(提言)新たな学びへの転換

名古屋市教育委員会指導室長 加賀 幸一

昨年度、名古屋市教育委員会が2度にわたり開催した学習会「子ども応援大綱の実現に向けて、公教育を考えよう!~楽しい学校とするために本音で語ろう~」に、合計303人の教職員の皆さんに参加していただきました。

年末や年度末の開催であったにも関わらず、子供たちのために常に自己研鑽(けんさん)を積む教職員の姿に感銘を受けました。

講師の先生から、「ひとりひとりの子どもを大切にする教育とは」とのテーマのもと、自ら学び続ける力を育むために、学びの個別化・共同化・プロジェクト化をキーワードとしたご講演をいただき、その後ディスカッション形式で今後の教育のあり方について考えを深めました。

国においては、文部科学省の省内タスクフォースが、平成30年6月5日に「Society5.0に向けた人材育成」を発表しています。そのサブタイトルは「社会が変わる、学びが変わる」です。私が初任の頃には、「教育によって世の中は変わる」と意気込んでいた記憶がありますので、「卵が先か鶏が先か」のように感じることも事実です。

しかし、AI、ビッグデータ、IoT等、これから予想される急激な変化の中で、それらを使いこなす「人間の強み」を身に付けることは必要不可欠であり、そのために学びのあり方を転換していかなければならないことは理解ができます。

本市においても、先の学習会をきっかけとして、本年度より「画一的な一斉授業からの転換を進める授業改善」と銘打った事業を開始します。そのモデル校にはタブレットを配備することにしています。学校が社会のシステムから遅れていたのでは、急激な社会の変化に対応した教育ができるはずもありません。

当然のことながらICT環境の整備は急務です。そのうえで、ICT機器をより効果的に活用することなどによって、これまで以上にひとりひとりの子供を大切にする教育を行っていくことが本事業の命題であると認識しています。

新学習指導要領への対応のみならず、その先を見据えた新たな学びへの転換が求められる一方、働き方改革も進めていく必要があり、学校現場は非常に困難な対応を求められることになります。
そのような状況ではありますが、先生方には、常に教職に就いた時の初心に立ち返りながら、子供たちの明るい未来を応援するポジティブな気持ちを持ち続けていただきたいと願っています。