伝えたいこと(17)人との関わりについて

北陵中学校校誌 平成25年3月掲載

「我以外、皆我が師」という言葉があります。これは、「自分以外の、人でも物でも皆、自分に何かを教えてくれる先生だ」という意味です。自分が教師になった理由や、教師となってから常に意識していることも、この言葉にあると最近感じています。

自分は、高校3年になるまで、自分の将来についてあまり考えてはいませんでした。中学時代も高校時代も、ただ漠然と「進学すればなんとかなるだろう。」ぐらいにしか、考えていませんでした。

高校卒業後、大学へ進学することは決めていましたが、理数系が不得意で、自分は、なんとなく文系の経済学部へ、進学するだろうと思っていました。

高校3年の夏休み。突然、天から声が聞こえました。「おまえは、経済学部で何を学ぶつもりだ?」「うーん分からない。」その声としばらく問答しました。「おまえは、何が好きか?」「人間が好きです。」「じゃあ人間相手の学部が良い。」「人間相手?」「人間相手なら教育だ。」

ちょっと大げさかも知れませんが、本当に天の声が聞こえたのです。きっとそのときに、自分の進路を本気で考えたのでしょう。そして、この『教育』という天命について考えました。

「自分は今までいろんな個性豊かな友達と出会い、自分にはない他人の個性を吸収してきた。人から学び、自分という人間を磨いてきたつもりだ。人に影響力を与えることって素晴らしい。教育は人に与える影響力が大きく、やりがいがある職だ。自分は教育の道に就こう。」

教師になった人の多くは、小・中・高の恩師等にあこがれ、「先生になりたい。」と希望するケースがほとんどです。しかし、自分は先ほどのように、少し違った理由で教育学部へ進学し、結果的に英語教師となりました。

そして今、とても良かったと考えています。今までの人生の中で関わったさまざまな人々や、さまざまな生徒との出会い。多くの個性とぶつかったり、それらを吸収したりしたこと。これらは、現在の自分の強みであり、宝です。

「我以外、皆我が師」まさしく今の自分は、この言葉どおり、いろんな人に支えられて生きています。そして、何よりも人との関わりで得られるさまざまな触れ合いが素晴らしいと感じています。

要は、人との関わりで何かを得ることのできる感性が一番必要だと思います。みなさんも、出会いによって感性を磨き、自分を高めてください。

(日江井真・名古屋市立北山中校長)