新学習指導要領に基づく授業づくり(2年次) 県総合教育センター研究発表会

11月27日、「新学習指導要領に基づく授業づくり」をテーマに、「第60回愛知県総合教育センター研究発表会」が同センターにおいて開催された。本年度は、新型コロナウイルス感染症対策として、Zoomを用いたオンライン研究会とし、新学習指導要領に基づく授業づくりという観点から、講演および研究発表・研究協議を行った。本年度から新学習指導要領の全面実施が、小学校を皮切りに順次行われている。新学習指導要領は、これからの時代を切り開いていく子供たちに必要な資質・能力を育成するために、「主体的・対話的で深い学び」を実現し、学校教育の改善・充実の好循環を生み出すことを求めている。今まさにコロナ禍において、新学習指導要領の理念の実現に向けた取り組みの重要性が高まっている。

開会行事、基調提案に続いて、天笠茂氏(千葉大学特任教授)の、「新学習指導要領がめざすカリキュラム・マネジメント~指導と評価の一体化を中心に~」と題する講演が行われた。

学習指導要領の改訂のポイントは、資質・能力の3つの柱を具体化し、授業の中でどう実践的に展開していくのかである。

カリキュラム・マネジメントを核として、教科等横断的に資質・能力の育成を目指すことの必要性や、学習評価を授業改善にどう生かしていくのかについてなど指導と評価の一体化についての興味深い内容であった。

午後からは、5部会に分かれての研究発表・研究協議が行われた。以下、研究要項を基に照会する。

【第1部会】

「学校教育目標を実現するための社会に開かれた教育課程の在り方に関する研究(中間報告)」では、教育目標を地域や異校種間で共有し、学年運営や教科指導等に反映させた授業実践が報告された。

平成30年度から令和元年度まで行ってきた「カリキュラム・マネジメントの在り方に関する研究」を基に、社会とのつながりを踏まえたグランドデザインの策定を通して、これからの時代に求められる資質・能力を育成するための目標を社会と共有し、連携・協働によってその実現を目指すものである。

新城市、東浦町両地区の研究協力校を拠点として協議を進めてきた。新城市立八名中学校では、全教職員でグランドデザインの策定に取り組み、生徒に身に付けさせたい資質・能力の中心に「本気」「創出」というキーワードを据え、実践に取り組んだ。東浦町立生路小学校では、学校の現状について全職員で意見交換し、分析を行った。身に付けさせたい資質・能力を「目的意識をもち、なりたい自分に向かって行動する力」などの3つに定め、指導案に明記して授業実践を行ったと報告した。

【第2部会】

「多様な校種における情報モラルとICTを活用した授業実践の研究」では、発達段階に応じた効果的な情報モラルの指導法の研究とICTを主体的・対話的で深い学びに活用した研究の報告が行われた。

両研究の共通の目的は、校種の異なる研究協力委員が既存のコンテンツや新しい教材などを活用して授業実践を行い、指導の効果を検証することにある。

情報モラル指導法の授業実践校北名古屋市立師勝東小学校では、利用時間の長さが自分の生活に与える影響について理解していてもそれを改善できない児童がいるという実態があった。そこで、ネットやゲームのより適切な使い方を児童自身で考え、話し合うことで自らルールを作り守ろうとする自主的・実践的な態度を育てる場を設けた。それにより、児童それぞれが考えたルールを保護者と共有し、どれだけ守られているかを確認することで、ネットやゲームの適切な使い方について継続的に意識することができたとの報告があった。

ICTを活用した授業実践校県立一宮高等学校では、地理情報システム(GIS)の利用を通して、身近な地域で起こりうる自然災害について考察する授業を行った。生徒は、考察に利用した地図画像をコンピューター上で貼り付けるなどしてレポートにまとめ、グループ内で発表しあった。この活動により生徒は、他者の考察を共有でき、自分の考察を深められ、防災意識の向上が見られたとの報告があった。

【第3部会】

「いじめの組織的な未然防止に関する研究(中間報告)」では、児童生徒と教員のいじめに対する認識の相違を把握し未然防止に活用する取り組みの中間報告が行われた。「いじめ」に対する認識について、各学校(小学校、中学校、高等学校)で実態を調査し、児童生徒と教員のいじめに対する認識の相違を把握する。その結果を教員間で共有し、事例を用いた校内研修を実施することで、いじめに対して組織的に対応できる教員の育成および未然防止に対する意識向上を図ることを目的としている。

アンケート調査では、児童生徒および教員の多様な認識、両者の捉え方の相違を把握することができた。今後、各校が実態調査を実施し、実践例を参考にして実態に合わせ、職員会議や現職研修の場で結果を共有したり、協議をしたりするなど、広く活用してほしいとまとめた。

【第4部会】

「県立高等学校教育課程課題研究(地理歴史、公民)」では、思考を活性化する発問や効果的な資料提示、社会的な見方・考え方を深める手だてについて紹介された。

【第5部会】

「県立高等学校教育課程課題研究(理科)」では、生徒が学習の変容を自覚できるポートフォリオの具体的な活用方法が提案された。

研究成果については、研究紀要にまとめ、当センターのウェブページ上で公開し、さまざまな研修に生かしていく。

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