(こだま)読書週間……

 「最後の頁を閉じた 違う私がいた」(2021「読書週間」標語入選作)。作者の緑川良子さんは「没頭できる本に出合うと、読む前とは確実に何かが変わっている」と言う。本好きな人なら誰もが味わった感覚ではないか。

 本県の子供たちの7割以上が「読書が好き」(2018年調査)としながらも、1カ月に全く本を読まない不読者率は学年が上がるにつれて加速度的に増えている。子供の読書離れが指摘されて久しいが、近年、子供たちの周囲には魅力的な情報があふれるようになり、生活が多様化・多忙化する中で、読書時間がさらに減少することが懸念されている。

 そんな中、国立青少年教育振興機構の調査で、小学生から高校生までの間に読書量が多かった人は、大人になった時に「思考力」や「行動力」などが高い傾向にあることが明らかになった。この結果を待つまでもなく、PISAの読解力を中心とした調査(09年)では「趣味で読書をしている生徒」は、そうでない生徒より成績が高かった。その意味でも本好きな子供を育てることは学校の使命ともいえる。

 県内の特色ある優れた実践を行っている学校を紹介する。名古屋市立長須賀小学校では、読書活動を通して豊かな心の醸成を図るべく、読み聞かせやアニマシオン(子供が本好きになるための活動)に取り組んでいる。知立市立八ツ田小学校では、発達段階に合わせて2部屋の図書館を設け、子供が本を手に取りやすくなる環境づくりを積極的に行っている。飛島村立飛島学園では、図書室に当たるメディアセンターを校舎中央に設け、どの教室からも近い位置で、学校司書により読書への関心を高める取り組みをしている。3校は本年度子供の読書活動優秀実践校として文部科学大臣表彰を受けている。

 10月27日から読書週間がスタートする。「いっしょによもう、いっぱいよもう」(2021「こどもの読書週間」標語入選作、和田真実さん作)秋の夜長、まずは一冊手に取ろう。

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