と指導助手1人がつき、きめ細かな指導を行う。
◇幼児の生活リズムプログラム
全国国公立幼稚園長会は、平成20年度に「幼児の生活リズムを整え体力向上を目指すプログラムに関する調査研究」(2年次)に取り組む。同研究の一環として、昨年度実施したアンケート調査の結果、幼稚園は、幼児が自ら体を動かす遊びを保育に積極的に取り入れることで、幼児の生活リズムを整えていく必要性が確認された。今年度は体を十分動かすことで幼児の生活リズムを整える必要性を周知し、家庭での実践につなげる全国キャンペーン・研修会を行う。
[6月12日]
◇教職調整額を抜本見直し
教員の時間外勤務が社会問題となる中、文部科学省は、教員に給料月額の4%を支給する教職調整額の制度を抜本的に見直すため、有識者による「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」の第1回の会合を5月29日、省内で開いた。
◇大学授業の質の改善に前向き
文部科学省は6月3日、平成18年度の大学の授業の質を高める取り組みなどの状況をとりまとめた。それによると、教員による授業改善の取り組みを実施した大学は、国公私立大学全体の約86%に当たる628大学で、16年度以降年々増加した。今回新たに調査された項目のうち、18年度に「初年次教育」を実施した大学は501大学、「4月以外の入学制度を設けている大学(学部)」は143大学だった。
◇財政審建議で教員給与など見直し求める
財務相の諮問機関である財政制度等審議会は6月3日、「平成21年度予算編成の基本的考え方」(建議)をまとめた。 教員給与については、地方公務員一般行政職を上回る部分を確実に純減させ、さらに人材確保法による優遇分の縮減に努めるべきであるとした。
[6月9日]
◇指導教諭の任用を推進
東京都教育委員会は5月22日、「東京都教育ビジョン(第2次)」を策定した。 都の教育振興基本計画としても位置づけられるもので、家庭・地域の教育力の向上、学校教育の質の向上、教育環境の整備などを柱に、指導教諭の計画的な任用、すべての小・中学生が身につけておくべき内容を指導するための基準「東京ミニマム」の策定などを打ち出した。
◇文科省が教育振興基本計画案
文科省の布村幸彦大臣官房審議官は5月28日、全連小第60回総会で講演し、同省が策定した教育振興基本計画案を公表した。案は、4月18日の中教審答申を踏まえ構成されているが、主な追加点は、今後10年間で、GDPに占める教育への公財政支出の割合をOECD諸国の平均の5.0%を上回る水準を目指す。今後5年間で、主幹教諭による学校マネジメント機能の強化、特別支援教育、食育の充実及び事務の共同実施の促進のために必要な教職員の定数改善を図るなど。
◇学校裏サイトの規制強化を
全連小は5月22日、「『学校裏サイト』等に対する規制強化に関する意見書」を増田寛也総務大臣に提出した。意見書では、同省が携帯電話事業者にフィルタリングサービスの導入の要請やその監視機関「モバイルコンテンツ審査・運用機構」の設立など、有害情報から児童生徒を守る取り組みを推進していることを評価した上で、学校裏サイトなど、有害サイトの閉鎖や罰則を含めた規制強化とそのための法的整備を求めた。特に、学校裏サイトについては、個人に対する誹謗中傷について、学校が閉鎖または削除ができる権限を与えるよう要望した。
[6月2日]
◇教育再生懇談会が第1次報告
政府の教育再生懇談会は5月26日、「第1次報告」をまとめ、福田康夫首相に提出した。 骨子は(1)子どもを有害情報から守るため、必要がない限り小・中学生に携帯電話を持たせないようにする(2)英語教育を抜本的に見直し、小学校3年生以上で英語教育を行うモデル校を5000校設ける(3)実践的な環境教育を展開するためESD(持続可能な開発のための教育)に取り組む(4)早急に学校の耐震化を進める――などを打ち出している。
◇小学校長・副校長の再任用大幅増
東京都教育委員会のまとめによると、今年度の公立小・中学校の校長・副校長の再任用数は前年度よりも大幅に増加した。小学校の副校長の増加率が最も高く、前年度の7倍だった。小学校の校長は3倍強も増加した。
◇教育研究所7〜8割が個に応じた研修
経験年数の少ない教員の授業力向上、指導力不足教員の指導など個に応じた研修を実施している教員研究所は約8割――。教員の資質向上が強く求められている中、関東教育研究所連盟はこのほど、教員研修の体制について調べたアンケートの結果をまとめた。受講者のニーズに応じて半数近くの教育研究所が時間外に講座を開くなど、研修の充実に積極的に取り組んでいることがわかった。
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