総合教育センター情報 Society5.0に向けた教育研究調査事業の展開

社会における先端技術の高度化が進み、「超スマート社会」が到来しようとしている。

Society5.0における学校は、「一斉一律の授業スタイルの限界から抜け出し、読解力等の基盤的学力を確実に習得させつつ、個人の進度や能力、関心に応じた学びの場となることが可能となる」と言われている。

ICT授業活用

そのような中、当センターの情報教育の充実に関する研究(ICT授業活用に関する研究)では、小・中・高等学校・特別支援学校のいずれの校種においても、ICTを活用した分かりやすい授業や主体的・対話的で深い学びの実現に向けた学習方法・指導方法の研究を進めている。

また、新学習指導要領に向けたプログラミング教育についても研究を進め、論理的思考力や創造性、問題解決能力の育成に関する研究を進めている。

課題としては、校種、地域によって学校のICT環境が大きく異なり、場合によっては研究成果を生かせない状況も有り得ることである。できるだけ多くの学校で参考にできるように、さまざまなICT環境への対応策を提案し、今後も研究内容を発展させていく。

情報モラル教育

情報モラル教育に関する研究では、研究協力委員が勤務校で情報モラルの授業実践を行い研究を進めている。

これまでに既存の情報モラルコンテンツを利用した授業実践やICTを活用したワークショップ、小学校1年生を対象とした手紙のやり取りによる情報モラル教育などの授業実践が報告された。

情報モラル教育を広げるための実践では、人権週間と関連付けた全校での取り組みなどが報告された。

課題としては、実践の多くが日常のモラルを踏まえた情報技術の特性の理解にとどまっていたことである。今後は、道徳的な内容に加えて、児童生徒の発達段階や心理的成長過程に応じた効果的な指導方法を本研究で取り扱っていく。

なお当センターでは、情報モラル指導者養成講座や全校種の初任者研修において情報モラルの積極的な指導に関する研修を実施している。

教科指導の充実

教科指導の充実に関する研究(技術・家庭)の技術分野では、人間と人型ロボットとの自然な対話を実現したり、課題を解決させるために表計算ソフトを活用した話し合いの場を設定したりした。

いずれの実践においてもペアやグループによる話し合いにより課題を解決することができた。他者との対話を通して、生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育む実践例についてまとめ、ウェブコンテンツを作成して公開した。

今後は、生活や社会の中から見いだした課題を情報通信ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによって解決する指導について研究を進める。

情報教育

高等学校教育課程課題研究(情報)では、「ディジタル表現されたピクトグラムの作成における情報の抽象化と科学的な理解の育成」「コードを読み解き、発展させるプログラミング教育」「データ分析と結果の可視化における統計リテラシーの育成」といった授業実践を基に、思考力・判断力・表現力の評価について協議を重ねた。また、限られた時間内に各学校の実情に応じた授業実践を行うことができるパフォーマンス課題を作成した。

今後も、情報および情報技術を適切かつ効果的に活用して生徒が新しいものを創り出したり、自分の考えをまとめて伝えたりする情報活用能力の育成を目指し、授業実践を中心とした研究を進めていく。

これらの研究成果については、当センターの研究発表会で報告する。また、ウェブページにも掲載する。さらに、研究協力委員の勤務校で授業を公開することで、研究成果を還元していく。