【先輩からのとっておきアドバイス】やりがいを持って粘り強く

 Q 子どもが悪いことをして、事実と指導内容を家族に伝えたとき、自分の子どものうそを信じ、文句を言う親がいます。私が若いせいか聞く耳を持たないという感じです。かえってこじれてしまいそうなので謝ったりもします。きっと私にも全く非はないと言えないと思い、いろいろ責任を感じ、眠れない日も少なくありません。そのようなことが続き、とても辛い毎日です。どのようにしたら保護者との対応がうまくいくのでしょか。(K、女性、教師歴3年)

 A 毎日の学校生活で友達とのトラブルやけがはつきものですね。そのたびに担任の先生は、保護者へその経緯や指導内容を伝えます。その中でトラブルの事実や指導内容を伝えたときに、自分の子どものうそを信じ、保護者から文句を言われると次回からの保護者連絡もうまくいくか心配になります。幼い頃は、親の気を引くためのうそ、自分を守るためのうそ、叱られたくないためのうそなどがあります。その子は小学生になっても親の前ではうそを言って親から叱られることから逃避してきたのでしょう。長い時間をかけて諭しながら本人の成長を待たないと、本当のことが話せないかもしれません。

 1 初期対応の大切さ

 今後も何度もトラブルが発生すると思います。そのとき関係した子どもたちから、いつ、どこで、だれと、どうなったのかを確認すると思います。できるだけたくさんの子どもから確認するとよいでしょう。また、ベテランの先生と一緒に事実確認をするとそのやり方も参考になると思います。トラブルの当事者同士が言葉でうまく説明ができない場合もあります。また、当事者でない子が客観的にトラブルの終始を説明できる場合もあります。この事実確認は多くの時間がかかることもあり、この初期対応をしっかりすることが大切です。一人で聞くばかりでなく学年主任さんや同じ学年の先生と複数対応できるといいですね。

 2 事実を伝える

 子どもたちの発達段階によっては、事実確認のつじつまが合わないことがあります。その場合、いくら聞き取りをしても明確にならない部分があることを保護者に伝えましょう。つまり、大人の予想や考え、思い込みが入ると、保護者は自分の子どもだけが悪いわけではないと反論します。つじつまが合わないということもあります。決して大人が勝手に判断してつじつま合わせをしないことです。間違っていたときには、信頼関係が損なわれさらに関係が悪化します。

 3 チーム対応の大切さ

 先生が抱えている悩みについて、近くの人に相談してみましょう。職場では気軽に相談できる同僚や先生はいませんか。スクールカウンセラーさんでも結構です。チーム対応ができる学校体制が整えば、多くの人と情報交換することができるようになります。さらに、さまざまな視点でその背景を考えることができます。例えば、うそをつく原因が、母親が弟や妹に手がかかり、長子に我慢させたり自分のことを自分でさせたり、甘えられないストレスが原因であることなどが分析できるのです。兄弟葛藤はかなり根深く、多くの子どもが抱えています。うそをつくのは「私のこと見て」「僕のこと分かって」というサインでもあります。

 思い悩んで夜も寝られない状態が続けば、先生自身の健康に悪い影響が出ます。子どもたちは元気な先生を待っています。学級にはさまざまな課題を抱える子どもがいると思いますが、笑顔の先生が大好きです。

 教員は子どもたちの将来を育む素晴らしい職業です。やりがいを持って粘り強く取り組んでください。

 (岡田尚之・春日井市立大手小学校長)

 

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