ふるさとに夢や誇りを

東海北陸地区へき地・複式・小規模学校教育研究大会愛知大会

10月31日、11月1日の2日間、岡崎市民会館、豊田市立花山小学校、南知多町立日間賀小・中学校、岡崎市立宮崎小学校において、第33回東海北陸地区へき地・複式・小規模学校教育研究大会愛知大会が開催された。東海北陸ブロック7県(三重県、富山県、岐阜県、石川県、福井県、静岡県、愛知県)のへき地教育関係者(336人)が一堂に会して、直面する今日的課題やこれからのへき地教育の在り方について活発な討議、情報交換が展開された。

全体会

愛知大会では、第9次の研究主題として「ふるさとに夢と誇りをもって、未来の創り手となる子どもの育成~へき地・複式・小規模校の特性を生かした学校・学級経営と学習指導の深化・充実をめざして~」を掲げている。

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大会1日目は、岡崎市民会館において全体会が開催された。

開会行事、基調報告の後、県外発表が行われた。

岐阜県加茂郡東白川小学校では、少人数であることのメリットを最大限に活(い)かした指導を通して、自分を出し切り、自己表現する子供の育成を目指している。

三重県熊野市立飛鳥小学校では、算数科指導に焦点を当て、児童が自ら進んで学習に取り組むことができる授業づくりに取り組んでいる。

記念講演

石川県小松市立那谷小学校では、国語科指導に重点を置き、「つなぐ」をキーワードにして、「対話できる子」「主体的に学ぶ子」「学び続ける子」の育成に力を入れている。

続いて、竹島水族館館長・小林龍二氏による「水族館から学べること」と題した記念講演が行われた。

1956年にオープンした竹島水族館は、魅力的で人気な生物が飼育されているわけではないため、入場者数が激減し、閉館の危機に陥っていた。若くして館長に就いた小林氏は、常識にとらわれないさまざまな企画や展示を行うことで観客動員のV字回復を果たした。竹島水族館復活の秘密を紹介した。

「金がないから知恵を絞る」「立派なものより手作り」。小林氏は、小さいからこそ、いかに安く、そしていかに独自性を図るかを考え尽くしていく中で、弱点を武器にして館長自ら率先垂範して実行していった。「へき地」を弱点ととらえず、最強の武器としたいと熱く語った。

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2日目は、県内3会場で分散会が行われた。

1・2年授業風景(宮崎小)

第3分散会の岡崎市立宮崎小学校では、研究主題を「ふるさと宮崎で学び、新しい時代をたくましく生きぬく子供の育成~子供の語り合いを引き出し、深い学びにつなげる教師支援の工夫~」と設定し、「授業での語り合い」を引き出し、学びを深めるための教師支援を追究している。

1・2年生の学級は、1年生1人と2年生4人で構成された複式学級である。これまで宮崎地区に根付いた作物であるこんにゃく芋を栽培してきた。生活科の授業では、収穫したこんにゃく芋を「食べたい」「栽培を続けたい」という思いの葛藤を通して栽培の苦労や友達や地域の人たちの思いに気づいていった。

第1分散会の豊田市立花山小学校では、研究主題「仲間に学び、自らを育む子ども~地域、異学年・学級の仲間とつながる花山っ子~」のもと、「基礎となる学力を定着させる授業づくり」「ふるさとに学び、学びを生かした活動の創造」などを柱に研究実践に取り組んだ。

第2分散会の南知多町立日間賀小・中学校では、研究主題「ふるさとで心豊かに学び、新しい時代を切り拓く島っ子の育成~小中連携と地域連携の充実を通して~」のもと、小中学校での学びや成長を連続するものととらえる「小中連携」と、子供と島民との話し合い学び合いを通して子供の成長を支える「地域連携」を柱に研究実践に取り組んだ。

へき地学校には、ふるさとそのものを教材として生かす環境がある。これらを「へき地の特色」として積極的に生かし、新しい時代に向けたへき地教育を作り出すことを共通の願いとして閉会した。