(提言)社会とともに変化する学校

名古屋市教育委員会 指導室 首席指導主事 笹口 真

友達同士で相談をしながら解き方を考える子、耳栓をして黙々と問題を解く子、先生の説明を聞いている子。オランダで見た「ブロックアワー」での様子です。

令和元年8月、「画一的な一斉授業からの転換を進める授業改善」事業の海外視察として、選抜された教員らとともにオランダを訪れました。その際、訪問したイエナプランスクールでは、異年齢で構成された学級を基に、全員が円になって行う「サークル対話」、自ら学習計画を立てて学びを進める「ブロックアワー」、協働しながら探究する「ワールドオリエンテーション」などに取り組む子供たちとそれを支えるグループリーダー(教師)の姿を間近で見て、書籍だけでは味わえない感動を得ました。そこには、新学習指導要領が目指す「主体的・対話的で深い学び」の姿を重ねて見ることができたからです。子供を中心に据えた授業改善に向け、多くの学びがありました。

名古屋市教育委員会では、「社会が劇的に変化する中で、『自らの可能性を最大限に伸ばし、人生をたくましく生きていく』なごやっ子を育成するために、子供一人一人の興味・関心や能力、進度に応じた個別最適化された学びをより一層進める」ことを目的として、「ナゴヤ・スクール・イノベーション」事業を展開し、実践研究が進んでいます。

「個別化・協同化・プロジェクト化」をキーワードとした矢田小学校でのモデル実践は3年目を迎えました。また、全市から毎年8名の教員が実践者として選抜され、実践研究に取り組んでいます。学校園の課題やニーズと民間事業者などのノウハウを結び付け実践に取り組むマッチングプロジェクトも始まりました。これらの成果は、公開授業や学習会という形で本市の学校園に広く還元するとともに、今後はロールモデルとして、全市に展開することを想定しています。

今、技術革新だけでなく、新型コロナウイルス感染症拡大に代表されるように、複雑で予測困難な時代を迎えました。急激に変化する社会の中をたくましく生き抜く子供たちを育むためには、社会の変化とともに学校教育も変化していかなければなりません。世界には様々な教育があります。また、国内にも創意工夫ある教育活動が数多くあります。

1人1台端末整備も急速に進みました。これらのよさを積極的に取り入れながら、目の前の子供たち一人一人に応じた学びの提供について、常に改善を図っていく努力と柔軟さが大切だと考えています。

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