新学習指導要領に基づく授業づくり 県総合教育センター研究発表会

11月29日、「新学習指導要領に基づく授業づくり」をテーマに、「第59回愛知県総合教育センター研究発表会」が同センターにおいて開催された。新学習指導要領は、これからの時代を切り拓いていく子供たちに必要な資質・能力を育成するために、「カリキュラム・マネジメント」を改訂の軸として「主体的・対話的で深い学び」を実現し、学校教育の改善・充実の好循環を生み出すことを求めている。本研究発表会では、新学習指導要領の趣旨を踏まえた組織力の向上及び授業改善の観点から、約500人の参加者を得て、講演及び研究発表・研究協議を行った。


開会行事、基調提案に続いて、髙木展郎氏(横浜国立大学名誉教授)の、「新学習指導要領が目指す授業づくり」と題する講演が行われた。

学習指導要領改訂のキーワードである「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学び」等の解説やそれを踏まえた授業づくりについての興味深い内容であった。

「カリキュラム・マネジメント」については、これまで管理職だけで「教育課程の編成・評価・改善」について頭を悩ませてきたが、これからは「学校のグランドデザイン」を全教職員で作成し、合意形成を図ることが重要であるとした。そして、学校評価についてもカリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施することが望ましいと語った。最後に、これからの時代の教師に求められるものとして、「自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会に参画し、変革していく力」であると力説した。

講演する髙木展郎氏

午後からは、6つの研究発表部会に分かれての研究発表・研究協議が行われた。

【第2部会】「カリキュラム・マネジメントの在り方に関する研究」では、教育目標の実現を目指したカリキュラム・マネジメントに取り組むためのグランドデザインの策定と、グランドデザインと関連付けた授業改善について、小中高の実践事例が紹介された。

本部会では、自校の現状と課題を把握し、その改善を図りながら全ての教職員によって教育目標の実現を目指したカリキュラム・マネジメントに取り組むための組織と手法について研究を進め、育成すべき資質・能力を明確にした授業改善や評価に取り組んできた。

研究の方法として、①グランドデザインを作成する手法について検討し、その効果を検証する。②グランドデザインを基に、学校の教育目標の実現に向けて学年・教科でどのような資質・能力を育成するのかを明確にし、授業改善につなげる。③学校全体の取り組みについて、全ての教職員が育成を目指す資質・能力の視点から評価を行い、教育目標の再認識、計画の見直し、実施方法の検討を行うことが提示された。

研究のまとめとして、カリキュラム・マネジメントは、グランドデザインや他教科との関連を意識した教育課程等を一度計画して終わりではなく、常に「実施→評価→改善」というサイクルで循環させる必要があると報告した。

◇ ◇ ◇

第2部会以外の各部会のテーマと研究内容は、以下のとおりである。

カリキュラム・マネジメントについて研究発表

【第1部会】「協働共育型ミドルリーダーによるOJTの在り方に関する研究」―協働共有型ミドルリーダーを中心としたOJTの在り方や管理職によるサポート、環境づくりについての実践事例を紹介。学校組織力の向上を図るためのOJTを効果的に進める条件や要素について、3年間の研究のまとめを報告。

【第3部会】「小・中学校と特別支援学校が連携して取り組む特別支援教育の充実に関する研究」―小・中学校と特別支援学校が連携し、特別支援学級におけるライフスキルを高める自立活動の取り組みについて実践事例を発表。その後、事例を基に自立活動の授業づくりについて協議。

【第4部会】「小学校の外国語教育の在り方に関する研究」―新学習指導要領の趣旨を踏まえた、移行期間の実践事例を紹介。「学級担任や専科教員による指導の工夫」「パフォーマンス評価例」について報告。各地区及び各学校の取り組みと課題についての情報交換。

【第5部会】「県立高等学校教育課程課題研究(国語)」―新学習指導要領における国語科指導について、共通必履修科目を中心に、各科目で育成すべき資質・能力や、今後求められる学習指導について、実践研究の成果を報告。生徒の資質・能力を育成する各科目の性格を踏まえた具体的な指導の在り方を提案。

【第6部会】「県立高等学校教育課程課題研究(情報)」―新学習指導要領の「情報Ⅰ」を見据えて「コミュニケーションと情報デザイン」「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」の授業実践について報告。

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