地域と学校連携 新しい形で さまざまな子供の笑顔を糧に

春日井市立藤山台小学校

虹色

「おはようございます」朝の正門前で、見慣れない顔の児童に声をかける。たどたどしいあいさつが返ってくる。最近、外国から転入してきた児童である。

地域の運動会等の行事を行う

本校は、高蔵寺ニュータウン内にあり、年間の転出入も相当に多く、日本語を母語としない児童の数も多い。

そんな彼も学校に慣れ、上手な日本語であいさつが交わせるようになったある日の下校時、空に虹が架かっていた。彼は「6色」の虹だと言う。「7色でしょ」と別の声がする。生まれ育った文化によって虹の色数の捉え方が違うからだ。虹は「7色だと思って」いるのは私たちの文化圏内だけの常識だと思いしらされるが、こうした衝撃は日常のことでもある。

ここ藤山台小学校でも、さまざまな文化的背景をもった子供たちが、毎日元気に学校生活を送っている。彼らがよりよい社会を作っていくためには、お互いがお互いをよく理解し合い、歩み寄りながら、この地にあった文化を構築していかなければならない。

文化は「学び」によって作られ、伝承されていくものであり、若い世代の「学び」を支える努力を各教師が続けている。しかし、学校だけの努力では越えがたい壁を感じることも多い今日だ。

地域と学校の苦悩

本校は、春日井市高蔵寺ニュータウン内に、最初に設置された小学校である。高蔵寺ニュータウンは、昭和43年に入居を開始し、平成末に50周年を迎えた。地域と学校は、ともに50年あまりの歴史を持ち、互いに支え合いながら発展してきた。

しかしながら、高蔵寺ニュータウンは、居住者の高齢化とともに児童・生徒数が減少し、本校の児童数も最盛期の昭和47年には758人を数えたものの、平成24年には142人まで減少した。その間、地域の活力は衰退し、求心力を急速に失っていった。

一方、学校はニュータウン周辺の環境変化がもたらすさまざまな教育課題に苦悩し続ける時代が長く続く中で、過小規模校解消のため、藤山台東小学学校・西藤山台小学校の近隣校2校と、平成25年および28年に二度にわたる学校統合を実施した経緯がある。

地域連携室

その統合の折りに、新たに地域と学校をつなぎ、学校や地域が抱える課題を学校と地域と行政が協働して解決する必要が行政・学校・地域住民で議論され、その中で生まれたものが「地域連携協議会」である。

住民が学校を支援するボランティア活動の拠点とするため、校舎内に「地域連携室」を設け、2人の地域連携コーディネーターが学校と地域との窓口として日々、活躍している。そして、事務局には、春日井市教育委員会の職員も参画し、行政のフォローアップも継続的に行われる仕組みとなっている。

こうした取り組みは、今年で4年目を迎えるが、コーディネーターを通じて学区と地域の関わりがより活発化し、児童の登下校の見守り活動に取り組む「藤っ子応援団」や地域住民による教職員を支援する各種ボランティア活動、また、地域の運動会等の行事が、次々と企画され、学校とのタイアップで学区の子供たちが積極的に参加し、盛り上げるなど、相互に強力に支えあうスタイルが構築された。

地域の情報発信、連携拠点としての学校の役割は始まったばかりだが、さらなる深化を目指して、地域と共に歩む学校の姿を模索する取り組みが、無理なく日常的にできるようになってきたのである。

虹色のようにさまざまな子供たちが、笑顔で過ごす日々が地域と学校の糧である。

(文責・前川健治校長)本校/℡0568(91)3005。