(読者の窓)助ける人へ

本校は、毎年1学期の期末テストが終わった日に「部活動別熱中症学習会」を行っています。これから本格的に暑くなっていく中、大会に向けて練習にも熱が入っていく時期だからこその取り組みです。

昨年の夏は猛暑、酷暑、災害級の暑さと言われました。そんな夏休みのある日、校区の小学校へ部活動の練習に向かっていた本校女子バレー部数名の生徒が、道路で倒れている高齢者に遭遇しました。

彼女らは、とっさに「熱中症かも」と思い、熱中症学習会で学んだことを皆で思い出しながら、日陰に移動させ、練習中に体を冷やすために持っていた保冷剤を首やわきの下に当てたり、スポーツドリンクを飲ませたり、うちわであおいだりしました。

その間に別の生徒が小学校へ先生を呼びに行き、その高齢者は無事救急車で運ばれ、大事に至らなかったとのことでした。

私は、昨年度小学校から中学校へ赴任した際、ぜひ中学生に話したいことがありました。東日本大震災のときの「釜石の奇跡」です。当時群馬大学の教授、片田敏孝氏の講演を拝聴し、深く感銘を受けたからです。

それを、昨年5月の集会で話しました。「地域の中の中学生はとても大きな力になる。助けられる人から助ける人になってほしい」と。

そんな私の思いや、学習会でのことがしっかり伝わっていたのでしょう。まさに「助ける人へ」。大きな感動を覚えた出来事でした。

(稲垣淳子・一宮市立千秋中学校長)