資質・能力の育成を目指した学びの在り方 第61回愛知県総合教育センター研究発表会

 11月26日、「資質・能力の育成を目指した学びの在り方」をテーマに、「第61回愛知県総合教育センター研究発表会」が同センターにおいて開催された。

リモートによる講演

 昨年度から新学習指導要領の全面実施が、小学校を皮切りに順次行われている。新学習指導要領では、各教科等の目標および内容が、育成を目指す資質・能力の3つの柱に整理され、どのような資質・能力の育成を目指すのかが明確化された。「何を教えるのか」から「何を学ぶのか」という視点で指導と評価の一体化を図りながら授業改善を進めることが求められている。

 そこで、資質・能力の育成を目指した学びの在り方という観点から、昨年と同様に、新型コロナウイルス感染症対策として、Zoomを用いたオンライン研究会とし、講演および研究発表・研究協議を行った。

 開会行事、基調提案に続いて、西岡加名恵氏(京都大学大学院教育学研究科教授)の、「『資質・能力』を育成する評価の在り方―パフォーマンス評価をどう活用するか―」と題する講演が行われた。

 西岡氏は、「資質・能力」のバランスが取れた学習評価を行うための、パフォーマンス評価の導入を提唱している。「思考力・判断力・表現力等」を保障するために、パフォーマンス課題として、「本質的な問い」や「永続的な問い」を開発、活用していくことが重要であることを具体的な実践例を交えて分かりやすく紹介した。

 午後からは、6部会に分かれての研究発表・研究協議が行われた。

分科会の様子

 【第1部会】「新学習指導要領を踏まえた学習評価の在り方に関する研究(中間報告)」では、学習評価を教師の授業改善や児童生徒の学習改善につなげる効果的な「指導と評価」の在り方について、授業マネジメントシートを活用した研究を進めている。また、3観点の一つ「主体的に学習に取り組む態度」に焦点を当て、それを見取るための視点や方策についても探ることで児童生徒の学習改善につなげることを目指している。

 研究協力校である、あま市立美和小学校では、授業マネジメントシートを活用し、計画的に指導と評価を一体化させる意識をもって実践に取り組んだ。また、「指導に生かす評価」と「記録に残す評価」を意識して授業を進めた。瀬戸市立にじの丘中学校では、授業マネジメントシートの活用により、評価のポイントやタイミングをより意識することができた。現職教育のテーマに関して単元構成が確かなものになったことから、有効な手だてを打つことができたとの報告があった。

 【第2部会】「EdTechによる『未来の教室』創造に関する研究」では、県立学校において、積極的なICTの活用により、主体的・対話的で深い学びの視点による授業改善と、個別最適化された学習指導を推進するなど、EdTechを活用したさまざまな学習指導などの開発や実証研究に取り組んだ。

 県立城北つばさ高等学校では、歴史をより現実的に捉えることができ、知識を単に理解するにとどまらず、考察したものを表現することができた。県立南陽高等学校では、年度当初からロイロノート・スクールを用いた提出を行うことで、データの管理をスムーズに行うことができたとの報告があった。

 【第3部会】「いじめの組織的な未然防止に関する研究」では、研究協力委員の所属校において「対応力」を高める研修を実施した。本研修が組織連携の意識向上に有効性があり、特に「振り返り・分かち合い」が有意義であることが分かった。成果を効果的に発信することで広く活用してもらい、いじめの未然防止と組織的対応の意識向上を具現化していきたいとまとめた。

 【第4部会】「県立高等学校教育課程課題研究(数学)」では、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、「授業改善を図るための授業研究の進め方」「身に付けさせたい資質・能力を育むための観点別学習状況の評価の進め方」「思考力、判断力、表現力等の育成を目指したICTの活用方法」について、実践に基づいた研究成果を報告した。

 【第5部会】「県立高等学校教育課程課題研究(英語)」では、パフォーマンステストとそれを評価するためのルーブリックについて研究を行った。単元の学習到達目標を基に評価規準を設定し、どのようなパフォーマンステストを実施するかや、生徒のパフォーマンスを観点別に見取るためのよりよいルーブリックについて検討した。単元の指導計画とともに実践例を報告した。

 【第6部会】「県立高等学校教育課程課題研究(産業教育)」では、2つの研究班の報告があった。産業教育(農業、水産)では、「主体的・対話的で深い学び」を実現する農業、水産科の授業改善へのICT機器の効果的な活用法を検証し、実験・実習の在り方を研究した。産業教育(工業)では、これまでの研究成果を基に、実践的・体験的な学習活動を通したものづくり教育における指導方法を研究してきた。求められる資質・能力を見据えた3つの観点ごとの評価規準を作成しながら、授業改善を行った実践を報告した。

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 後日、講演会、研究発表の一部をオンデマンドで限定配信する。

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