(こだま)学校で歌い継がれている校歌には…

学校で歌い継がれている校歌には、子供たちの成長を願う人々の思いが込められている。戦後すぐに作られた校歌のいくつかには、日本再生に向け希望をもって進もうとする決意と平和な時代を築きたいという切実な思いが歌詞に投影されている。

県内中学校の校歌から拾う。「平和の明日を担い立つ」(幸田・南部中)「明日の平和の文化を築く」(西尾・一色中)「になわん平和日本の使命」(田原・東部中)「永遠に平和の誓いみなぎる」(名古屋・供米田中)「平和の鐘はいま鳴りて」(名古屋・有松中)等々枚挙にいとまがない。

新潟県柏崎市立半田小学校では校歌の歌詞に込められた平和の意味について学んでいるという。「緑の丘の半田校/緑は平和を願う色/手をつなごう/手をつなごう/世界の仲間と輪になって/歌おう平和を誓う歌」ここには作詞した深田信四郎さんが戦争の残酷さを体験したことから、世界から戦争をなくし平和をつくっていこうとの思いが表れているのだ。

柏崎市に近い長岡市でも空襲があった。子供たちは長岡戦災資料館を訪れ、長岡空襲に関するDVD資料を視聴したり、実際に空襲を体験した人の話を聞いたりする。

さらに、深田さんとゆかりのある方から戦時中の柏崎の様子や校歌に込められた願いや思いを聞く。子供たちは普段何気なく歌っていた校歌を「平和世界の人が仲良くなるように」「平和を願う」という思いをもって大切に歌いたいと言う。

今年は戦後75年目。終戦時に10歳だった戦争体験者は85歳となり、徴兵されて兵士として戦った人々の多くは95歳以上となる。平和教育にとって戦争体験の継承は最重要の学習課題であるが、日本の戦争体験について体験者から直接聞く時代はもうすぐ終わろうとしている。戦争を知らない教師たちは平和教育をどのように行えばよいのか。

もうすぐ令和最初の終戦記念日が訪れる。今こそ平和教育の在り方について真剣に考える時かもしれない。戦争を「遠い昔の物語」にしてはならない。