(読者の窓)変わる大切さ

「1年前の自分は別人である」

分子生物学者の福岡伸一さんの言葉である。生物の体は細胞レベルで常に壊されながら新しく作り変えられている。このように、壊しては入れ替え、絶えず動きながらバランスを取っている状態のことを「動的平衡」というそうである。

変わることで長持ちさせるという仕組みは、現在のコロナ禍では大切な考え方だと思う。

コロナ禍によって、各学校では年間行事計画の大幅変更が強いられた。

私の勤務校では、本年度の年間計画を全て白紙にして、ゼロから見直しをしていった。一つ一つの学校行事について、目的は何か、本校の実態に照らして重要度はどれくらいなのかと検討をしながら、必要最小限の学校行事を吟味して年間計画に位置付けていった。この作業は、学校の教育活動全体を見直しスリム化を図るとてもよい機会となった。

企業では、業種に応じて仕事の仕方が変わり、テレワークやウェブ会議への移行が進んでいる。 学校でも、授業が対面だけでなくリモートでも行われるようになった。文部科学省からはギガスクール構想が示され、政府ではデジタル庁が新設されるなど、デジタル化が一層進んでいる。

変わるのはなかなか難しいことであるが、この機会を捉えて、「1年前の学校とは別のすてきな学校に変わる」ことができるように願っている。

(児玉康彦・名古屋市立見付小学校長)