管理職研修「審査論文をどう書くか」(100)

学校がよりよい教育活動を推進するためには、地域や保護者からの信頼を得ることが必要です。しかし、保護者などからの要望が多様化している現在、学校には多くの要望や苦情が寄せられ、教職員がその対応に苦慮することが多くなっていることも事実です。あなたは教頭として、この状況をどう捉え、どのような対応策を講じますか。


新型コロナウイルス感染防止対策を講じながらの学校生活はしばらく続くことが予想される。コロナ禍であっても、教職員の力量向上に努めながら、知恵を出し合い、教育活動を推進し、子供たちの学びを保障していくことが学校の責務である。

また、コロナ禍だからこそ、今まで以上に学校の取り組みを地域の方や保護者に理解していただき、協力を得るために、教育活動を積極的に公開していく必要がある。また、地域の方や保護者の願いを聞き、その願いを取り入れていく必要がある。地域と保護者との連携を図り、信頼される学校づくりのために、教頭としての具体的な方策を述べたい。

▼はじめに

子供たちが楽しく、笑顔で学校生活を送り、健やかに成長していくことを願うことは、地域の方や保護者、教職員も同じである。子供たちにとって「通いたい学校」地域の方や保護者が「通わせたい学校」とするためには、地域や保護者の要望を受け止め、学校の組織力を高めていく必要がある。価値観が多様化している現状を受け止め、教頭として、どのような取り組みをしていくのかを①情報発信と連携②教職員の力量向上③風通しのよい・チームで対応する組織づくり、の三つの視点から具体的な例を入れながら述べていく。

1 情報発信と地域・保護者との連携

地域や保護者から信頼を得るための第一歩は、学校の教育活動を理解していただくことである。そのために、ホームページを有効に活用していきたい。子供たちの授業や行事の様子、登校時や放課の様子だけでなく、教職員の研修や行事の準備の様子など、さまざまな場面を掲載していきたい。子供たちが生き生きと活動する様子を発信していくことはとても大切であるが、教職員の思いや努力を理解していただくことも大切であると考えている。

また、発信するだけでなく、地域や保護者の意見に耳を傾けることが重要である。学校運営協議会の設置が努力義務となり、現任校ではコミュニティ・スクールの立ち上げの準備が始まった。校長の学校経営方針を踏まえ、地域や保護者の願いを大切にして、地域とともにある学校づくりに、尽力していきたい。

2 教職員の力量向上

保護者の要望や苦情をじっくり聞くと教職員の授業力や学級経営、子供たちへの配慮に関することなど、教職員の力量に関わると思われることがある。また、教育現場には、新学習指導要領を踏まえた授業改善と評価の在り方やGIGAスクール構想など数々の教育課題が山積している現状もある。このような状況を考えると、教職員の力量向上を図る校内研修を充実させることは重要である。そこで、教務主任と連携し、全体での研修会や少経験者を対象としたミニ研修会(具体的な場面を想定した内容 例えば家庭訪問や保護者会で気を付けることなど)を年間通して、適切な時期を考え、計画していく。講師はミドルリーダーや教頭、時には校長にも依頼をして、全教職員が常に力量向上に努める教職員集団をつくっていく。この取り組みが学校の活性化にもつながるものにしたい。

3 風通しのよい・チームで対応する組織づくり

保護者の価値観が多様化しているので、現任校でも保護者からの要望や苦情などがあり、その対応に苦慮するケースも見られる。そうしたことを教職員が一人で抱え込まないように、何でも話ができる、困った時に声を出せる職員室にしていく必要がある。そのために、教頭として日頃から教職員の意見などに耳を傾け、迅速に、誠意をもって対応することを大切にしたい。そして「報告・連絡・相談・確認」を常に意識させていきたい。

また、事が起こってしまった場合は、その事案に対応するチームをつくり、一人一人が担当する内容を明確にして、迅速に、誠意をもって対応していく。そのキーパーソンは教頭である。校長の指導を仰ぎながら、学校として誠実に対応することが、保護者の学校への信頼へとつながっていくものと考える。

▼おわりに

教育活動を推進していくうえで、教職員が学校経営方針を理解し、同じ方向を向いて、日々の職務に意欲的に取り組んでいくことが大切である。そのことが地域や保護者から信頼される学校につながっていくと考える。教職員が教育者としての誇りをもって、子供たちの健やかな成長を願って、「チーム学校」を意識しながら教育活動を推進していくための要は教頭である。校長の指導を仰ぎながら、誰からも信頼される学校づくりのために、できることを考え、まい進していく所存である。