(読者の窓)学校の役割

人工知能が人間を凌駕する時代の到来とともに、今ある職業の半分以上が、AIに奪われるようになると科学者が予想している。さてそこで、学校は、今後どのような役割を担うべきなのか。

人の能力には、認知能力と非認知能力がある。前者は、毎日の授業で培われるような数値で表される能力であり、後者は、集団生活の中で培われる倫理観や、協調性、責任感、達成感のような数値では表すことのできない能力である。

両者は、車でいえば、ガソリンとオイルの関係性があり、人間にとっては、どちらも必要不可欠なものである。

今後、学校における人工知能の導入の場面があるとすると、客観的なデータを基に指導される認知能力の育成場面がより有効であると考えられる。また、非認知能力は、いくら人工知能が進化したとしても、それに任せることは難しく、人間関係の中で学ばせるのが一番である。

第一次世界大戦中に、マクドナルドの創業者であるレイ・クロックと、ウォルト・ディズニーは、同じ部隊に所属していた。2人が生活を共にしていたことは、単なる偶然ではなく、互いに切磋琢磨して非認知能力を磨いた結果、世界のけん引者となったと考えられる。

今後、学校での働き方改革においては、認知能力の育成場面での人工知能の活用を進めるとともに、学校行事の削減などによる非認知能力の育成機会の喪失にならないように、慎重に検討していく必要がある。

(鬼頭昌也・名古屋市立飯田小学校長)