管理職研修「審査論文をどう書くか」(102)

児童生徒へのわいせつ行為や体罰など、教職員の服務義務に反する事故の発生が後を絶ちません。これらは一部の教職員が引き起こしたとはいえ、学校教育の信頼を損なう、重大な問題です。あなたは教頭として、教職員の服務の厳正を確保するとともに、事故などの根絶や、未然防止のためにどのように取り組むのかを、現任校の現状を踏まえて具体的に述べなさい。


はじめに

昨今、教職員の服務義務に反する事案の記事が新聞などをにぎわし、教職員の信用が揺らぎかねない状況が起きている。愛知県では、懲戒処分の多くを、児童生徒へのわいせつ行為や体罰が占めている。この事実に対して、教職員一人一人が「自分ごと」として捉え、「使命感」と「責任感」を意識し、保護者に信頼されるように努力しなくてはならない。

私は、教頭として、服務の厳正を確保し、事故の根絶・未然防止に向け、校長の指示を仰ぎながら、信頼される学校づくりをすすめていく。以下、3点に整理し方策を述べる。

「自分ごと」として考える場の設定

服務の厳正を確保するためには、職員が「自分ごと」として捉え、危機意識をもって仕事に臨むことが大切である。

私は、現職研修を活用し、考える場を設定していく。実際に、新聞記事から事実を取り上げ、事故を起こした教職員がどのような処分を受けたのかまで伝えていく。そこで、「もし、自分がその教職員だったら」と問い掛け、自分の家族や学校の職員など、周りに与える影響を考えさせていく。その後、懲戒処分により全てを失ってしまう怖さに気付かせ、絶対に起こしてはいけないという危機意識をもたせていく。また、ワークショップを開き、「なぜ服務違反を起こしてしまったのか」というテーマで原因を考え、語らせることで、服務厳守への自覚を高めていく。併せて、県教委より出されている「わいせつ行為や体罰の防止のチェックリスト」などを使って定期的にチェックをしたり個人面談をしたりして、意識改革を進めていく。

未然防止に向けた風通しのよい関係づくり

事故の根絶や未然防止のためには、お互いに何でも言い合えるストレスをためない関係づくりが必要である。

本校では、毎週月曜日に学年主任会が行われている。この会は、各学年で取り組んでいる活動や、保護者対応で苦労したり、勤務時間が長かったりする教職員の様子について情報交換の場となっている。私は、この会の情報に加え、授業中の様子や職員室での表情、ストレスチェックテストの結果を踏まえ、職員に積極的に話し掛けていく。そして、一人一人の話に耳を傾け、よい点を褒めながら、悩みがあれば、抱え込まないように助言をしていく。以上のように、学年主任と協力をしながら、教職員の変化を見逃さずサポートできる体制づくりを行っていく。そして、悩みがあっても職員室で気軽に相談し、すっきりした気持ちで帰宅できる教職員の環境づくりを進めていく。

情報の送受信による、地域との協働体制づくり

学校の様子を知ってもらうことは、保護者の安心につながるとともに、学校教育に対する理解や期待にもつながることだと考える。私は、「学校だより」や「学校ブログ」を通して子どもたちの様子や日頃からの学校の取り組みを発信していく。また、学校評価や学校公開日アンケートを行うことで、保護者の要望を聴く場を設けていく。さらに、PTAや地域の会合などに積極的に足を運ぶことで、直接保護者の声に耳を傾け、不安や疑問の解決に向け対応していく。これらの対応により、学校の教育活動への理解を深め、協力してもらえるように働き掛けていく。学校への声は、時に教職員の取り組みを振り返らせ正してくれる。また、理解ある協力は、教職員の教育力と自信を高めてくれる。私は、多くの方が学校の応援団となってもらえるよう、「地域との協働体制づくり」を進めていく。

おわりに

服務義務違反によって一度失ってしまった信頼はなかなか取り戻せない。だから、様々な事案について「自分ごと」と捉え、教職員同士で支え合い、学校外の方々の協力を得ることで、服務義務違反の根絶および未然防止に取り組んでいく。

私は教頭として、地域から信頼され、自信にあふれた教職員集団からなる学校づくりに向け、校長の指示を仰ぎながら全力を尽くす所存である。

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