(提言)弱虫の覚悟

愛知県小中学校長会副会長 鵜飼洋一

約3カ月間の臨時休業、そして学校再開、夏季休業の短縮等、まさに感染症防止対策に翻弄(ほんろう)された半年間でした。「こんな時こそ校長としてどっしり構えなければ…」と思ってきましたが、泰然自若とはほど遠い自分の姿に情けなさも感じました。日々の学校生活における感染症防止対策だけでなく、学校行事においても心細さと迷いの中で、最悪の「もし…」ばかりが頭をよぎりました。保護者・地域の皆さまに信頼していただき、学校の背中を押してもらいましたが、自分の校長としての弱さを痛感した半年でもありました。

そんな自分の臆病さを自覚しつつも、校長としての覚悟が試された場面が多々ありました。慎重かつ毅然(きぜん)とした判断をするために、大切にしたいと思ったことがいくつかあります。

まず心掛けたのは、校長の独断に陥らないことです。職員が納得して動くことが最も重要で、職員の共通理解とチームワークを築くための手だては、このような状況の中では特に大切であると感じました。一方で校長としての「胆力」「魅力」「迫力」で力強く方向性を指し示し、時には職員を鼓舞することも必要でしょうか。

次に、「ゼロリスクではない」ことを前提として、極論に走ったり開き直ったりすることなく、学校としての情報リテラシーを発揮し、合理的で持続可能な対策を構築することを心掛けました。感染防止へのできる限りの対策や根拠を徹底的に考え抜く細心さこそが、柔軟で信念のある組織対応を生むのでしょうか。本校職員の、最後まで諦めず、工夫して、粘り強く実践しようとする心意気に感謝する日々でした。

また、判断時期と根拠を明確にして、責任者として「もどかしさ」に耐えることも大切で、決断する時期を冷静に見極める我慢の大切さも痛感しました。

この半年間、実にさまざまなことが見えてきました。学校再開への思いや、再開後の学校のしなやかなレジリエンス、日常への感謝を今後も心にとどめたいと思います。臨時休業を経て、学校教育が社会の根幹を支えていることを、社会全体が再認識したのではないでしょうか。社会的な基盤である学校教育に携わっていることを強く意識し、矜持を持って教育活動を推進していこうではありませんか。

(長久手市立長久手中学校長)

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