(読者の窓)夢を抱く

 私の夢は「小学校の先生」になることでした。実際は中学校での採用でしたが、夢はかなったと思っています。中学校では、進路指導の際、将来の夢を描かせ、就きたい職業を考えさせ、その職業に就くことができる進路を考えさせています。時に、その場しのぎの夢をもたせてしまったのでは、と思うこともありました。

 昨今、コロナ禍により教育を保障するシステムが急速に進歩してきました。タブレットが1人1台与えられ、家庭でも学習が進められるようになってきました。そのタブレットを使用して、時にはゲームに没頭する子ども、バーチャル世界が拡大して、現実を忘れてしまう子ども。勉強して、偏差値の高い高校・大学へ行けば、高収入の職に就くことができ、豊かな人生を送ることができる。一生懸命努力すれば夢がかなう時代は昭和で終わったかもしれません。夢をもとうと子どもに言いつつ、今自分はどんな夢を抱いているのか自問自答することもあります。

 「人生は何度でもリセットできる。高望みで人生は変わる」、林真理子さんは、その著書『野心のすすめ』の中でそう言っています。また、「人は自覚的に『上』を目指していないと、『たまたま』とか『のんびり』では、より充足感のある人生を生きていくことはできないのです」とも言っています。子どもたちに負けないように、次の夢を抱き、実現するために、野心をもつ時期がきているのかもしれません。野心がうまく回り始めると「強運」といううれしいおまけがついてくるらしいです。

 (小川博通・名古屋市立原中学校長)

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