「不登校支援の今」を追う 適応指導教室の特色ある取り組み

不登校の児童生徒(不登校を理由とする年間30日以上の欠席者)は年々増加傾向にある。その数はここ数年急増し、全国では平成29年度小中学校合わせて14万人を超えた。県内においても同様の傾向が見られ、1万人を超えた。また、平成28年度小学校の出現率(児童生徒100人当たりの不登校児童生徒数)は、0.60人で全国6位、中学校では3.56人で全国4位となっている。
プラザ中央の木工教室
こうした現状を踏まえ、民間フリースクールを含めてさまざまな不登校支援の取り組みがなされている。その一つ適応指導教室は、県内50市町村に67カ所が設置されている。特色ある取り組みを追った。 豊橋市の適応指導教室「とよはしほっとプラザ中央」(市職業訓練センター内)を訪ねた。豊橋市には、温かくほっとする場所でありたいという願いからほっとプラザと名付けられた適応指導教室が東西を合わせて3カ所設置されている。
プラザ東のバンド活動
市内約500人の不登校児童生徒のうち、各プラザに10人前後が通級している。また、各所に教育相談員、臨床心理士、スクールソーシャルワーカーが配置され、3プラザをプラザ長が統括している。 ほっとプラザ中央の1日は、プラザタイム(チャレンジ・学習)から始まる。続く学習タイムでは国語・算数(数学)・英語を中心に学習する。学校に復帰した際にギャップがないよう考慮している。 午後からは、フリータイム、みんなで決めたスポーツや遊びを楽しむ「活動タイム」、漢字・計算・英単語に取り組む「基礎学タイム」へと進んでいく。
プラザ西の活動タイム
ほっとプラザの活動の特色は、その体験活動にある。中央は、市職業訓練センター内にあることから椅子づくりなど木工体験を、東では音楽活動を、西ではスポーツ活動を行っている。子供たちはその特色を踏まえて通級プラザを決める。 金子徹プラザ長は、「不登校は、さまざまな要因が複雑に絡み合っているので容易に解決できないが、三つのプラザの特色を生かし、本人、家庭、学校と立体的に連携して学校復帰、自立に向け充実した支援をしていきたい」と話す。
◇ ◇ ◇
大府市の適応指導教室「レインボーハウス」では、教員免許を有する指導員が不登校児童生徒の支援にあたっている。自主学習が基本で、一人一人の理解度に合わせたきめ細かな指導が課題であるという。 そこで、今年9月からレインボーハウスにタブレット端末を導入し、学校の授業をライブ配信できるようにする。教室にカメラを設置し、適応指導教室の子供も同時に授業を受けられ、質問等教員とやりとりも可能である。学力面の不安から不登校となる子供も少なくなく、授業の雰囲気を感じられる環境を整えることで、学校復帰につなげる狙いがある。
◇ ◇ ◇
文科省では、「民間の団体・施設との連携等に関する実態調査」を行い、その調査結果を5月13日明らかにした。それによると、学校以外の場所や学校の余裕教室で、不登校児童生徒への支援や指導を実施している適応指導教室が平成29年度までに6割の自治体で設置されていることが分かった。 刈谷市では、不登校の子が学校内で過ごすための居場所づくりを検討する考えを明らかにした。市内には3カ所の適応指導教室「すこやか教室」があるが、不登校児童生徒が過ごせる教室を校内に設けることで、より登校しやすい環境をつくりたい考えだ。 また、岐阜市では不登校になる割合が中学生で割合が高くなるという課題に対応するため、不登校の中学生を対象とした「不登校特例校」の令和3年度開校を目指す方針であるという。