(読者の窓)唯一無二

本校は、稲沢市のほぼ中央に位置し、周りは穏やかな農村地帯です。校庭には樹齢二百有余年の黒松が一樹あり、市の天然記念物に指定されています。開校114年を迎えた本校には、もう一つ自慢できる素晴らしいものがあります。

赴任した当時、児童たちと通学路を歩いていると、「先生は、このお地蔵さんの名前分かる?」と尋ねられました。「分からない」と答えると、児童たちは、名前と由来を教えてくれました。なぜこんなに詳しいのかと驚きました。

その理由が分かったのは、3年生の総合的な学習の時間「片原一色のお宝自慢」でした。郷土についての理解を深め、地域を愛する心を育む学習です。

この学習に欠かすことのできない資料があります。開校百周年の際に、当時の教員、保護者そして地域の方々が、片原一色小学校校区の歴史、地誌、人物誌や学校の百年の歩みを調べ、3冊にまとめたものです。その内容の詳細さに驚き、漢字にふってあるルビに児童への温かい配慮を感じました。この資料のおかげで、児童はより深く地域を学ぶことができます。

この資料の存在を知ったとき、地域の方々の本校への深く優しい愛情を、これからも大切にしていきたいと思いました。

郷土を理解し、愛する心情を育むことができるこの素晴らしい資料は、どんなに新しい時代が訪れても失ってはいけない唯一無二の宝物です。

今年度も24人の児童がこの資料で片原一色のお宝を学びます。

(林雅子・稲沢市立片原一色小学校長)

あなたへのお薦め

 
特集