(こだま)5月の「母の日」、……

5月の「母の日」、6月の「父の日」は世に受け入れられているものの、7月第4日曜日(今年は26日)の「親子の日」を知る人は少ない。親と子の関係を見つめて、生を受けたことに感謝する日である。

歳を重ねるとしきりに思い出すことがある。半世紀前の「十五の私」のことである。そのころの自分は全く訳もなく父親を敬遠し、話し掛けられてもずっと無視し続けていた。ほろ苦い思い出だ。

かれこれ一昔前になるが、『1億3千万人のエピソードバラエティーコレってアリですか?』というテレビ番組があった。視聴者から寄せられた「コレってアリですか?」と言いたくなるエピソードをコントで再現するものである。その中に「拝啓十五の私へ」のコーナーがあった。

反抗期真っ盛りの15歳の自分を振り返るところから始まる。自分のためを思って気遣ってくれる両親の言動に対し、素直に受け入れられずにキレてしまう。そして、大人になった主人公が「子供扱いされるのが恥ずかしかったんだよな。父ちゃん母ちゃん、ごめんな」のように当時の自分の気持ちと両親への謝罪を綴るナレーションで締めくくる。

誰もが一度は経験したようなエピソードに共感した方も多いのではないか。どんなに悪態をつかれても、全てを包み込んでいる両親の愛情の深さに、つい涙してしまう。

コーナーのBGMはアンジェラ・アキの「手紙~拝啓十五の君へ~」。「いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど/笑顔を見せて/今を生きていこう」と歌う。

親というものは、全ての子供が素直な気持ちで聞く耳をもてるわけではないことを分かった上で、つまり自分の手のひらで、子供のしたことに対して悪いことは悪いと諭してやらねばならない。

年に一度、親と子が共に向かい合う日があってもよい。その日を通じて全ての親子の絆が強められたらどんなに素晴らしいことか。すでに鬼籍にある父であるが今更ながら「ごめんな」と心の中で呟いている。

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