(読者の窓)見損なってた

「先生、オレ変わったでしょう?」ゴルフ練習場で7年ぶりに偶然再会した教え子の第一声でした。「う、うん、一瞬誰か分からなかったよ」とたくましく自信あふれる姿にびっくりする私。

彼は、私が二校目の学校で担任した生徒でした。当時は、まだツッパリ系の生徒が多かった時代で、彼も多少その傾向がありました。ただ、特に問題行動があるわけではなく、少し髪の毛や服装をイジる、お口が達者なナンチャッテツッパリ君という印象の子でした。

高校入学後まもなく、彼がラグビー部に入ったと報告に来てくれました。私は「そうか、頑張れよ」と言ったものの、内心は「3カ月続くだろうか?」と思っていました。

というのは、中学時代の彼は、肥満体形で全く運動をしておらず、お坊ちゃん育ちのため、努力や根性という言葉とは最も縁遠い生徒だと思い込んでいたからです。その上、彼が進学した高校は、花園にも出場経験のある強豪校だったのです。

その後話を聞くと、花園には一歩手が届かなかったものの、レギュラーで活躍し、大学もラグビーの推薦で進学。愛知県の大学選抜チームのキャプテンを務めているとのことでした。

教え子の成長した姿をうれしく思うとともに、彼の可能性を見抜けず、その努力を信じてやることができなかった自分を深く反省させられました。それ以降、「この子はこの程度だろう」と生徒の成長の限界を勝手に決めつけることのないよう自分を戒めています。

(岡田博史・名古屋市立菊井中学校長)