ニュース NEWS

小学校6年生と中学校3年生を対象に今年4月に実施された「平成28年度全国学力・学習状況調査」の結果が9月29日に公表された。公立校の都道府県別の平均正答率で、下位3県の平均と全国平均との差が、昨年度と同様に縮まっており、学力の底上げがみられた。だが、小学校算数B問題の中には、正答率7%と厳しい現状もみられた。

自民党の文科部会が9月29日に開かれた。教員の養成・採用・研修の一体的な制度改革を実行する関連法案の概要説明が行われた。9月26日に招集された第192臨時国会の会期中、10月中旬に提出する意向を確認した。ただ、今国会ではTPPなどの重要法案の審議があるほか、2カ月間という短い会期となっており、成立は不透明だ。

日本財団が「ソーシャルイノベーション・フォーラム」を9月28日から30日まで、東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで開催。未来の教育のあり方など、広範な社会課題に取り組む全国のソーシャルイノベーターが集まった。実践発表や議論を深める若者の自殺対策や学校を核としたまちづくりなど、教育に関わる新たな挑戦事例の報告や分科会提言が示された。

発達障害の会ajuga主催、東京都杉並区教委共催の家庭教育講座「思春期の心を理解しよう~心のメカニズムと心の利き手のお話」が9月29日、同区の高井戸地域区民センターで開催された。思春期の子供がいる父親や母親などが参加した。登壇した思春期教育研究所アジュガ代表の飯塚ひろみ思春期専門カウンセラーは、思春期の子供の心の状態や子供への接し方について話した。

「私たちの学校では、友だちがいやだなと思うことは絶対にしないと決めています」「言われて悲しく思う言葉を挙げて、それを言わないようにしています」。

中教審初中教育分科会学校安全部会の第4回会合が9月29日、文科省で開かれた。有識者から、防災教育の効果的な取り組みについて語られた。

ニュース解説 COMMENTARY

本紙9月22日付は「日本は33カ国中で32位 教育機関への公的支出」の見出しの下、OECDが今月発表した調査報告書「図表でみる教育2016年版」について報じている(電子版では9月16日付)。「図表で見る教育」は、教育機関への支出額や上級学校への進学率等のデータをもとに各国の状況について比較し、考察しているものだ。

社説 OPINION

昨年12月、中教審答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」が出された。そこでは、教育をめぐる時代の大きな転換点にある今、国際的に高い評価を受けているわが国の教員の強みを生かしつつ、教員の養成・採用・研修の一体的改革で、より質の高い教員並びに学校教育が可能になるとしている。しかし同答申は、こうした一体改革を妨げている要因が、日常業務の多忙化に見られる教員の非合理的な業務内容や若手教員を育てるミドルリーダー層の不足と指導体制といった条件整備上の課題にあるとしている。

学校経営 MANAGEMENT

次期学習指導要領の授業に関わるキーワードは、「主体的」「対話的」「深い学び」だ。それは、これまでの「何を知っているか」から、「どのように学ぶか」という学びのプロセスの中で行われる。私は、学ぶ過程で子供が「主体的」に、「対話的」に加え、「共助的」を大事にするのがカギだと思う。

教育実践 PRACTICE

監修 (一財)総合初等教育研究所 梶井貢 担当 東京都小平市立小平第六小学校 栗原由紀子 子供が生き生きする学習ルールは 私語を防ぐ動機づけの仕掛けを 現行の学習指導要領では「確かな学力」の育成が強調され、学校現場では新任教師も授業研究会に熱心に参加しています。ただ、その一方で、せっかく研究仲間と検討して作成した学習指導案でも、学級の状態によって授業をうまく展開できない状況が生まれてくる場合もあります。先日、ある教科の研究授業をすることになった新任教師のA先生が職員室で、下のような内容を学年主任に相談していました。 ▽子供たちが学ぶ意欲をもって学習に臨むためには、どのようなことに気を付けて授業を進めたらよいのかポイントを知りたい。 ▽子供たちの私語が目立ち、学びが深まらないことがある。どう対処したらよいか。 ケース1 これまで研修の一環として、他校の先生や同僚の授業をいくつか参観してきました。学年や授業者によって子供たちの様子はずいぶん異なる印象があります。例えば、教員の話は聞いていても、終始子供が受け身的な授業もあれば、子供自らが生き生きと学習に取り組む授業もありました。私はもちろん、後者のような授業づくりを目指したいのですが、そもそもどのような指導をしていけば、そのような授業が展開できるのか分からないでいます。 対策を学ぼう 対策1 安心できる学級風土をつくる 子供一人ひとりが学ぶ意欲をもち、関わり合いながら学習を深めていく授業を展開していくためには、その前提として安心できる学級風土が必要です。子供たちが安心できる学級とは、対人関係や集団生活を営む上でのルールが定着している学級です。その上で、子供同士がさまざまに交流し、協力し合える親和的な学級です。また、教員は一人ひとり指導の仕方に持ち味があります。まずは、自己の指導を振り返り、その傾向を把握するようにしましょう。そして、指導性と受容性をバランスよく発揮しながら、子供に対応していくようにしましょう。 自己の指導の傾向を振り返る ◇あなたは強い指導性発揮 Or 細やかな気遣い型? 授業の雰囲気を生み出す要因の一つに教員自身の指導の傾向が深く関係しています。大きく分けて教員は強い指導性と細やかな気配りの二つを機能させて指導しています。ただ、このバランスは教員一人ひとり異なり、教員自身の授業スタイルや子供たちの学びのスタイルにも影響を及ぼしています。 ケース2 私の授業ではたくさんの子供たちが発言をします。当初は、こうした授業は活発でよいと思っていたのですが、子供たちの様子をよく見ると、学習に関係ない話や冗談が目立ちます。また、集中力の維持が難しい子供の姿も見られます。どのように対応したらよいでしょうか。 対策を学ぼう 対策2 知的欲求を刺激する学習内容で 子供を学習に対して意欲的にするには、いくつかの動機付けがあります。例えば、学習内容が知的欲求を刺激して面白いこと、学習活動が楽しいこと、試験の合格など達成したい目的のために学習する必要感を高めることなどです。授業を計画する際に、こうした動機付けにつながる仕掛けを検討し、発問や言葉かけ、資料提示、学習活動等に意図的に組み込むようにしましょう。そして、授業の構成やリズム、テンポが子供たちの状況に適したものになっているかについても見直してみましょう。 心の教育を大切にしよう 新任教師のBさんから、子供同士のトラブルが発生したときになかなか折り合いがつけられないとの相談を受けました。この先生は、子供同士がより交流を深め、心理的な結びつきを強めたいと考えていますが、どのようなことを心がけたらよいか悩んでいるようです。 ケース3 子供同士が衝突したときに両者の間に入ってトラブルを解消しようとするのですが、話し合いの後も子供たちはぎこちない関係のままでいます。両者の気持ちをすっきりさせるには、どうしたらよいでしょうか。 対策を学ぼう 対策3 気持ちを代弁し理解を促す トラブルの中で見られた行動だけを取り上げて叱責したり、単純に謝り合って終わらせたりすると衝突した子供の中に納得感が得られないばかりか、さらに関係が悪化する場合もあります。トラブルを早く解決させたい気持ちは理解できますが、トラブルの原因とそのときの子供の気持ちを丁寧に聞き出し、ときには子供の気持ちを代弁しながら互いの理解を促すことを心がけましょう。 また、このやりとりを周囲の子供たちも見ています。トラブルが解決した際には、その原因を説明したり、解決できたことそのものを認めたりしながら、トラブルを起こした子供たちを受け入れられるような雰囲気をつくりましょう。 ケース4 普段から特定の子供としか関わらず、なかなか友達の輪を広げない子供たちがいます。教師が決めた小グループの活動や話し合いの場を設けてもうまくいきません。もめごとが起き課題が終わらなかったり、小競り合いが始まったりして、かえって不安や不満をつのらせてしまう場合があります。 対策を学ぼう 対策4 心地よい交流の体験を 子供同士が仲良く関わる学級にするには、心地よい交流の体験を積み重ねていくことが大切です。まずはシンプルな課題を設定し、協力し合って達成する成功体験を味わえるようにしましょう。例えば、3、4人程度のグループ内で一文ずつ音読のリレーをしたり、簡単なゲームを共に楽しんだりすることで打ち解け合えるようになります。また、小グループの話し合いの際は、話し合いの手順や役割分担、目的や内容を明確にしておくとスムーズに進めることができます。 活動後には、振り返りの時間をとり、互いのよさを認め合い、さらによりよくするにはどのようにしたらよいか前向きに検討する場を設けます。 こうすることによって、子供一人ひとりが自信をもち、交流の楽しさを味わい、次の活動への見通しをもつことができます。

企画特集

第98回全国算数・数学教育研究大会が8月1日からの5日間、岐阜県岐阜市の長良川国際会議場などで開催。そこで同大会のテーマである「学ぶ充実感のある算数・数学教育」について、日本数学教育学会会長の藤井斉亮同学教授、東京学芸大学附属小金井中学校の柴田翔教諭、同附属小学校の加固希支男教諭が鼎談による鼎談・学者、研究者、実践者から提言をもらった。   ◎ 鼎談 学ぶ充実感のある算数・数学教育 part1 | part2 | part3   ◎ 学者、研究者、実践者からの提言 筑波大学人間系准教授 蒔苗直道「知的な喜びや満足を期待」 都留文科大学文学部初等教育学科非常勤講師 滝井章「数学的見方の活用で充実感を」 東京都文京区立第六中学校主幹教諭 岡田春彦「比較・観察の目を教師自身が持つ」 元東京都公立中学校校長 楚阪博「メタ認知を活用し議論する」

教採対策  EXAMINATION

学校には多くの教職員がいる。教採試験の面接で自身が目指す教育活動などについて質問された場合、指導を受けたり、協働する具体的な教職員を想定して答えれば、回答の具体性が高まり、評価も高まるだろう。教職員の実際、つきあい方について見てみよう。

教育ICT EDUCATION ICT

教育新聞は、教育ICTの実践を特集した動画番組「iTeachers TV」に協賛しています。 前回に引き続き、高校野球におけるICTの活用を紹介します。

総合 GENERAL

改革の着実な浸透図る・松野博一新文科相に聞く=松野博一新文科相は8月15日、教育新聞社などのインタビューに応じ、次期学習指導要領や高大接続といった一連の教育改革に関連して、「教育現場を応援するための施策を進めていく」「教育改革の着実な浸透を図る」と強調した。また「熊本地震で被災した児童生徒の心のケアや耐震化にも、一層取り組んでいく」と語った。

コラム COLUMN

文科省はやっと重い腰を上げ、長年の懸案だった教員の長時間労働の是正に取り組む。6月に公表された「学校現場における業務の適正化に向けて~次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタクスフォース報告」には、その改善方策が明らかされている。

書評 BOOK REVIEW

偉人教室とは、誰もが名前を知る歴史上の有名人が、その人生を振り返り、各人の言葉で生き方のヒントを教えてくれる講演会。登場するのはエジソンや近松門左衛門など25人。史実を踏まえ、親しみやすく伝える。言い尽くされた感のある偉人たちの人生訓だが、新鮮に響いてくる。毎日がおもしろくない、プライベートや仕事の悩みが絶えず疲れ気味、人生このままでいいのか——。そんな思いを抱えている人への、有効なメッセージが詰まっている。