(読者の窓)One Team

新型コロナウイルスが子供たちの当たり前の学校生活を奪ってしまった。突然の臨時休業。3年教室に掲示されていた卒業までのカウントダウンも途中で止まったまま。後日行われた卒業式。来賓も在校生もいない体育館。保護者の見守る中で送り出せたことが、せめてものはなむけとなった。

通常復帰を願う人々の気持ちをもてあそぶかのように、感染は収束しなかった。学校再開も延期。不安の中の入学式。時間短縮のために大幅に削った式次第。不安が期待へと変わっていくはずの新学期はまだ始まらない。

課題確認のために久しぶりに登校した1年生に早く始まってほしいか尋ねた。「家にいるほうがいい」という答えに面食らった。「好きなときにゲームができるから」が理由だった。中学校に入学した実感がないのも無理はないと痛感した。

不要不急の外出を自粛し、自宅で過ごす休日。社会人ラグビーを題材としたドラマを見た。全力で走る、投げる、蹴る。力の限り応援する。飛び散る汗。ぶつかり合うスクラム。ワールドカップの感動がよみがえる。まだ1年にもならないのに、遠い過去のことに思えた。「いや、これは明日の姿なのだ」と今は強く信じたい。

学校再開。感染のリスクはゼロになったわけではない。予防策は講じながらも、教育活動の推進に全力を注ぎたい。今こそ「One Team」を合言葉に一丸となって、子供たちの笑顔と日常を取り戻したい。常にポジティブシンキングで。

(前田成人・豊川市立中部中学校長)

あなたへのお薦め

 
特集