未来の創造に向けて動きだす子どもの育成 豊橋市立二川中学校

急速な科学技術の発展、かつてないほどの異常気象や自然災害、そして昨今のウイルス問題。想定外の状況が次々に起きている。そのような時代を生き抜く子どもには、常識や固定観念にとらわれず、自らの意志で考え、仲間と協働しながら問題を解決し、未来を力強く創造する姿勢を育みたい。そこで、昨年度より「自らの意志で学び続け、未来の創造に向けて動きだす子どもの育成」と題して、研究を始めている。

音階や響きを求めて個人追究を始める子ども(理科)~自発的な問いを生むことから始まる、「主体的・対話的で深い学び」の授業を通して

 3つの力を高める

主題の姿に迫るためには、事象に疑問をもち追究しようと動きだす「問いを生む力」、自分の考えを構築する「考えを深める力」、学びを俯瞰し生かす「学びを行動に移す力」が必要であると考えた。

各教科の授業では、どうしても解き明かしたいという子どもの問題意識を引き出し、個の学びと関わり合いを生かした問題解決的な学習単元を展開する。そして、子どもが教材や追究に没頭する『浸り場』、子どもの考えが揺さぶられ、思考が深まる『着火』、教師は2通りの手だてを講じ、3つの力を高める。

また、朝の活動では、知的好奇心を高める(問いを生む)、相手の考えを聴きとる(考えを深める)など、3つの力を支えるトレーニングを開発、実施している。

さらに、総合的な学習の時間では、地域を題材にした問題解決的な学習を実践している。自分でテーマを設定する(問いを生む)、実際に学びを生かして地域に貢献する(学びを行動に移す)など、子どもが授業で高めた3つの力を生かせるようにしている。

 授業実践から

1年理科「音の性質」の単元では、身近なもので楽器を創る場を設定した(浸り場)。自作したパンフルートやグラスチャイムで、音階や響きができないで困っている子どもの思いを見取り、教師は、可憐に自作楽器を演奏するプロの動画を見せた(着火)。子どもは、「何を工夫したら音階や響きのある楽器が作れるのか」と問題意識を高め、勢いよく個人追究を始めた。各教科でこうした手だてを講じ、子どもの問いを生む力を高めた。

2年社会「江戸幕府の支配の仕組み」では、子どもは、江戸幕府の政策として整備された二川宿本陣が、あまり利用されていなかった事実に直面し、なぜだろうと問いをもった。教師が、本陣資料館への訪問や、学芸員への取材などを設定すると(浸り場)、子どもは利用されなかった本陣が今も残っている理由を個人追究し、自分の考えを構築した。また、関わり合いでは、「本陣に誇りをもち、存続させようとした地域の人の努力」という考えを教師が板書で焦点化し(着火)、子どもが新たな視点で考えを再構築できるようにした。各教科でこうした手だてを講じ、子どもの考えを深める力を高めた。

 まとめに

今後も、手だてにこだわり、地道な教育実践を積み重ねたい。そして、来年度の研究発表会では、研究論を子どもの姿で示し、中学校としての問題解決的な学習の在り方を提案できるように、研究にまい進していきたい。

 (文責・岡本雄二校長、執筆者・坂田周一研究主任)

 本校/℡0532(41)0702。Eメール

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