(提言)360万円貯金理論

岡崎市立甲山中学校長 柵木智幸

令和元年12月、国の給特法一部改正を受け、本市岡崎においても学校管理規則に教員の時間外在校等時間の上限が月45時間以内かつ年360時間以内と定められ、今年度4月から待ったなしで施行されることとなった。

このことを受け、本校では働き方改革を一層推進する上での課題を洗い出し、主に2点に焦点を当てることとした。一つは授業のない時間、いわゆる空き時間の使い方である。この時間は生徒が毎日提出する日記の朱書きや宿題点検に使われており、教材研究や校務分掌がほとんどできないでいた。もう一つは平日の部活動の在り方である。特に1学期には18時まで指導が続き、その後に仕事を行わざるを得ない状況であった。これらの課題解決のため、職員で何度も改善方法について話し合い、より身近に働き方改革を意識できるよう、「1年間360万円の貯金を月に45万円を上限に使え、残金がいくらあるか」という「360万円貯金理論」を提案して、主に次のような取り組みを始めたところである。

まず、週9回程度の空き時間を教材研究などに活用できるよう、日記を月曜日の帰りの会で全員記入して提出、他の日は自由提出とした。提出回数減で生徒の変化や悩みなどを把握しにくくならないよう、行事や学期の節目に記入するキャリアノートの活用や個別面談の充実を図っている。併せて、日々の宿題であった問題集は割愛し、主体的な学習を奨励するようにしている。

部活動では、1年を夏季(3~9月)と冬季(10~2月)に分け、平日3日練習を夏季は80分程度以内、冬季は30分程度以内とし、また、練習内容を考慮した複数顧問輪番制を取り入れ、週3回のうち2回を担当して指導するようにした。さらに、休日練習は土日のどちらか1日を3時間程度とし、夏季は月3回以内、冬季は月2回以内としている。練習時間減で生徒の活動意欲が薄れないよう、年5回程度キャプテン会を開き、生徒の自主的自発的な運営ができる一助としている。

以上の主な取り組みにより、今年度当初には、職員の約90%が月45万円以内で生活できるようになった。360万円貯金理論で、全教職員の豊かでゆとりある生活を目指し、小さな改善は学期ごとに、大きな改善は次年度に向け検討をしていきたいと考えている。

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