一人一人を大切にした学級づくり 豊川市立八南小学校

みんなで生き生きと学ぶ授業づくり

■はじめに

本校は、平成29・30年度の2年間、愛知県教育委員会から「特別支援教育」分野での研究委嘱を受け、続けて令和元年度から豊川市教育委員会より3年間の研究委嘱を受けた。県の委嘱を受けたときから、通常学級において、支援を要する児童を含め全員が参加できる授業づくり、そのための温かな学級づくりに焦点を当て研究を進めてきた。

ペアで自分の考えを確かめ合う児童たち

近年、学級の中には様々な児童がいて、担任はその対応に苦慮している。また、本校に限らず、若い教員が多く、そんな先生たちが自信と安心をもって教育に挑むことができるような体制づくりは急務であると考え研究に取り組んできた。

■実践の概要

○温かな学級づくり

児童の自尊感情や学級全体の傾向状況を把握し、手だてを講じるために、本校独自で「自尊感情測定尺度」「学級力アンケート」という調査を作成した。その結果をもとに、自尊感情や自己有用感の低い児童にどんな手だてを講じたらよいかを学年で考え実践している。気になる児童の自己肯定感を高める手だては、学級全体の児童を高めることにもつながった。自己肯定感や有用感を持った児童は、人に優しく接することができ、温かな学級づくりにつながっている。また、毎週火曜日のモジュール学習の時間を使い、エンカウンターやトークトレーニングなどを用いて、話す力・聞く力をつけている。このスキルタイムは、なんでも言える学級づくりも担っている。さらに、ベテラン教師の実践を若手教師につなげ、学級経営に生かすために「若手のためのQ&A」を作成し、若手教師の悩みに応えている。

○学習環境のUD化

どの学級も落ち着いて学習できるよう全校共通の「教室環境UD」に努め、学習面の規律である「八南スタンダード」を作成した。また、帰属意識や意欲を高めるために、本校のマスコットキャラクターである「八南マーくん」をいたるところで活用している。学級経営のスモールステップの目標として「マーくん目標」を学級の入り口に掲げたり、「マーくんスタンプ」「マーくんシール」を作成し、学習に活用したりしている。

○分かる授業づくり

「八南4つのUD化」を意識して、1時間の中で4つのUDが入るように授業を組み立てている。授業の始めに本時の流れを子どもたちに「みえる化」し、読み上げ計算やフラッシュカードで、短時間の復習を行い「そろえる化」を図る。そして、教材を工夫し、○付け法などで「意欲化」を図り、「マーくんポイント」で、切り返しや揺さぶりをかけ、児童の思考を奥深くへと導いて「共有化」を図る。この4つのUDを活用した「八南授業のスタンダード」も作成し、これに沿って分かる授業を実践している。

■おわりに

研究の成果は、学力テストの数値で手応えを感じた。特に全体の学力が低かったり、落ち着きがなかったりする学年の伸び率が高い。今後も、若い教師が自信をもって授業を進められるよう自己肯定感を高める温かな学級づくりとUD化による分かる授業の実践を進めていきたい。

(文責・安藤孝枝校長)

 本校/℡0533(86)4046。Eメール

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