(こだま) 不登校問題の解決は、さまざまな要因が…

不登校問題の解決は、さまざまな要因が複雑に絡み合っているので容易ではない。いじめ、学業不振、家庭の問題等々、背景に応じた対応が必要である。その根は深い。

昨年公開された米映画「ワンダー 君は太陽」は必見だ。主人公オギーは生まれながら顔が変形し、その治療のために長らく入退院を繰り返していた。容体が安定したオギーは学校に通うようになるが恐れていたとおりクラスメートの差別によるいじめを受ける。

それでも家族に励まされ、学校生活に適応するために懸命に行動を起こしていく。そして、得意の理科で周りの尊敬を得て友情を築いていく。オギーの顔の形がみんなと違うとからかったクラスメートも「人間の価値は外見で推し量れない」ということを学んでいく。いじめを克服し成長するオギーの姿に感動する。

かつて出会ったA子を思い出す。小学校4年生のころ、人間関係に悩み、そのストレスから髪の毛を抜いてしまう行動をとるようになった。頭髪がまばらになったことを友達にからかわれ、自己防衛本能からバンダナをして登校することとなった。以来、家の中以外でそれを取ることはなかった。次第に学校から足が遠のいていった。

中学校入学式当日、バンダナをつけて登校したA子は母親の車の中にいた。「バンダナを取りたいけど怖い」と言う。心の葛藤はひたすら続いた。翌朝、A子の頭にバンダナはなかった。A子はひなが巣を離れるようにこの機会を自分なりに探していたのかもしれない。巣立ちのための勇気を出して一歩前に進むことのできたA子には確実に心の成長があった。

県内の多くの小中学校で2学期が始まる。いつもの変わらぬ学校生活が戻ってくる。しかし、夏休み明けを人知れず暗い気分で過ごしている子供もいる。事実子供の自殺が増える傾向もある。

オギーを立ち直らせたのは、外見に悩む息子を何度も抱きしめた母親であり、「お前の顔が好きだ」と伝えた父親の言葉だった。

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