【教師力・人間力(44)】自分で考え実践する

令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策による4月5月の休校で始まりました。学校が再開してから教職員には、この対応がいつ終わるのかではなく、これが日常で、この状況で何がやれるのかを考えることが大切であると話をしてきました。一斉休校など私にとっても教員生活で初めてのことは多くありましたが、今置かれている状況を考え、判断をして学校経営をしてきました。そういった中で特に大切にしてきたことは、常に一度立ち止まって何ができるかを考えてから取り組むことです。教職員と一緒に考え、取り組んだ実践をいくつか紹介します。

【目的を考える】

一つ目は、目的を考えるようにしました。令和2年度は、新型コロナウイルスの影響もあり、やらないこと、やれないことが多くありました。そんなときに、「これをする目的は何か」と教職員に聴くようにしてきました。前の年にやったからというのは理由にはならず、目的に沿って、達成できる方法を考え、実践するこを大切にしてきました。児童数759人の本校では、児童を一堂に集めたり、保護者を学校に招いたりしなかったので、オンラインによる、集会・授業参観・フェスタ(学芸会)など、各担当の教職員が目的に沿ってやれる方法を考え、実施しました。保護者からは、「直接見ることはできないが、学校の様子がわかった。」「単身赴任している父親や遠くに住んでいる祖父母も参観することができた。」などの意見をいただきました。

【伝えるではなく伝わる】

二つ目は、新しい生活様式の学校生活の中で、どのように人と人とのつながりをもっていくかを考えました。つながる手段の一つとしてのコミュニケーションで大切なことは、「伝える」ことではなく「伝わる」ことだと痛感しました。言ったとか伝えたつもりでは意味をなしません。自分は誰に何を伝えたいのか、何を考えさせたいのかを強く意識して、言葉・タイミング・内容・スピードなど考えて発信することが大切です。話す相手を見ていると、伝わっているかどうかもみえてきます。(それでも伝わらないこともありますが)本校では、コミュニケーションタイム(テーマを決めた朝15分の話し合い)を実施しています。ただの意見発表ではなく、教師がファシリテーターとして、子どもにどのように自分の考えを発信させるかを工夫するようになってきました。

【柔軟に考える】

三つ目は柔軟に考えることです。何かに取り組むときに、「難しいです」で止まる教員もいれば、「〇〇は難しいですが、××という見方・やり方も考えられますがどうですか」と視点を変えて考え、意見を発信する教員もいます。ベテランの教職員も若手の教職員も今まで通りではなく、こういう方法でやってみたいと考えられる教員が育ってきました。今年度行われた、野外活動の代わりに実施したファイヤーレクや開催方法を変更しての持久走の会、2日間の日帰り修学旅行の取り組みは、そんな柔らかい発想で実施しました。

本校では、この2年間で、「自分で考え実践する、子どもが考える仕掛けをする」、という教職員の姿を多く見るようになってきました。教職員が決められたことではなく、自分で考え、周りに考えを発信して、さまざまな実践している姿を見るのはとても楽しいです。

そして自分自身も、常に目的を考え、周りと話をして柔らかい頭をもってさまざまなことに取り組んでいきたい。

(二村圭史・大府市教育委員会主席指導主事(前大府市立共長小学校長))