【愛知県総合教育センター】 第60回愛知県総合教育センター研究発表会

新学習指導要領に基づく授業づくり

愛知県総合教育センターでは、昨年11月27日に、第60回愛知県総合教育センター研究発表会を開催した。

テーマを「新学習指導要領に基づく授業づくり」とし、千葉大学特任教授の天笠茂氏から「新学習指導要領がめざすカリキュラム・マネジメント―指導と評価の一体化を中心に―」と題して講演があった。

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天笠氏からは冒頭、新学習指導要領を学校現場において、どうそしゃくして実践におろしていくのかという段階に入っているという説明があった。つまり、ここまで言われてきたことをどう授業に落とし込むかがポイントであるとした。以下に、講演の内容を紹介する。

●目指す理念と手段の見極め

学習指導要領を全体的なグランドデザインと考えると、「社会に開かれた教育課程」という理念を実現するための手段(手だて)が、「学びの地図(学習指導要領等の枠組みの見直し)」「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラム・マネジメント」である。

学習指導要領というグランドデザインの下、資質能力の3つの柱「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」を、どう具体的・実践的に授業で展開していくのかが、各学校に問われている。学習者の主体性・能動性を引き出しつつ、深い学びを実現する教育の質的転換、授業の質の改善が求められている。そして、授業改善は、カリキュラム・マネジメントと密接な関係にあり、セットで考えていく必要がある。

●教科等横断的な視点からのカリキュラム・マネジメント

資質能力の育成は、1つの教科単独で迫れるものではない。それぞれの教科で、専門性を深めるとともに、教科で深めたものが、資質能力の育成と結び付いているかが問われている。教育課程を構成する全ての教科等が、それぞれの役割を果たし、カリキュラム・マネジメントで連携と横断を生み出すことが求められている。

ある教科の授業を他教科の先生が見合うことができている学校は、実質的にカリキュラム・マネジメントが始まった学校である。学校種を超えて授業を見合う実践ができている学校は、カリキュラム・マネジメントを行っていると言える。

●2つのPDCAサイクルをつなげる

学校教育目標に着目した学校全体のPDCAサイクルと授業を核とした個人レベルのPDCAサイクルを、どのようにつなげていくかが大切である。その2つを全ての教職員で、カリキュラム・マネジメントに取り組む中で見つめ直してもらう。そのためのキーワードの1つが「学習評価」である。授業の評価をどうしていくのかを、学校全体の共通の問題意識にすることで、2つのPDCAサイクルをつなげることができ、一人一人が自分事として捉えることができる。

●学習評価と授業改善

学習指導と学習評価は、学校の教育活動の根幹であり、カリキュラム・マネジメントの中核である。だからこそ、学習評価を生かした授業改善の取り組みが大切である。

教科等横断的な授業において、ある教科で得た知識を他の教科で活用することに焦点化された学習評価を行っていれば、授業のねらいと子供の学び・成長とがつながり、学習の改善と学習評価が一体となって展開していくことができる。このように評価のプランを練りながら、学習のプランを練り、単元の構成を考え、指導することも指導と評価の一体化と言える。

●つなげる・つながる

カリキュラム・マネジメントは、全ての教職員が参加することを通して、特色をつくり上げていく営みである。一人一人がそれぞれの立場から関わり、学級経営の取り組みや日々の授業をつなげていくことが大切である。