(提言)コロナ禍における教育活動

名古屋市立小中学校長会副会長 三浦友久

 新任昨年3月2日、安倍晋三前総理が臨時休校を要請した日からすでに一年半がたとうとしている。この間、学校現場は、さまざまな感染症対策と日々の教育活動を両立させ、自粛すべきところは自粛し、見直すべきところは見直し、ひたすら以前のような教育ができることを祈るような気持ちで待ち続けてきた。

 だが、8月27日よりまたも緊急事態宣言が出され、マスク着用、密を避けた座席、同方向を向いての給食などを余儀なくされており、かつてあった学校生活には戻っていない。

 しかし、私は学校にはどんな状況下でも揺るがない2つの大きな責務があると考える。

 1つめは、「子どもたちにコロナ禍だからこそ必要な学習を保障すること」である。

 一人一台端末の整備により、学校でも家庭でもオンライン授業が実施可能となる。教員のICT活用指導力の向上とともに「個別最適な学び」も進むであろう。しかし、私はオンライン授業に頼るだけでは、今求められる授業改善とはなり得ないと考えている。なぜなら、私がここでいう学習とは、子ども同士、あるいは、教員と子どもの間の働き掛け、相互作用があって初めて成立するものだと思うからである。コミュニケーション能力の育成が叫ばれる中、また、マスクの生活が増え、お互いの表情が分かりにくい現在だからこそ、対面授業における「協働的な学習」をこれまで以上に重視すべきであると私は思う。

 2つめの責務は、「子どもたちの日々の成長を促すこと」である。

 子どもたちは学校生活の中で新たな体験や活動を通して、社会性を身に付けていく。小学生には小学生なりの、中学生には中学生なりの、その時その時に応じた体験や活動があり、翌年にやり直せるようなものではないと私は考えている。本校は全児童200人弱の単学級校であるが、「子どもや保護者に残念な一年だったと言わせない」を教職員との合言葉に、できるだけ例年に近い形で教育活動を行ってきた。運動会は昨年今年と形を変えて1時間に2学年ごとに実施し、秋は校庭にあるいちょうの木をたたえる「ぎんなん収穫祭り」を新たに立ち上げた。私は今まで行ってきた教育活動を持続的・継続的・発展的に行うことで子どもたちの成長を促し続けることができると信じている。運動会で無邪気に応援する子どもの姿を見て、実施して本当によかったと実感したものである。

 他校においても運動場でキャンプファイヤーを行った小学校や、卒業式終了後、運動場で校歌などを歌った中学校を私は知っている。子どもの成長に携わることにプライドと気概をもって日々の教育活動に当たりたいと考えている。

 (名古屋市立栄小学校長)

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