(提言)「変化」を「チャンス」へ「CHANGE」を「CHANCE」へ

尾張小中学校長会長 山岡 裕典

 新任以来二十数年間勤めた江南市に戻り、定年の年を迎えた。

 こうした縁もあり、保護者として、また、地域住民としての教え子に様々な機会に出会う。そのたびに三十年以上も昔の新任時代が思い出される。「丸刈りの中学生男子」「手書きの文書やテスト」「根性論に偏った部活動指導」…。

 一方で、当時はなく新たに登場したものも多くある。「ICT機器」「保護者の入校許可証」「敷地内に設けられた備蓄倉庫」…。当然のことながら、三十余年の間に学校現場も大きく様変わりしてきている。

 その要因として、「文化や社会の変化」「科学や技術の進歩」や「大きな災害や事件」などが挙げられる。

 いずれの要因に対しても、常に教育現場においては、「子どもたちのために」を不易のキーワードとして掲げ、対応してきたことは言うまでもない。

 多くの変化は、事前に見通しをもつことができ、子どもたちの視点に立って十分に論議し、対応の準備を進めることができるものであろう。しかし、「大きな災害や事件」を要因とした変化は、「待ったなし」の対応が求められる場合が多い。まさに、今、直面している新型コロナウイルス感染症から生じている「新たな日常」への対応は、この部類といえよう。

 急激に変化する生活スタイルなどを踏まえ、授業や学校行事などの教育活動をいかに進めていくか、また、そのための私たちの研修や会合をどのようにしていくかなど、様々な判断が必要となってきている。言うまでもなく、その最終判断は校長に委ねられている。その場しのぎの拙速な対応ではなく、「何が不易で、何を変えるべきか」を熟慮した上での迅速な対応が必要と言える。そして、これを機に、あらためて様々な教育活動の意義や必要性を見直し、コロナが終息した後にも継続されていくような、ワンステージアップを目指した変化を見いだしたいものである。

 令和元年十月に、当時の全連小会長、喜名朝博氏が「変化を生み出そう」と私たち校長に力強く訴えられた言葉が想起される。その言葉から、変化を生み出す原動力は、校長自身であるとの思いを強くした。

 この「変化(CHANGE)」を、未来の教育の在り方へ向けた「絶好の機会」(CHANCE)とするために、今まさに校長がリーダーシップを発揮するときである。 

 (江南市立布袋北小学校長)

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