管理職研修「審査論文をどう書くか」(95)

審査論文テーマ

インターネットや携帯電話の普及により、児童生徒の生活への影響が心配されています。ネットやゲームなどに依存する子供が増え、うまく人間関係を構築できない事態が起こっています。また、インターネット上のトラブル、SNS利用上のトラブル掲示板やゲームの中でしか遊べない子供が増加しています。こうした現状に対して、あなたは教頭としてどのように取り組みますか。


【テーマの分析・解説】

インターネットや携帯電話の普及により、SNS利用上のトラブルに巻きこまれる事例がしばしば報告される。ゲームで遊んでばかりいて、人間関係を上手く築けない子供もいる。これらは、どの学校でも実際に起きていると予想できる。

このような問題を改善するため、教頭として、取り組むべき事を明確にして述べていきたい。

序論では、切実な問題に対して改善策を講じる必要性を述べる。本論では、①校内で実施すべき現職研修②保護者への発信と協力依頼③子供同士のかかわり合いを大切にした学校教育について記述していく。結びでは、理想の学校づくりに向けた教頭の強い決意を表明したい。

はじめに

携帯電話は、インターネットを使って多くの情報を入手できる。家族と簡単に連絡を取ることもできる。

最近では多くの子供が所持するようになっている。その一方で、SNSを利用した犯罪に巻きこまれたり、いじめにつながったりする事例が多く報告されている。ネットゲームに依存してしまう子供もいる。

このような状況は、いつ、どの学校で起きてもおかしくないものであり、早急に対応しなければならない。教頭として、校長の意を汲みながら、以下に挙げる三つの方策に取り組んでいく。

SNS利用によるトラブル等の理解を深めるための現職研修の実施

学校で子供が携帯電話等を使用する機会はほとんどない。ところが、家庭では多くの子供が使用しており、これらに関わるトラブルが多く報告されている。このような現状から考えると、特別活動等の時間を使って携帯電話等に関わるトラブルに巻き込まれない方法をきちんと子供たちに指導する必要がある。

しかし、SNSやネットゲームを実際に使用したことのない教員や、携帯電話に関するトラブルを具体的に理解していない教員も少なくない。そこで、生活指導担当と連携をとりながら、専門的な知識を有する講師を招聘した現職研修を実施する。

この研修では、講師から、トラブルに対する対応策やトラブルに巻きこまれない方法について、具体的な事例を基に学習する。そして、実際にSNSやネットゲームを教員が体験しながら危険性等を学ぶことができるような機会を設定する。

研修後は、全ての教員が研修を生かして継続的に指導できているか確認し、指導・助言をする。

保護者への情報発信と啓発活動の推進

携帯電話に関するトラブル等を未然に防ぐためには、保護者の協力は欠かせない。そこで、子供たちに規則的な生活習慣を身に付けさせるとともに、いつトラブルに巻き込まれてもおかしくない状況であることなどを学校便りにコーナーを設けて定期的に発信していく。

携帯電話やネットゲームは、子供にとって魅力的な機器である。だからこそ、保護者が携帯電話等の利用の指導や制限を加えることは容易ではない。

そこで、PTAと連携しながら、携帯電話やゲームを使用する際のルールを作成する。さらには、PTA活動として携帯電話やネットゲームに関する学習会を開催する。そして、これらの活動をPTA新聞で紹介し、PTAの行事で保護者が集まるときには、PTA会長から保護者に対して呼びかけるように依頼する。

こうすることで、全ての保護者がルールや情報を共有し、一体となって子供がトラブルに巻き込まれないように支えていくことができる。

子供のかかわり合いを大切にした学校教育の推進

学校は子供が学級の仲間や教師などと直接かかわり合いながらさまざまな活動に取り組む場である。ここには、携帯電話やネットゲームでは味わうことのできない達成感や充実感がある。そこで、子供のかかわり合いを大切にするため、次のようなことを地道に取り組む。

授業では、効果的なかかわり合いの場が実践されているか、若手教員を中心に、できる限り実際に授業を参観して確認・指導を行う。教務主任と連携を取りながら、校内授業研究等の研修の場を設定する。

委員会活動や行事では、仲間と協力しながら主体的に取り組める計画になっているかを担当者と共に確認し、その活動を支援していく。

おわりに

教職は次代を担う子供たちの成長の手助けができる魅力ある職業である。子供同士のかかわり合いを大切にしながら、心身ともに健やかに成長できる環境をつくりたい。子供のよさを引き出し、子供とともに成長できる熱意あふれる教師集団をつくっていきたい。

教頭として、校長の意を汲みながら、学校の活力を高めることができるように、率先して教師支援に尽力する覚悟である。

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