(提言)教師のプロ意識

愛知県教育委員会義務教育課長 伊藤 克仁

文部科学省が毎年調査している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の平成29年度の結果が昨年10月に公表されました。本県の不登校児童生徒数の状況は全国と同様の傾向が見られ、小中学校とも毎年増加し、過去5年間で最も多い人数となっています。

結果が新聞等で公表された折には専門家等の意見として、「子供たちが登校を拒んだら無理に行かせるのではなく、まずは休ませてあげてほしい」という内容がありました。

性急に学校復帰を目指すのではなく、子供の状況を把握しながらゆっくりと学校復帰を目指したり、学校外で学ぶ機会を確保したりするなどの取り組みは必要ですが、不登校児童生徒数が減少傾向に向かっていない状況を改善していくことは喫緊の課題であります。

一方、本県において「魅力ある学校づくり調査研究事業」に取り組んでいただいた市の状況を見ると、不登校児童生徒数の大幅な減少とはいかないまでも、抑制傾向が見られるといった様子が見られました。

これは、市教育委員会の指導のもと、学校が子供たちの実態を見ながらさまざまな手だてを講じるとともに、外部の専門家と協力しながら「チーム学校」として組織的に取り組んでいただいた成果です。改めて先生方のご尽力に敬意を表する次第です。

県教育委員会では、生徒指導の方針として「まず1人を救う、新たな1人を出さない」ことを取り組みの重点としています。「1人を救う」取り組みは、各学校が子供の実態に応じて丁寧に行っていることと思います。「新たな1人を出さない」取り組みもさまざま行われていることと思いますが、私は特に、「楽しく、分かる授業」の取り組みをより一層進めてほしいと願っています。

先生方は、教員免許を所持している教職の「プロ」です。プロである以上、教師は授業で勝負だと思います。「あの先生の授業は楽しい」「あの先生の授業があるから学校へ行こうかな」など、子供たちが学校に行きたくなるような授業を目指し、プロ意識を持って授業力向上に努めていただきたいのです。

働き方改革が行われている中、その時間の確保が難しいのは承知の上ですが、ぜひ生徒指導と一体となった学習指導を進め、少しでも不登校の子供たちが減少していくことを心から願っております。