(読者の窓)造パラに思う

10月の土曜と日曜。豊橋じゅうの子供の作品が、豊橋公園を埋めつくす。色とりどりの作品と、秋色に染まり始めた木々との色のハーモニーが美しい。

会場には、共同制作の動物が、人の背丈を超える大きさで存在感をアピールしている。60年以上続く野外展「子ども造形パラダイス」の一コマである。三世代にわたる市民が出品経験を持つこの野外展を、豊橋市民は親しみをこめて「造パラ」と呼んでいる。

43年前、当時5年生だった私たちに、担任の先生は、「材料を自分たちで集めて大きな作品をつくり、造パラに出そう」と投げかけた。沿岸部の学校のため、竹や木の枝、流木などの自然素材には事欠かなかった。いつもの遊びが勉強になると知り、私たちは、夢中になった。「アケビのつるってどこにはえとるの」「もうそう竹って、○○ちゃん家のうらにあるら」と情報交換が活発になった。そして、試行錯誤を繰り返し、やっとの思いで完成させた共同作品が展示されているのを見て、誇らしい気持ちになったことを覚えている。

現在も造パラは、子供の経験や発達に沿った題材開発、運営方法の改善などを常に見直し、変化を続けながら継続している。しかし、40年以上前からその根底に流れているのは、身近なもののよさを生かした作品づくりを訴え続けた、先輩諸氏の熱い思いである。今後も、子供たちの造形体験をより豊かなものとできるよう、精進していきたい。

(杉浦隆夫・豊橋市立花田小学校教頭)