【先輩からのとっておきアドバイス】自分らしくいるためには……

Q

隣のクラスと競争している自分がいます。隣のクラスの担任は教師歴20年のベテランで、キャリアも違うし比べても仕方がないと分かっているのですが、自分のクラスよりうまくいっていることがあるとねたんでしまいます。

どうしたら比べないで自分らしくいられるでしょうか。

(男性、教師歴4年)

A

「比べる」ことは悪いことではありません。それは、「よい教師になりたい」という意欲の表れだと思います。きっと子供たちのために努力している先生なのでしょう。

先生は、これから成長していく教師です。そこで、比べる対象を自分に近い年代、つまり、競い合える対象に変えてみてはどうでしょうか。

私は「互いに競い合える関係づくり」が大切だと思っています。しかし、競い合うことは一つで十分です。私の場合は授業でした。

私は、教師になって6年目頃から先輩教師に誘われ、授業研究のグループに所属しました。月に1回の定例会で、授業実践レポートを発表します。そして、発表者の授業実践をもとに意見交換をします。グループに所属する教師の年齢はさまざまでしたが、同年代も多く刺激を受けました。

時には、授業の課題を鋭く指摘されて、落ち込むこともありましたが、さまざまな授業実践レポートを聞き、授業に真摯(しんし)に向き合っている同年代の姿に「負けていられない」と感じる方が多かったです。そして、仲間に自分の授業を認めてもらいたいと思い、学校の現職教育にも力が入るようになりました。

研究授業は、指導案作成時から他の先生方にアドバイスをいただけるので進んで引き受けました。協議会で使う授業記録は、授業実践レポートにも役立ちました。同じ学年の先輩教師は、最も身近な相談相手でした。授業を参観させてもらったり、事前に自分の授業を見てもらったりして、授業づくりを学びました。

定例会への参加を続けるには、毎年新しい授業実践が必要です。そのため、新しい年度を迎えるごとに「今年はどの教科(領域)の授業に取り組もうか」と、担当学年や現職教育の主題などから、今年の自分のテーマを決めて実践に取り組むというサイクルもできました。

継続することの大切さを最も実感できたのは、担任している子供たちの反応です。

「今日の授業、面白かった」「先生、もう一回やろうよ」など、子供たちの素直な言葉や授業中の熱気、授業を終えて仕上がった作品などに表れる子供たちの進歩の証しが、実践の成果です。教師としての自信になりました。

学校の仕事を終えてから定例会に参加するのも、毎年何か実践をしてレポートにまとめるのも大変なときがありました。そんなときでも「先生らしいし、いい授業だね」などという仲間の言葉は励みであり、自分の支えでした。一緒に競い合ってきた仲間は、今でも頼りになる、よき相談相手です。

担任時代を振り返ってみると、学校でも定例会でも、さまざまな人から多くのことを学ばせてもらい、とても充実していました。

「授業がうまくなりたい。」という共通の願いを持った仲間と出会えたこと、よりよい授業を目指して競い合える場を持てたことが、私が私らしく教師を続けてこられた原動力だったと思っています。この経験が指導的な立場に立ったときにも、とても役立っています。

先生の教員人生はこれからまだまだ続きます。そして、何でも遠慮なく聞けるのが若い教師の特権です。まずは競い合い、共に歩む仲間を探してみてはどうですか。教師としての夢や悩みが語れる仲間や場を持つことで先生の教師としての人生もこれまで以上に充実したものになると思います。

(山下美保・半田市立さくら小学校長)

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