思考力の育成をめざして~リーディングスキルをもとに自分の考えをもたせ、アウトプットさせる授業を通して~ 一宮市立中部中学校

本校の生徒は、学習に対して、真剣に取り組むことができる。授業も、静かな雰囲気で行うことができ、教師から出された課題や問題に対しても、真面目に取り組むことができる。テストなどの結果から、基礎基本の定着はおおむねできていると考える。

自分の考えをもとに、アウトプットする場面

しかし、学習内容を理解できている生徒とできていない生徒の差は大きく、二極化が見られる。また、受け身の生徒が多く、分からない問題や課題に対しては、早い段階で諦めてしまう生徒が見られる。間違っても答えを直すだけにとどまり、自分の考えの過程を振り返ったり、どこで間違えたのかを追求したりして、自分の考えをよりよくしようとする生徒が多いとはいえない。さらに、自分の考えを説明することや、話し合いの場で、どの考えがよいかを判断したり発表された考えをまとめたりすることは苦手である。

このような現状を踏まえ、5つの力が必要ではないかと考え、次の5つを思考力と定義した。

(1)事象から課題や問題を見いだす力

(2)課題や問題に対し、解決方法を考える力

(3)多様な考え方や解決方法の中から、どの考え方や解決方法がよいのかと判断した根拠を考える力

(4)自分の考えの長所や短所を判断し、より向上させようと考える力

(5)新たな課題や問題を発見する力

 思考力を高めるために

まずは、授業で、リーディングスキル(読解力)をもとに自分の考えをもたせる場を設定した。また、リーディングスキルを高めるために、リーディングテストを実施したり、「読み方レスキュー」を導入したりした。さらに、授業で、アウトプットさせることで、生徒の思考を「見える化」すること、生徒の思考力をさらに高めること、自己評価として捉えることとが必要であると考えた。

 成果と課題

生徒の変容としては、授業で扱う学習問題や資料の読み取りをじっくりと行うことで、ノート、プリントに書く自分の考えの質が高まった。さらにアウトプットする場面が設定されていることで、よりよく自分の考えを書こうとする生徒が多く見られるようになった。リーディングテストでは読字力、語彙力、文法力、読解力と全ての項目で得点率があがった。テストでは、思考力を問う問題を作成し、正答率を調べた。正答率が高まる教科もあれば、低くなる教科もあった。全国学力・学習状況調査では、無答率が全ての問題で、全国・県平均を下回った。

今後も、リーディングスキルを高め、自分の考えをアウトプットさせる実践を継続していきたい。

(川口和彦・一宮市立中部中学校長)

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