(読者の窓)目的は何か

今年度、運動会の半日開催や組立体操実施の是非について、盛んにマスコミで取り上げられました。しかし、何のために運動会をするのか、その目的は何かということにふれられることはほとんどありませんでした。

運動会自体は目的ではなく、子供を育てるための手段です。運動会を行う目的を明確にし、その目的を達成するために必要な競技を考え、その結果、半日にするのかどうかを検討していくというのが本来の道筋ではないでしょうか。

また、「主体的、対話的で深い学び」が重視されることに伴って、話し合いが積極的に取り入れられています。ここでも、話し合いをすることが目的になっているのではと感じることがあります。

子供が自分の考えを伝えたい、友達の考えを聞きたいという気持ちになってはじめて話し合いが成り立ちます。話し合いは目的を達成するための手段です。

子供の気持ちに寄り添い、話し合いの場面を設定することが必要なのだと思います。

常識にとらわれない改革を進める千代田区立麹町中学校長・工藤勇一氏も、目的と手段が一致しないものや手段が目的化しているものは廃止・見直しをし、その上で、本来の目的を再確認して、最適な手段を再構築することが大切だと述べています。

目的を明確にもつこと。そして、手段を目的化しないこと。こうしたことを意識するだけで、きっと授業が変わり、子供が変わっていくのだと思います。

(鷲尾順一・名古屋市立港楽小学校長)