【私を支えた「この一冊」(18)】旅する力 深夜特急ノート

沢木耕太郎
新潮社

 いつから旅好きになったのか。確かなことは、教員仲間3人で個人旅行を楽しむようになってからだ。

 沢木氏の『深夜特急』を読み、さらに拍車を掛けた。勢い余って訪れたロカ岬。断崖絶壁に立ち、大西洋に向かって大声で叫んだ時の興奮は、今でも記憶に新しい。

 『旅する力』は、『深夜特急』の裏側をエッセーでまとめながら、「旅とは何か」について多くを語っている。

 旅は自分の力の不足を教えてくれる。比喩的に言えば、自分の背丈を示してくれるのだ。…この自分の背丈を知るということは、まさに旅の効用のひとつなのだ。

 一つの旅を終えると、以前よりも寛容になっている自分に気付く。若い頃の怒りんぼ気質は、いつしか影を潜めていったように思う。

(大久保リサ・豊橋市立富士見小学校長)

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