今から10年程前のことです。何事もままならず、一向に前向きになれない時期がありました。困難な生徒指導にその保護者対応、待ったなしの職務に追われながら、まるで出口の見えないトンネルの中を、ただ延々と歩んでいるような心境でした。
この本と出合ったのはまさにその頃です。心に一片の救いを求めてページを進めていくと、突然
この一文が目に飛び込んできました。
世の中、「うまくいかない」と覚悟する 結果自然(じねん)に成る(少室六門集)
この禅の教えに触れたとき、現状のあるがままを肯定し、自身を鼓舞する感情が湧き起こったのを今も鮮明に覚えています。
以来、この本は、折に触れて私に新たな気付きと力を与えてくれる、座右の書となっています。
(服部恭児・愛西市立市江小学校長)