【教師力・人間力(43)】愛ある授業を創るために

「名古屋市でいちばん話し合いの上手な学級を創りたい」

これは私が新卒2年目に自分自身の心の中に定めたチャレンジ目標です。「教師や子供が一つの資料を提示するだけで、ずっと子供同士で話し合いが続く。さらに、教師は話し合いを深めていくための探究支援者としてシャープな授業力、教師力を発揮していく」

そんなことを思い続けているうちに素晴らしい授業に出合いました。

ある大学の附属小学校で社会科の公開授業を参観したときのことです。

子供同士が自分で調べ考えたことを発表しながら「皆さん、わたしの考えについてどう思いますか」と問い掛け、次の子供が応答しながら、さらに自分の考えとそれを裏付ける資料提示をしながら発表しつなげていく…。

教師はこのときとばかり、きらりと光る発言等を取り上げ、問い返しの発問をしたり、資料を提示したりして、話し合いを深めようとする。知らず知らずのうちに授業者のねらいが達成され、一人では到達しえない高みへと子供は思考を深めていく。まさに練り上げ型の授業です。さらに、子供たちの問いは続いていきました。

こんな授業をどうしたらできるようになるのだろうか。

まず、授業力を高めるためにはよい授業をたくさんみて、イメージトレーニングをすることが大切ではないでしょうか。

そして、よい授業からは、きっと教師と子供による共創型の学級経営、学級づくりが読み取れるはずです。4月・5月、その教師は大いに子供たちと遊び、人間関係を築きながら、学習習慣を確立しているはずです。

私の場合、「話す」「聴く」のトレーニング、「話し合い」のスキルを徹底的に子供たちと話し合いながら習慣化していったのを覚えています。(なかなかはじめからはうまくいきませんでしたが…)

こうした授業者の子供を思う惜しみない徹底した努力と知恵がよい授業をつくる土台といえることはいつの時代になっても不易ではないでしょうか。教師の笑顔と共に。

◇  ◇  ◇

学校で過ごす時間のほとんどが授業です。これからの教師はまず、先人が培ってきた教材開発力、指導技術等をまず先人の授業から盗み、真似することからはじめていくのはどうでしょう。そして、さらに自分なりの改良を加えていっては…。

最後に、平成27年度末に作られた広島県の安芸高田市の授業づくりスローガン」を紹介します。

あ 愛情のある授業をつくります。

き 基礎・基本を習得し、活用する授業をつくります。

た 対話し、学び合える集団を育てる授業をつくります。

か 考えが深まる授業をつくります。

た 互いに見合い、学び合って授業をつくります。

あの愛情のある授業、最後のたの仲間同士で授業を学び合う授業研究を意味するところは、本テーマに特に直結するフレーズです。

今後は時代の流れを意識し、1人1台ダブレットとICT機器を積極的に活用して、一人一人の主体的・対話的で深い学びを実現していってほしいと考えます、子供への惜しみない愛を片時も忘れることなく。

(出井伸宏・名古屋市教育センター研究調査部長)