(読者の窓)愛される町

あまり知られていませんが、春日野学区はとても歴史のある町です。

突然ですが本校の校歌2番から。

♪松巨(まつこ)の嶋の昔から 栄えた跡がなつかしい 春日野小学校は笠寺台地にあります。そしてその昔、この地方が「松巨嶋(まつこじま)」と呼ばれる島であったころからこの辺りが栄えていたことを校歌の2番に入れて歌っているのです。

いかに地域の皆さんがこの町一帯の歴史と伝統を愛しながら暮らしているのかが伝わってきます。学校自体は桜小学校から独立して今年50周年を迎える、まだまだ若い学校です。

万葉集にもこの地を詠んだ歌があります。学校の東には八幡社があり、そこの石碑には「桜田(さくらだ)へ 鶴(たづ)鳴き渡る 年魚市潟(あゆちがた)潮干(しほひ)にけらし 鶴鳴き渡る」

という万葉集歌が刻まれています。

村上社には大楠(おおくすのき)と大蛇にまつわる昔話があります。これは、楠に住みついた大蛇が村人を困らせたので、村人が大蛇に酒を飲ませ、眠ったところで取り押さえてしまうという八頭の大蛇を題材にした昔話です。

江戸時代には東海道も発達・整備され、熱田の宿から鳴海の宿へ行く途中の道として春日野小学区の中を走っています。近くには遠浅の海が広がる地形を利用して塩田が発達し、塩の道=塩付街道も伸びていました。

春日野の町並みはひっそりとしていて静か、そして、とても古くから人が住み、生活を営み続けている町なのです。

 (三浦昌道・名古屋市立春日野小学校長)

関連記事