その成果を咲き誇らせる子の育成
人は人によって学ぶ。
人と関わり合う学びによって子供は達成感を持ち、次も学ぼうとする気力を抱いて主体的に学ぶことができる。予測不可能と言われる将来を生きる子供たちには、さまざまな問題に主体的に向き合い、他者と協働して乗り越えてほしいと願っている。問題解決的な学習を取り入れた本校の学びを通して、子供の生きる力を育てていきたい。
本校は、豊橋市内で最も新しい校区である。だからこそ、校区が一体となって子供たちの教育を支えようとする気概を強く感じる。学校で生き生きと学ぶ子供たちの姿や学んだ成果などを家庭や地域に伝え、広げていくことで、子供と家庭・地域、学校は深くつながり、子供を支える力が生まれる。子供たちが学びの意識をもって授業を楽しみに登校する姿を目指し、研究を進めてきた。
目指す子供の姿
問題意識を持ち、その解決に向けて主体的・協働的に学びを深め、学びから得たことを生かしていこうとする子
問題解決的な学習の3つの要素
2年間の実践を通して、本校が取り組む問題解決的な学習の3つの要素が確立された。
②追究する価値のある問題(発見・対立・疑問・こだわりなど)を取り上げる。
③単元および本時の授業は柔軟で弾力的に行う。
実践例【4年 社会】出動!つつじが丘消防隊~火事からくらしを守る~
校区の消防団の方の話を実際に聞くことで、多くの子供たちは「消防団の素晴らしさ・よさ」を感じることができた。その一方で「夜中の1時に出動したり、朝早くに訓練したりしている」ということを聞き「他の仕事もあるし、大変だから消防署に任せたらいい」という意見が出された。
対立する2つの意見を取り上げることで、多くの子が抱いていた「消防団はすごい」というイメージを考え直すきっかけが生まれ「消防団は、必要か」という問題意識を持った。
消防団の必要性について話し合う中で、子供たちは「消防団のおかげで助かった命もある」「自分の町は自分で守らなければならない」ことに気付き、消防団は必要と考えた。そして「自分たちも消防団に迷惑をかけてはいけない」と、火事を自分たちの問題としてとらえることができた。
実践を通して
問題解決的な学習の3つの要素は、子供主体の授業につながっていく。地道な学習によって子供たちは疑問を持ち、解決しようとさまざまに考える。その考えを表現する場を教師が適切に設けると、授業の中で子供たちは、さまざまな意見があることに気付いたり、新たな疑問が生まれたりする。
こうした実践を通して、子供たちが授業で活躍する場が増え、主体的に学ぼうとする姿が見られるようになってきている。
(川合利依校長、文責・豊田純子教務主任)
本校/℡0532(64)5121。