これまでの自分の考え(一つの考え)をより深めた新たな考え(二つの考え)に 新城市立黄柳川小学校

▼主題設定への思い

本校は、全校児童53人の小規模校である。令和元年度より、多面的・多角的な見方、考え方のできる子供の育成を目指し、道徳教育に力を入れている。研究主題を設定する際に、目指す子供の姿をより具体的に記すことが、授業の具現化や職員の共通理解に結び付くと考えた。そこで、「考える・議論する活動を通して、自分の考えを発展させたり、新たな考えに気付いたりしてほしい」という願いを、研究主題「一つの考え方よりも二つの考え方のできる子供の育成」に込め、研究を開始した。

考えを深めるための教師のひと声

▼本時のねらいの具現化

授業者が資料の中に大切な価値を見つけ、子供たちに考えさせたいことを明確にする。そこで、本時のねらいとして「気づかせたい考え」を設定し、子供に求めるもの、ゴールの姿を明記する。また、他の教諭も自分が授業者なら本時のねらいや主発問をどうするかを考え、「授業づくりシート」に記入し、互いに教材研究を深め合う。

▼授業展開の工夫

(1)資料との出合わせ方の工夫

本校では、導入スタイルを、価値観への導入、資料理解への導入、雰囲気作りの導入の三つに分類している。本時のねらいや児童の実態に合わせて選び、教材への興味や問題意識を高めている。

(2)発問・補助発問の工夫

子供にとって「発見」や「納得」が生まれる授業とは、新たな考えに気付いたり、考えを発展させたりする授業である。本時のねらいへの到達を目指して、子供が「えっ」と立ち止まる発問を考える。事前検討の視点の一つとして、思考を刺激する発問をねらっている。

また、子供の思考を深めるための教師の出が重要である。予想される子供の発言に対し、補助発問(問い返し、問い直し)を準備している。教師が「開かれた発問」から「閉じた発問」に変えていくことで、議論を活発化させ、思考の深化に結び付ける。

(3)授業展開・活動の工夫

低・中・高学年での合同道徳を、年間計画に位置付けている。合同で授業を行うことで、多様な考えの出現、考えの差による盛り上がり、上学年の自覚、複数の教師の登場、教師同士の相談や研修など、多くのメリットを感じている。また、個人発表・ペアやグループ討議、指示棒リレーや小黒板発表、心情円や三色カップによる思考の見える化などの工夫を凝らしている。

(4)自分を客観視する終末

授業の終末では、「自分はどうかな」と高次から自分を振り返り、なりたい自分を思い浮かべさせたい。本時で扱った価値の日常化を図り、自分がわかったこと、友達から学んだこと、これからどうしていきたいか、の三つの終末スタイルの振り返りを行っている。

▼全校活動や地域との連携

教育活動全体を通じて、道徳性を育む活動を大切にしている。友達の思いやりや善行を見つける「花咲き山活動」、道徳オリエンテーション、自作教材など、児童の心を耕す場を設けている。また、ふるさとを歩く会、黄柳川かるた作り、共育花壇活動、「5つの種・50冊の本・500周かけ足」活動など、家庭や地域と連携した道徳教育を大切にしている。

(白井和典校長、文責・伊藤一夫教諭)

本校/℡0536(34)0206、URL=https://www.city.shinshiro.lg.jp/edu/tsugegawa-el/