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つぶして薄く伸ばせば軽くなるのでは? 手を動かし科学の眼

 2012年1月23日号掲載  「授業デザイン」紙面から


形を変えて粘土の重さをはかる
東京都目黒区立不動小学校

 児童がよく手にする粘土を教材に、それぞれが実際に平らに粘土を伸ばし、重さを確認する作業を通じて、形が変化しても物の重さは変わらないことを実感させる授業などを展開――。東京都目黒区立不動小学校(渡島郁弘校長、児童数385人)では、「体験活動」「表現活動」「評価活動」の工夫に着目しながら、「科学的に考え、理科の眼をもつ児童の育成」に向けた授業研究を進め、このほど、各学年の公開研究会を開いた。

 3年1組の授業は、単元「ものの重さと体積」の中盤にあたる。身近なものの重さに興味・関心を抱きながら、形や体積、重さなど性質の違いを比較し、ものの性質の見方・考え方を育てることを目指す。
 これまでに、様々な身近なものの重さを天秤やはかりなどで計測した上で、ものの重さへの関心と理解を図ってきた。この時間では、児童らに粘土を平らに伸ばす作業をさせた上で、それぞれの重さを測り、ものの形が変わっても重さは変わらないという事実を理解させようとした。

 指導者の岡田奈緒教諭は「平らに伸ばすと粘土の重さはどうなるでしょうか?」と今時の課題を投げ掛けた。導入の実験では、同じ重さの粘土を2つ用意。1つはそのままで、もう1つを平らに伸ばす作業を進めた。これは「体験活動の工夫」として、児童が普段親しんでいる粘土での操作活動によって学習意欲の喚起と実感的な理解を目指すものでもある。
 粘土が「薄くなると軽くなる」などと児童らが予想を立てが出る中、各グループで実験が開始された。2つの粘土のうち元の形の粘土1つをはかりで計測した上で、もう1つの粘土は児童が平らにし、それぞれの重さを表にまとめていった。その際、「球の形のねん土の重さを調べる」などと、平らに伸ばす以外の実験の工夫についても記述させるようにし、各時間の学びの意図と系統的な理解が図れるよう意識づけをした。
 計測では、粘土をかなり薄くなるまでつぶして伸ばす児童から、あまり伸ばさない児童まで、各グループが思い思いに粘土の形を変えてはかりにのせていく。その後、黒板上の一覧表に結果をそれぞれ記入し、グループごとの実験を見つめ直しながら、成果の共有化を図った。
 「元の重さが513gで計測後も=(同じ)」などの報告が進む中、児童は自分のまとめとを照らし合わせながら確認。中には、「元の重さが530gで計測後―(重量が減った)」という結果も出たが、実験の予想立てから目当て、結果という一連の流れを検証し直しながら、今時の「もの(粘土)は平らにのばしても重さは変わらない」という結果の理解につなげていた。

 同校の研究は「科学的に考え、理科の眼をもつ児童の育成」が目標。この「理科の眼」については「自然について不思議を感じる心(科学の芽)↓よく観察し、確かめ、考える心(科学の茎)↓法則、原理などから疑問を解く心(科学の花)」との流れと捉えている。
 さらに、「理科の眼」の育成に向けて各学年で育む「科学的な思考力」の重点も設定した。例えば、2年生では「はたらきかける」をキーワードに、ザリガニつりの道具を工夫して作る、助けたいとプールのヤゴを救出するなどの学びを意識した。4年生では「関係づけ」をキーワードに、観察内容と既習経験を結び付けた表現力や、観察・実験を通して事象の共通点と相違点を見つける力の育成を図る。6年生では「推論」をキーワードに、事物や現象について規則性を適用しながら予想し、実験結果や考察から他への適用・一般化を考える力を育んでいくことなどを目指す。
 授業作りでは、(1)体験活動(2)表現活動(3)評価活動――の3点に着目。(1)では、自然事象と出合う場面で「不思議」「楽しい」「比較」という活動を設定し、例えば、5年生の単元「もののとけかた」では、食塩など児童にとって身近な物を家庭から持ち寄り、様々なもののとけ方の観察と比較によって水溶液への興味・関心を高める授業を進めた。
 (2)では、気づきの質が高まる学習を工夫し、文や絵・図にまとめる活動などを設定。4年生の単元「ものの体積と温度」では、実際に見えない空気の体積変化を視覚的に考えられるように「粒」で表現した「イメージ図」などを使うようにした。
 (3)では、課題把握から考察に至るまでの実験経過を1枚のワークシート上で表す学習などを図り、児童が自ら学習評価をし、自ら成長を実感できる展開などを工夫するようにした。

 また一斉指導を超えて児童の学び合いを生み出すために、教員間の研究協議で「チーム学習」も推進している。全教員が低・中・高学年分科会のいずれかに所属して提案授業を行いながら、チームで相互信頼を築く。学習内容や方法をそれぞれ選択し、役割と責任を分担しながら「学びのプロセス」に着目した授業の在り方を探っていけるようにしている。
 同校/℡03(3714)3594。



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