(読者の窓)幸せの物差し

国連が発表した世界幸福度ランキング2021では、フィンランドが4年連続で1位となった。日本は56位にとどまり、世界との幸福度格差は広がったままである。また、どの国もコロナによる幸福度への影響は思ったほどなかったとしている。むしろ、コロナの影響で連帯感や人とつながる意識が向上した国が順位を上げている。

調査項目に教育分野に関する内容はなかったが、今の学校教育における幸福度は果たしてどうだろうか。一人一人に机やいす、教科書や文具がそろっているのは当たり前で、今やタブレット端末まで備えられ、十分な教育環境で学んでいる日本の子どもたち。一方で、世界には机やいすが十分になく、シェアしながら使っていたり、教科書も数人に1冊あれば良い方だったりするような貧しい教育環境で学んでいる子どもたちがいる。私はこの両極端な教育環境をどちらも経験できる機会に恵まれた。実際に見てきた後者の子どもたちは、何も卑屈になることはなく、驚くほど目をきらきら輝かせて学習に向かっていた。この目の輝きはいったいどこから来るのだろうか、当初は不思議でならなかった。

「選択できる実感」と「人とのつながり」が幸福度を高めるような調査内容になっているため、社会の自由度と寛容さで点数を失う日本は順位を上げることができない。しかし、学校教育において、教師は子どもの目の輝きがしっかり測れる「幸せの物差し」をもち合わせたいものである。

 (今泉浩和・新城市立東郷西小学校長)

関連記事